終段スイッチング電源検討(まとめ5)

まとめ5

引き続きまとめを行います。

ボトムシャーシ加工

ボトムシャーシに取り付ける部品は、電源3台、フィルター基板、配電基板、マイコン、リレー/電源ランプ制御基板、DCオフセット検出基板です。配置は迷いましたが、リア側に電源3台をセンター合わせで配置し、その手前に配電基板とDCオフセット検出基板を、フロント側にマイコンとリレー/電源ランプ制御基板を配置しました。加工図は以下のとおりです。

全部品を取り付けるとこんな感じです。

まだこの時は、フィルター基板が存在していませんが、製作過程で基板実装し、にDCオフセット検出基板上にスペーサーを追加して取り付けました。

ケースサイズを当初の想定よりも大きいものを選択した為、配置面では余裕があります。

合体

トップカバー以外を合体しました。

配線だらけです。(注まだフィルター基板はありません)最終的にはこうなりました。

トップカバー加工

今までの製作では、トップカバーに加工を行った事はありませんでした。今回は仮組み状態の通電で、電源のフレーム温度が高くなった事からファンモーターを取り付けました。PC用の静音ファンモーターを選択しましたが、取り付け互換があるので沢山の種類から選択可能でした。最終的には回転制御ができるSCYTH Wonder Snail 2400を選定しました。トップカバーの加工図は以下のとおりです。

ブレードへの接触防止の為に、車改造用のメッシュグリルを切って取り付けました。

このファンモーターは、arduino UNOでPWM制御できる事を確認しましたが、当面最低回転数(約350rpm duty=0)で使用して様子をみる事にしました。この時の電源フレーム温度上昇への効果は以下のとおりです。

これで組立は完了です。外観は以下のとおりです。

特性測定結果

周波数特性の結果をまとめます。Hot/ColdとL/Rアンプ単体で周波数特性の測定を行いました。結果は以下のとおりです。

上がRチャンネル、下がLチャンネルの結果です。どちらもHot系のアンプの方が高域の帯域が狭いですが、基板配置起因の配線長の影響と考えられます。続いてアンプ出力の残留ノイズの結果をまとめます。

R-chの残留ノイズの方が大きいですが、電源配置と電源配線長の影響と考えられます。このノイズは、可聴帯域外とは言えD級アンプではないので許容できないと思いいろんな対策を試しましたが、ここまでが技量と時間内でできた限界でした。聴感上の影響は感じられない事が救いでした。次は終段バイアス電流の温度補償特性です。ヒートシンク温度と終段バイアス電流の関係を観測しました。

終段トランジスタと温度検出用トランジスタ間に距離があるのでこんなものではないでしょうか?最後にアンプの各部電圧の確認結果を掲載します。

何度も製作している回路構成なので、各部電圧も納得できる数値となっています。

まとめのまとめ

アンプ出力の残留ノイズ対策は、今後もアイデア検討を行いヒラメイタ時点で試してみたいとおもいます。リファレンスアンプのドライバ段と終段の電源構成は全波整流回路コンデンサインプット電源です。今回の製作ではこの電源で発生するリップルに対する音質改善を期待しました。リップルの基本派が100Hzでその上に高調波成分が重畳されています。一方、音声のド音が約262Hzで1オクターブ下のド音が約131Hzとなります。フルレンジスピーカーとの組み合わせによる比較試聴結果では、リップル周波数域に相当する帯域の奥行き表現がリファレンスアンプに比べ豊かな印象を受けました。但しその違いとリップル改善との因果関係は不明です。この先は、ドライバ段以降も安定化電源の採用しかありませんが、熱および異常時の保護が大きな課題になるとおもいます。今は計画はありませんが、いづれはとも思います。構想開始が2月なので10ヶ月以上楽しむ事ができました。長い間おつきあいいただきありがとうございました。

 

おわり(まとめ5)