終段スイッチング電源検討(製作編45)

製作編45

引き続きアンプ出力の残留ノイズ対策として電源ノイズの改善検討を行います。

スイッチング電源ノイズ王道対策

初心に立ち返り、スイッチング電源のノイズ対策について検討しなおします。ネットを検索すると、電源メーカーやノイズ対策部品メーカーの対策に関する資料が沢山ヒットしました。まずはその資料でスイッチング電源のノイズに対して勉強しなおします。ノイズの基本ですが、スイッチング電源ノイズにはコモンモードノイズとディファレンシャルモードノイズがあります。ディファレンシャルモードノイズは電源の+とー出力間に発生するノイズで、コモンモードノイズは+とーに同相で乗るノイズです。村田製作所のWebページにスイッチング電源ノイズ対策に関する情報が掲載されていたので参照しました。スイッチング電源のノイズのモデルとして以下が掲載されています。

この例ではスイッチング電源のスイッチング周波数を150KHzとしています。ノイズモデルにはコモンモードとディファレンシャルモードの2つのノイズが含まれていて、コモンモードは比較的高周波域のノイズが、ディファレンシャルモードは低周波域のノイズが強くなっているとの事です。ページに掲載された対策例を元に回路図を作成しました。

スイッチング電源1台に対して、1個のチョークコイルを使用します。スイッチング電源のFGは、フィルター基板を介してケースに接続します。当初ケースのFGは、基板取り付け用のビスにラグ端子で接続する事を考えていましたが、ボトムシャーシアルミ板の酸化膜の影響の為か、ケースと導通がない事がわかりボトムシャーシに接続用のビスナットを取り付ける事にしました。

フィルター基板2製作

フィルター基板2は、アンプへの実装を考慮して私の標準ユニバーサル基板に実装する事にしました。まずは、端子台とチョークコイルの配置を決めます。標準ユニバーサル基板には余裕で実装できますが、基板センターにコンパクトに実装する事にしました。

右側の1系統のみフル実装していますが、2個の端子台とチョークコイルの左側の端子が直線上にのるように配置しています。3系統ともに配置してみました。

まずは端子台とチョークコイル間をポリフェノール線で接続しました。

残りコンデンサを取り付ければ完成です。

写真は、基板取り付けようスペーサーがシャーシ導通がある前提でFG配線を行っていますが、後で配線しなおしています。半田面は以下のとおりです。

アンプへの実装

フィルター2基板は、絶対値回路基板固定用のスペーサーにさらにスペーサーを取り付けて、2階構造として取り付けました。スイッチング電源3台の出力配線はすべてやりなおしています。

スイッチング電源のFG配線は緑の電線を使用しました。ここで気づいたのですが、スイッチング電源3台はネジでボトムシャーシに固定している為、ボトムシャーシと電気的に接続されていると考えていましたが、接続されていませんでした。ボトムシャーシ上面はアルミの酸化膜の影響で、下面は保護用のシートを剥がしていない事に起因していると考えられます。このフィルター2基板を介して、ボトムシャーシに接続される事になりますが、接続点はこんな感じになりました。

これ以上接続電線が増えたら、L字ラグ端子板を設置したいとおもいます。逆効果になってしまうかも知れませんが、スイッチング電源のフレームもシャーシGNDに接続しました。

この接続は良くないので、L字ラグ端子板に変更した際にダイレクトにシャーシGNDに接続しなおしたいとおもいます。次回は効果の確認をします。

 

つづく(製作編46)