終段スイッチング電源検討(製作編40)

製作編40

引き続き機内配線を行い、完成後の動作確認を行い問題点をまとめます。

機内配線再開

L-chアンプの電源配線を行います。配線先は配電基板です。1つのアンプで電圧増幅段で3本、ドライバー段で3本、終段で3本の配線が必要で、BTL構成の為方チャンネルあたり、18本の配線が必要となります。電線は長めにカットしているので、適切な長さにカットして配線を行います。注意点としては、メンテナンス時にサイドパネルの固定ネジを外して、パネルを傾けて作業できるように、パネル上端側に接続される電線長をやや長めにしています。

R-ch側も同様に配線を行いますが、配電基板の配置の関係で配線長が長くなり敷線に苦労しました。

電線を束線バンドで結束していますが、いまいち配線がすっきりしません。最後にアンプの出力配線と、オフセット検出用の絶対値回路入力配線を行うと全配線が完了です。

記事の分量は多くはありませんが、アンプの機内配線作業はかなり時間がかかりました。配線のごちゃごちゃ感は否めませんが、そこそこいい感じに仕上がったとおもいます。

通電確認

改めて配線を確認し直してから、いよいよ電源オンしてみます。オン直後に電源ランプの点滅がスタートし、約5病後に点灯状態となるとともに、リレーの動作音がしました。

機内のスイッチング電源内部に緑のLEDが点灯し、マイコン基板も2個LEDが点灯していい眺めです。とのんびりしてはいられません。出力のオフセット電圧と増幅段の要所の電圧を確認して問題なく起動している事を確認しました。まずは一安心です。

動作確認

一旦電源をオフして、10cmフルレンジスピーカーを接続して音を聴いてみました。真剣に鳴らしていませんが、ちゃんと動作している事が確認できました。この状態でオシロクコープをアンプ出力に接続していろんな条件で出力波形を確認しました。その結果いろんな問題が発覚しました。

①R-ch発振

約9MHzで発振していました。通常の発振とは異なり、アンプが暖まると止まります。また発振中にアンプの電源配線をいじると発振レベルが変化します。発振対策が必要です。

黄色がHotで青がColdです。レベルが違う為、差信号としても残留します。

②残留ノイズ

スイッチング電源から回り込み出力されています。今回スイッチング電源の使用にあたり、ノイズに関する対策を特に行っていなかった為、当然の結果だと言えますが対策のハードルは高そうです。

黄色はHot出力で青がCold出力、赤が差分信号です。同相ノイズとなっている為打ち消されていますが、完全ではありません。

③電源オフ時ボツ音

リレーの電源がオフされる事で、出力をカットしていますが、タイミングが間に合っていませんでした。対策としては、電源監視してオフを検知後にリレーオフする処理の追加が必要です。

黄色はアンプ系の+電源で青がアンプのHot出力です。この結果を見ると、電源オフ後、30ms以内にリレーをオフすればボツ音の発生が回避できます。

④スイッチング電源の温度上昇

上記確認中にアンプ用電源のスイッチング電源のフレーム触れたところ、触っていられない程に温度が上がっていました。少なくとも安定状態の温度の確認が必要で、その温度があまりにも高い場合は、追加の放熱の対応が必要になります。 という事で、完成が近づいたと思ったのは一瞬で、逆に完成までの道のりが長く険しい事を認識しました。逆の見方をすれば、まだまだこのアンプの製作を楽しめるという事です。次回はスイッチング電源の温度上昇の確認を行います。

 

つづく(製作編41)