終段スイッチング電源検討(製作編62)

製作編62

PWM制御のケースファンを調達し、スイッチング電源の冷却の検討をします。

おさらい

以前、スイッチング電源のフレームの温度上昇試験を行いましたが、結果をおさらいします。まずは何の対策なしでスイッチング電源のフレームの温度上昇を確認しました。結果は以下のとおりです。

結果を見ると、常温環境のスイッチング電源のフレームの平衡温度は65℃くらいとなる事が確認できました。真夏の室内を考慮すると対策が必要と考えて、トップカバーに穴を開けてケースファンを取り付けました。初めにファンを動作させずに放熱穴の効果を確認しました。結果は以下のとおりです。

効果は認められるものの、十分ではありませんでした。さらにファンモーターを動作させて効果の確認を行いました。

結果は約20℃温度が下がる事が確認できました。効果は十分ですが、騒音等の弊害があるため、マージン分の速度を下げるためにPWM制御のケースファンを検討してみる事にしました。

PWM制御ケースファン選定

アマゾンでPWM制御機能付きの静音ファンを探してみました。上記で検討したファンのPWM制御付きのものもありましたが、3個セット売りだった為、別のものを探しました。ファンの電源配線をどうするか考えながら探していたところ、延長電線が付属したファンが目にとまりました。

決め手は価格と延長ケーブルが付属している点です。仕様は以下のとおりです。

ラインナップは最高回転数により3種類ありますが、今回購入したものは2400rpmのものです。

PWM制御ケースファン

物が届きました。

箱は日本仕様となっています。中身を確認します。

ファン本体以外、延長ケーブルと固定用のビスが入っています。PWM制御ですが、一般的に25KHzの信号のDutyを制御して回転速度を指定します。購入したファンの仕様を確認しましたが、PWM制御信号周波数に関する記述はありませんでした。一方、アンプ搭載のarduino UNOですが、14本のデジタル入出力ポートを持ち、その中6本がPWM出力が可能となっています。6本のPWM出力ですがさらに2種類に分類でき、5、6番が980Hz出力仕様で3、6、9、10、11番は490Hz出力となります。arduino UNOのハードウェアでは25KHzのPWM出力を出す事ができません。しかし、ネット検索をするとPWM速度制御用信号周波数は必ずしも25KHzでなくても良い事がわかりました。早速検証してみます。

PWM制御検討

arduino UNOの5番ピンと9番ピンを使って制御信号を生成し、Dutyに対する回転速度を確認してみます。まずは、PWM制御信号生成用の簡単なソースコードを作成しました。

PWM信号は、analogWrite文を使うと、設定変更するまでPWM信号を出力し続けます。Dutyは定数定義し、測定の都度書き換えて確認を行います。早速出力信号確認を行ってみました。

黄色が9番、青が5番の出力信号です。Dutyは50%としています。仕様どおりのほぼ490Hzと980Hzの信号の確認ができました。次はファンモーターの仕様を確認します。コネクタの端子配列は以下のとおりです。

接続用配線する為に延長ケーブルをカットして被覆を剥きました。

速度出力はオープンコレクタ出力なので、出力端子を12KΩでプルアップします。

これで速度制御確認の準備は完了です。次回は上記で準備したものを使って実験を行います。

 

つづく(製作編63)