終段スイッチング電源検討(製作編46)

製作編46

前回の記事で製作紹介したフィルター基板の効果を確認します。結果が不十分な為、追加改善検討を行います。

フィルター基板2

改めてフィルター基板2の回路図と実装状態を掲載します。

写真はスイッチング電源側のみ接続した状態です。念のためこの状態で電源オンしてフィルター基板2の出力電圧を確認しました。どの端子からも所定の電圧が出力されている事を確認しました。

フィルター基板2効果確認

出力側配線を行い、実装完了しました。

この状態で、終段用電源のノイズ確認を行います。

黄色が+12V、青が-12V電源ノイズ波形です。+12Vのスイッチングノイズのピークレベルは77mVppとなっていました。さらにアンプ出力の残留ノイズを確認しました。

まだまだ改善が必要です。フィルター基板の実装状態を見ていたところ、チョークコイルとドライバ段の電源配線が近い事に気づきました。試しにクリアランスを取ってみました。

手近にあったブロワーを挟んでいます。アンプ残留ノイズは以下のとおり改善しました。結果は以下のとおりです。

改善はR-ch/Cold(青)が顕著です。上のクリアランス確保前の結果と比較すると、108mVppが72mVppまでレベルが下がっています。クリアランス確保の方法はいろいろ考えましたが、簡単で確実な方法を選択しました。フィルタ基板にさらにスペーサーを立てて、未実装の基板を取り付けました。

これで、この部分は基板が3階建てとなりました。

追加改善検討

まだまだ改善が必要なので、対応策を検討しました。参考にと思い、ネット情報を検索していたところ、TDKのスイッチング電源のノイズ対策のページに辿りつきました。そこには下記の対策例が掲載されています。

コモンモードフィルターの回路は今まで検討してきたものと同じですが、入出力が反対になっています。構成としては、チョークコイルの後段にコンデンサーが置かれ、LCフィルターを構成しています。この回路の方が理に叶っているので、試してみる事にしました。まずはフィルター基板の向きを180°回転してみます。回転時の回路図は以下のとおりです。

幸い大きな改造は不要です。入力側にスイッチング電源のFG接続端子台がない事からまずは、シャーシのFG端子をL字ラグに置き換えます。手持ち在庫の中から小型の7端子タイプを選択しました。大電流が流れる部分ではありませんが、気分的にポリウレタン線を使用して全端子を接続しました。

さっそく取り付けて、基板を180°回転させます。

フィルター基板の入力は、スイッチング電源の電源出力のみの接続となり、スイッチング電源のFGは、先ほど加工したL字ラグ端子板へダイレクトに接続します。逆に出力にはFG端子がありますので、ここからL字ラグ端子へ配線します。配線後のL字ラグ端子は以下のとおりです。

センターの黒の電線が配電基板のGNDに接続されています。これで回路上はTDKWebページ上の対策例と同じになりました。次回は結果確認から再開します。

 

つづく(製作編47)