終段スイッチング電源検討(製作編63)

製作編63

PWM制御ファンの動作確認をして冷却効果の確認も行います。

PWM制御確認

初めに速度制御入力端子をオープン状態で動作確認をしてみます。速度制御入力ラインはファンモータ内部でプルアップされている事から、Duty=100%の設定となります。回転出力信号は以下のとおりです。

信号の周波数は77.5Hzでした。ブレード1回転で2波出力される為、周波数から回転速度への変換は以下のとおりです。

77.5Hz / 2 * 60 = 2325rpm

続いて速度入力端子をGNDに落として確認します。この場合はDuty=0%の設定となります。回転出力信号は以下のとおりです。

信号の周波数は10.5Hzなので、回転速度は315rpmとなります。次にarduino UNOが生成したPWM信号を入力してみます。最初は490Hz信号を入力してみました。写真はDuty=50%時の入力信号と回転出力信号です。

黄色が入力信号で青が回転速度出力信号です。回転出力信号は入力信号と非同期でした。回転速度は1449rpmでした。PWM信号周波数が490Hzでも速度制御はできているようです。ファン内部では、入力信号を平滑によりDCレベルに変換して速度指令に変換していると考えられ為、問題なく制御できていると思われます。同様にPWM信号周波数980Hz/Duty=10%の信号を入力してみました。

回転周期は画面中ではみれませんが、980Hzでも正しく速度制御できているようです。両信号のDutyを0から10%づつ増やしていき回転速度を確認してみました。結果は以下のとおりです。

ネット上の情報どおり、この周波数の範囲では、どちらの信号でも正しく速度制御ができている事が確認できました。但し、全てのPWM制御ファンにこの結果が当てはまるとは言い切れないので注意が必要です。

ファンモーターの交換

トップカバーを外して、ファンモーターを交換します。現行のファンはM4マシンネジで取り付けています。ファンモーターを取り外して新旧のファンを並べてみました。

写真右側が新しいファンモーターです。ファンをとりつけようとしたところ、今まで固定に使っていたM4マシンネジでは、長さが足りずに取り付ける事ができませんでした。仕方がないので、ファンモーター付属の皿タッピンネジを使う事にしました。このネジを使う為にまずは穴径を少し拡大します。

ネジが入るようになったら、皿ネジ用の追加加工を行いました。

これら追加工を行い、無事新しいファンモーターが取り付けられました。

再温度上昇試験

ファンの取り付けが完了したので、スイッチング電源フレームの温度上昇試験の準備を行います。まずはDuty=0の最低回転速で効果の確認を行います。前回のファンモーターの効果確認時と同様に温度平衡した状態でファンを起動して温度の変化を確認します。この為、ファンの配線は一旦機外へ出して、途中で電源オンできるように準備しました。

Duty=0とする為に、速度入力端子はGNDに落としてあります。前回の測定と同様に+12V用と-12V用のスイッチング電源のフレームに熱電対を取り付けました。

ファンを止めた状態で温度平衡となるのを待って、ファンを動作させました。測定間隔は1分です。結果は以下のとおりです。

効果は-12V電源で約4℃で+12Vは約3℃でした。動作時の騒音は殆ど聞き取れず、開口部に手を当てても暖かい感触はありますが、風を感じられる程ではありません。測定時の室温が約20℃だったので、夏場の35℃を想定してもフレーム温度は70℃以下となりました。当面この状態で様子を見たいとおもいます。

 

つづく(製作編64)