終段スイッチング電源検討(製作編58)

製作編58

位相補償用コンデンサーを変更します。

現状

長引いた発振対策の為に、アンプ2段目の位相補償用コンデンサーが酷い事になっています。R-chのHotアンプには47pFが、それ以外のアンプには22pFが取り付けられています。

コンデンサーの種類はセラミックコンデンサーです。セラミックコンデンサーは印加電圧によって容量が変化し、印加周波数で鳴きが発生する欠点があります。鳴きに関しては、その昔セラミックイヤフォンがありましたが、この原理を利用したものだとおもいます。という事で、完成に向けて高性能なマイカコンデンサーに交換したいとおもいます。

ディップマイカコンデンサ

イカコンデンサーの特徴を検索すると、温度係数が小さく、絶縁耐圧特性、周波数特性が優れているとの事です。欠点は価格が高い点です。さっそくディップマイカコンデンサーを探してみました。まずはアマゾンを検索してみました。

ディップマイカコンデンサーはヒットするものの、容量のラインナップが悪く、現品の捺印が不明瞭で怪しい印象を受けました。その上、価格が安いわけではありません。他を当たってみました。いつも使う秋月電子を確認してみました。

上記のとおり、ラインナップが6種類という事で、必要な部品の確保はできません。おそらくオーディオ用の需要が少ないのでこんな状況なのだとおもいます。次は若松通商を確認しました。

ありました。ほとんどが双信電機製のもので、価格は330円と良いお値段です。この在庫の中から15pFと20pFを各8個づつ購入しました。送料込みで5,580円とそれなりの出費となりました。

コンデンサー交換

注文したディップマイカコンデンサーが届きました。

右が15pFで左が20pFです。15pFの方が大きいのは、耐圧の違いで100V品と300V品です。初めに、発振対策を行ってきた、R-ch/Hot用アンプを交換しました。

見るからに安心感のあるコンデンサーです。このアンプのみ元は47pFのセラミックコンデンサーを取り付けていましたが、交換前後の出力ノイズを比較してみます。

上がオリジナルの47pFの結果で、下が15pFの結果です。なぜか交換後の方がいい感じに見えます。オシロスコープのGNDラインの影響かもしれませんが。さらに同様にR-ch/Coldも交換し、L-chも同様に交換しました。

トータル16個交換しましたが、それなりに手間がかかりました。交換後のL-chの出力ノイズも念のため確認しておきます。

R-chに比べてノイズレベルが低くなっています。電源、基板の配置起因と考えられます。

ボトムシャーシ保護シート

検討が進んできたので、以前から気になっていたボトムシャーシの保護シートを剥がしたいとおもいます。現状、ボトムシャーシに取り付けた部品はネジ止めしても、保護カバーによって取り付けた部品はシャーシGNDに落ちません。ノイズ対策の基本に逆らう構造となっています。スイッチング電源固定用のネジの部分は、剥がす前にネジを外して、ネジの下のシートが確実に外れるようにしました。

これを機会に、ケースに付属の足も貼り付けました。

アンプの出力ノイズの変化を確認していみます。

上が剥がす前で、下が剥がした後です。明らかにノイズの状況が改善しました。予想以上の効果です。次回はトップシャーシを取り付けた状態について確認を行います。

 

つづく(製作編59)