終段スイッチング電源検討(製作編48)

製作編48

スイッチング電源のノイズの追加対策検討を行います。

フィルター基板クリアランス

前回の記事の最後で、0.47uFのフィルムコンデンサーをフィルター基板の出力に取り付けましたが、ノイズの前後比較でやや悪化したように見えました。

フィルターコンデンサーをハンダ面に取り付けた事から、フィルター基板実装部品とその下に設置しているリレー基板間のクリアランスが小さくなった事が影響しているか確認をしてみます。方法はフィルター基板取り付け用の六角スペーサーにさらに10mmの六角スペーサーを取り付けてクリアランスを稼ぎました。

見た目にはあまり差はありません。結果の確認は、改めて対策前のノイズ波形を観測し、対策を適用してから再度ノイズの確認を行いました。結果は以下のとおりです。

黄が+12V、青が-12Vで、上がクリアランス確保前、下がクリアランス確保後です。残念ながら結果は変わりませんでした。

追加改善検討

構想編でスイッチング電源の選定を行いましたが、TDKのスイッチング電源のリップルノイズ特性を調べた際に、測定条件として出力に100uFと0.1uFのコンデンサの取り付けが記載されていました。

上記は仕様書の抜粋です。選定時に、コンデンサー取り付けによってリップル特性が改善した事を確認していました。藁にもすがる気持ちで試してみる事にしました。C1は測定回路図は0.1uFですが、手持ち在庫の関係から0.47uFを選択しました。電解コンデンサーは優れた特性の導電性高分子アルミ個体コンデンサーOS-CON 100uF/16V品を選択しました。

OS-CONは普通の電解コンデンサーに比べて圧倒的にESR値小さいので、今回のような用途に最適です。早速取り付け方法を検討します。スイッチング電源側は端子台への固定なので、Y端子を使用します。電解コンデンサーとフィルムコンデンサーはリードに負荷がかからないように、一旦小型の基板へ実装して、そこから電線で引き出す事にしました。

仕様書上の測定条件の回路図では線長が150mmとなっていますが、+とー出力のループを最小にした方が有利な事から、線長は最短としました。廃基板をカットして2部品を取り付けて、電線を引き出しています。これを3台のスイッチング電源用に準備しました。

早速3台のスイッチング電源の出力に取り付けます。出力用電線と反対側に取り付けました。電源出力線と共締めします。

ハンダ面に電源出力がむき出しなので、別途保護を検討したいとおもいます。それでは効果の確認を行います。効果確認用にコンデンサー基板取り付け前のノイズ波形をモニターしておきました。この結果と取り付け後の結果を比較します。

上が取り付け前で、下が取り付け後です。残念ながらこの対策も効果がありませんでした。そろそろ対策のアイデアが尽きてきました。一抹の不安が頭をよぎりますが、次回までに追加対策を考えたいとおもいます。

 

つづく(製作編49)