終段スイッチング電源検討(製作編54)

製作編54

発振対策を行います。

方針再検討

台湾旅行後に書く初めての記事となります。旅行で1週空いた上に、その前はトップカバーの加工を行いました。課題の対策検討の続きを行うにあたり、方針を再検討してみます。現在残っている問題点は、アンプが暖まるまでの間発振する事と、アンプの出力ノイズです。実は、組立完了後に問題は残っているものの、ロクハンフルレンジスピーカーFostex FF165WKを接続して音を時々聴いていました。

出力ノイズは、レベルが信号に比べて小さくかつ可聴帯域外の為聞こえません。その結果音楽鑑賞に対してあまり影響はないように感じました。音の印象は、A級BTL構成の上、スイッチング電源を採用した事により、コンデンサインプット電源の様なリップルが発生しない為か、低音の再生能力は高いように感じました。この結果から、まずは発振対策を行って出力波形の観測なしにアンプが安定して使用できる状態にしたいとおもいます。

発振対策方針

今まで対策検討を行ってきた経験から、発振対策としては下記の2点が考えられます。

1)発振帯域のオープンループゲインを下げる

2)発振帯域のノイズのアンプ回路へ飛び込みと伝搬を抑える

1項は発振対策の定石ですが、2項は、スイッチング電源のノイズ対策としてフェライトコアを追加した際に効果があった対策です。ここで改めてフェライトコアの設置を発振対策の観点で見直しました。基本的な考え方は、電源DC回路への設置は控えて、アンプ回路内のノイズの伝搬を抑える様に設置します。具体的な取り付けのボジションは以下のとおりです。

・アンプの入力配線

・温度補償用トランジスタ配線

・スイッチング電源AC入力配線

・スイッチング電源マイコン用出力配線

この状態で、R-chコールド状態リレーオフ時の発振波形は以下のとおりです。

発振周波数は、5.4MHzです。尚、L-chは発振していません。

発振対策

68pFのセラミックコンデンサをアンプ発振状態の回路の各部に接触させて効果にあたりをつけました。目立った効果が確認できたポイントは、温度補償用トランジスタ端子台のコレクタとエミッタ間でした。回路図を再掲載します。

接続容量を少しづつ増やしていき、発振の状況を確認してみます。まずは100pFを取り付けてみました。

HotおよびColdの両アンプに取り付けました。リレーがオフ状態では発振しません。リレーがオンすると発振しました。波形は以下のとおりです。

Cold側にも波形は見えますが、おそらくHot側の影響を受けているものと電源および信号の入出力配線が長い、Hot-chのみ発振しているようです。さらに容量を増やして330pFを接続してみました。

Hot/Coldともに安定した発振波形となってしまいました。念のため、さらに容量を680pFに増やしてみました。

残念ながら、発振波形に変化はありませんでした。コンデンサを手に持って接続した時は、発振が止まりましたが、人間の手が特性に影響していたのかも知れません。残念ながら、この部分へのコンデンサ追加では発振対策はできませんでした。次回も引き続き発振対策の検討を行います。

 

つづく(製作編55)