終段スイッチング電源検討(製作編47)

製作編47

前回改造したフィルターの効果の確認を行います。

追加改善効果確認

効果の確認前に、変更点の整理をします。変更点は、フィルター回路変更とシャーシGND接続方法の変更です。まずはフィルター回路を再掲載します。

上が変更前で下が変更後です。フィルター基板を180°回して実装するだけですみました。シャーシGND接続方法の変更は以下のとおりです。

上が変更前で、下が変更後です。それでは早速電源ノイズの確認を行います。

黄色が+12V電源、青が-12V電源ノイズ波形です。もとの状態に比べてやや悪化したような気もしますが、このまま検討を進めたいとおもいます。理由は測定するタイミングにより結果が変化する為です。前後比較をする場合は、直前に変更前の状態の確認が必須です。下記の結果は、日を改めて上記と同状態でノイズ観測した結果です。

2つの結果を比較すると、上記結果の方が明らかにレベルが高くなっています。

フェライトコアの追加

TDKの対策例にもフェライトコアの対策が掲載されていた為、試してみました。アマゾンいで検索してみたところ、沢山の製品がヒットしました。あまり期待していないのでお手頃価格のものを選択しました。

5種類10個セットで809円と格安です。国産のものと比較して効果が気になります。まずは1番大型なものを、スイッチング電源のACラインに被せてみました。

この部分には、スイッチング電源3台分のACラインが通っています。結果は以下のとおりです。

見た目は大きく変わりませんが、やや改善したようにも見えます。さらにフィルター基板出力にフェライトコアを追加してみました。

左からマイコン用電源、アンプ用-12V電源、アンプ用+12V電源です。見た目があまりよくないです。結果は以下のとおりです。

結果を見ると、スイッチングノイズのピークが改善しています。本当にフェライトコアの効果なのでしょうか?準備した対策も一通り試してしまったので、次に試す事を考えつつ、テスターでいろんな部分の導通を確認していました。あれれ?スイッチング電源同士の筐体間に抵抗値が観測されました。

本来は、各スイッチング電源のFG端子をシャーシFG端子に接続しているので、抵抗値は0のはずです。原因は、Lラグ端子のポリフェノール線のハンダ不良でした。

ハンダをやり直して、念のため抵抗値を確認してから再度配線をやりなおしました。この修正の効果はあるのでしょうか?結果は以下のとおりです。

結果を見ると、やや改善したように見えます。さらに追加でできる事を考えて、フィルタ基板出力にフィルムコンデンサ(474)を追加してみます。これもTDKの対策例に従っています。回路図は以下のとおりです。

実装場所がないので、仕方なくハンダ面に部品を取り付けました。

マイコン用電源も含めて取り付けています。再組立をして効果を確認しました。

結果はかえって悪化したように見えます。どうしたものか・・・。次回の対応は現在検討中です。

 

つづく(製作編48)