終段スイッチング電源検討(製作編64)

製作編64

トップカバーを被せて、ファンモーターも動作させてアンプ出力の残留ノイズを確認します。結果がよければアンプ完成です。

残留ノイズ測定準備

おそらくこれでアンプ出力ノイズの確認は最後となるとおもいますので、測定前に改めて内部配線の束線を行いました。追加で束線できる箇所はあまいありませんでしたが、最終的にこんな感じとなりました。

配線がごちゃごちゃしている原因は、BTL方式のステレオアンプなのでそもそも配線数が多く、SW電源のスイッチングノイズの伝搬を防ぐ為に、考えなしに束線する事ができなかった為です。記事の写真としては、いまひとつですが、蓋をしてしまえば見えないので、あまり気にしない事にします。

アンプ出力ノイズ

アンプ出力に8Ωのダミー負荷を接続してオシロスコープで波形をモニタしました。まずはファンモーターを動作させずにトップカバーの有りと無しを比較しました。

黄色がHot、青がCold出力です。上がトップカバー無しで下がトップカバー有りです。結果はトップカバーの有無で出力ノイズに変化はありませんでした。次にL-chのノイズを確認しました。結果は以下のとおりです。

Rchの83mVppに比べ39mVppとノイズレベルが小さくなっていました。+/-12V電源との距離が離れている事と、L-chの近くにはマイコン用電源がありますが、+/-12V電源に比べて圧倒的に負荷が軽い為に影響が小さいと考えられます。Rchでトップカバーの有無はノイズに影響がなかったのでLchトップカバー有りの確認は省略しました。次はファンモーターの影響の確認を行います。確認は、ファンモーターからの距離が近いR-chで行いました。先に行ったカバーありの状態よりも状況が良くなっていた為、改めてファンモーター非動作時と動作時の確認を行いました。

上がファンモーター非動作時で、下が動作時です。波形を見る限りファンモーターの動作による影響はなさそうです。ファンモーターの回転数は315rpmなので、掃引速度を下げて念のため確認を行いました。掃引速度は5ms/divです。

上がファンモーター非動作時で、下が動作時です。この掃引速度の結果を見ても大きな差は確認できませんでした。電源のスイッチングノイズの完全な対策はできませんでしたが、これ以上は音への影響も懸念される事と、可聴帯域外のノイズという事で、当面はこの状態で使用したいと思います。

外観

改めてトップカバーを被せた状態の外観写真を掲載します。

この角度で見るとファンモーターの放熱穴が中央寄りに見えます。次はリアからの外観写真です。

フロントよりも大型の取っ手をつけていますが、スピーカーターミナルを保護する為です。フロントとリアの取っ手は、アンプの取り回し上欠かせないアイテムとなっています。次回は電源の違いによる音の違いを聴いてみます。

 

つづく(まとめ編1)