まとめ4
引き続きまとめを行います。
コントローラソフト
前回コントローラの説明をしましたが、ソフトの説明が漏れてしまいましたので簡単にまとめます。arduinoのソースの構成はvoid setup()とvoid loop()からなります。本アンプのソースは、void loop()中を状態に応じてSTAT(ステータス)をインクリメントしながら、処理を進めていく構成です。実際にはcase文でステータスに応じた処理へ分岐させています。ソースの構成は以下のとおりです。
尚、ソフトのバイナリサイズは約3KBでした。
ケース選定
私にとってパワーアンプ用のケースと言えば、サイドパネルが放熱器となっているタカチ電機HYシリーズ一択です。BTLスレレオパワーアンプが余裕をもって収まる事と、A級アンプの放熱に対応できる事でHY149-43-33SS選定しました。
選択したケースのヒートシンクの熱抵抗は0.83℃/Wです。一方、搭載するA級アンプの片チャンネルあたりの発熱量は約38Wです。この場合の温度上昇値は以下となります。
熱抵抗 0.83(℃/W) x 消費電力 38(W)= 温度上昇 31.4(℃)
夏場の室内を想定してもなんとか問題ないレベルです。
アンプ基板実装
放熱器1枚に片チャンネル分(HotとColdの2系統)の基板と部品を実装します。電圧増幅段とドライバー段は従来のパワーアンプ製作と同様に私の標準基板に実装して、金属スペーサーでヒートシンクに取り付けました。
終段の取り付けは、過去の実装があまり良くなかったので実装方法を変更しました。従来は基板の固定はせずに終段用トランジスタのリードで固定していました。信頼性およびメンテナンス性を改善するために、終段用の基板も金属スペーサーで取り付ける事にしました。
参考に加工図を掲載します。
この構造の場合、逆にトランジスタ配線が従来よりも手間がかかります。
片チャンネル実装完了はこんな感じです。
アンプ実装
順番が前後してしまいますが、ここでアンプ実装についてまとめます。1枚の基板にドライバー段まで実装しています。
この基板内で負帰還がかかっているので、基板単体で動作確認が可能です。次は終段トランジスタ実装基板です。とは言え、この基板には終段トランジスタは実装せずに、ヒートシンクに取り付けた終段トランジスタの端子配線用の基板です。
説明が漏れた温度補償用トランジスタの実装は以下のとおりです。
リアパネル加工
フロントパネルおよびリアパネルともに厚さが3mmの為、複雑な加工が必要なリアパネルは、タカチ電機のカスタム加工サービスを利用しました。前回までマルツオンライン様経由で注文をしていましたが、今回は初めて共立エレショップを利用しました。マルツと違い、窓口が共立エレショップ1本となる事がメリットですが、注文から加工済みのケース入手までの期間はあまり変わりませんでした。下記は、加工依頼時に取り交わした承認図です。
価格はケース代込みで40,920円でした。部品を取り付けるとこんな感じになりました。
フロントパネル加工
フロントパネル加工は丸穴のみなので自前で加工を行いました。加工図は以下のとおりです。
電源スイッチ取り付け穴径が大きく、手加工は大変でしたが気合いで乗り切りました。部品を取り付けるとこんな感じです。
次回はボトムシャーシの加工からまとめを行います。
つづく(まとめ5)