熱電対データロガー製作運用編

運用編

製作した熱電対データロガーを使って温度測定を行ってみます。

測定対象

折角温度測定を行うからには、意味のある温度を測定したいとおもいます。データロガーの製作課程で想定していた測定対象は、先日完成したA級BTLステレオDCパワーアンプの電源温度の測定です。温度上昇を抑える為にファンモーターを取り付けましたが、騒音をいいわけに最低回転数(duty=0%)で回しています。その結果ファンの効果はあるものの、真夏の高温室内を想定するともう少し効果を上げたいと考えていました。アンプ製作課程で測定した結果は以下のとおりです。

ファンを動作させずに一旦温度平行状態にしてから、ファンモーターを起動させて温度の変化をモニタした結果です。ファンモーターによる冷却効果は約3~4℃というところでした。採用したファンは速度制御ができるので、もう少し回転数を上げて効果を確認してみます。

アンプファン制御追加

採用したファンモーターはarduino UNOのPWM機能で速度制御ができる事を確認済みです。下記がその確認結果です。

arduino UNOにはPWM周波数が490Hzと980Hzの2種類があり、上記の結果はどちらの周波数でも制御可能な事を示しています。まずはマイコン回路にPWM出力を追加します。回路図は以下のとおりです。

シールド基板の空きスペースに2極の端子台を追加しました。

写真左下の端子台が追加したものです。続いてファンモータ中継基板の改造を行います。単純にPWM入力端子台を追加するだけではなく、速度出力用の基板ポストも追加しました。

次はソフトウェアの修正です。void setup()にPWM出力処理を追加するのみです。まずはduty=10%でソフトを作成しました。

ソフトはdemo7として作成し、Ver1.10としました。早速試運転してみます。電源オンすると無事にファンモーターが起動しました。duty=0%時に比べて騒音はやや大きくなっていますが、CDプレーヤーのCDの回転音程度なので問題ありません。正しく制御できているかを確認するため、PWM信号と回転出力をモニタしてみました。

上がPWM信号です。周波数は490Hzでduty10%となっている事が確認できます。下は回転出力です。周波数は17.18Hzです。ブレード1回転で2波出力されるので、回転数は約515rpmです。duty0%時は約350rpmだったので想定どおり回転数が上がっています。これでアンプ側の改造は完了です。

温度測定

アンプ製作中の温度測定と同様にスイッチング電源のフレームに熱電対を貼り付けました。ファンモーターを動作させずに温度平衡状態にしてから、ファンを起動させて冷却効果の確認を行いました。結果は以下のとおりです。

約13~14℃の冷却効果を確認できました。せっかくなのでduty0%時の結果も改めて取り直してみました。

この場合の効果は3~4℃というところです。dutyを10%上げるだけで大きな効果が得られる事が確認できました。せっかくなのでこのアンプはduty10%で運用する事にします。測定の手間は、前に比べて格段に少なくする事ができました。

2023年まとめ

本記事は今年最後の投稿となりますので、一年を総括してみます。

01/10~オシロFFT活用検討

02/14~終段スイッチング電源検討

12/15~熱電対データロガー製作

ほとんど1年をスイッチング電源を使ったパワーアンプの製作に費やした事になります。このアンプは課題が残りましたが、正直やりつくした満足感が得られました。番外編として旅行記事を2本アップしました。

10/06 2023台湾中秋節旅行

11/07 2023九州旅行

どちらも思いで深い旅行となりました。この年になると1年があっという間に終わる感覚です。来年も楽しくマイペースでオーディオ製作を続けたいとおもいます。それではみなさま良いお年を!

 

終わり(運用編)