終段スイッチング電源検討(製作編41)

製作編41

簡単な動作確認で確認した4つの問題点について対応が簡単なもの(電源の温度上昇)から改善検討します。

温度上昇確認準備

最初はスイッチング電源の温度上昇の確認を行います。あまりにも温度が高い場合、部品の寿命を縮めてしまうので、なんらかの対応をする必要があります。通電確認の際にも温度の確認を行いましたが、非接触式、接触式ともにうまく温度の測定ができませんでした。そこで熱電対式の温度計を購入する事にしました。アマゾンで検索をかけると手頃な物がたくさんヒットしました。今回のような測定には、データーロガー機能が必要ですが、機能を持つ製品の価格が1万円を越えるしまうのであきらめました。購入したものは、デュアッルチャンネル式K/Jタイプ熱電対対応デジタル温度計UT320Dをを購入しました。価格は3,580円でした。

中身を取り出してみます。

本体と2本の熱電対、単三電池と謎の樹脂プレートです。使い方はいたって簡単で、熱電対2本を接続し、電池をセットして電源オンするだけです。2チャンネルあるので、スイッチング電源の筐体と、R-ch側のヒートシンク温度を測定する事にしました。熱電対は、熱の影響が心配ですが、テープで固定しました。

測定は、時計とにらめっこしながら温度をメモしました。最初は温度変化が激しいと考えられるので15秒毎とし、途中から1分毎にメモしました。

測定はエアコンを28℃設定で運転させた室内で行います。アンプのトップカバーはかぶせるだけとして、隙間から熱電対を引き出しています。ボトムカバー下には厚さ15mmの木片を置き、放熱用の通風路を確保しています。これで測定準備は完了です。

温度上昇測定

温度の安定状況を見ながら測定を行いましたが、10分まで15秒間隔で、その後は1分間隔で温度を記録しました。1時間10分温度上昇確認を行い、その時点でトップカバーを取り外し15分間温度の推移を確認しました。結果は以下のとおりです。

スタートから70分でスイッチング電源のケース温度は約62℃で、まだ上昇中の状況で、安定温度は65℃程度と考えられます。ヒートシンク温度は70分後、ほぼ安定状態となっていて、約50℃でした。この状態でトップカバーを外すとスイッチング電源のケース温度は、約10℃下がりました。ヒートシンク温度はトップカバーの有無であまり影響を受けていません。この結果から、トップカバーには放熱用の通風口が必要と判断しました。

対策検討

冷却用に超低騒音ファンを購入しましたが、結果を見る限り使用しなくても良さそうです。但し、運用後の状況で取り付けできるようにすべきと考えて、放熱穴はファンモーターのサイズに合わせてあけることにします。内部に指等が入らない用に、メッシュの金網を取り付ける予定です。一番の問題は、大きな丸穴をいかにきれい開ける事ができるかです。amazonで検索したところφ120の金属用のホールソーが販売されている事を確認しましたが、きれいにカットできるか疑問です。仕上げが大変ですが、ドリルでカット線に沿って穴を開けて、後でヤスリに磨く方法もあります。加工方法は別途検討する事として、加工図のみ作成しておく事とします。

ネット検索をしたところ、arduino UNOで簡単に使えそうな熱電対用コントロール基板が安価で販売されている事を確認しました。長時間の温度のメモは大変なので、次回の測定では、arduino UNO用の温度計シールド基板を製作したいとおもいます。次回は電源オフ時のボツ音対策検討を行います。

 

つづく(製作編42)