終段スイッチング電源検討(製作編50)

製作編50

前回製作したアンプ基板を使ったデータロガー用のソフトウェアを製作します。

マイコン回路図

前回、Arduino UNO用シールド基板へアンプ回路の実装を行いました。使用するアナログ入力ポートも決まっていますが、マイコン基板の回路図を作成していませんでした。簡単な回路ですが作成します。

アナログ入力ポートは、配線の都合でA0とA4を使用しています。データログの取得は、Arduino IDEのシリアル表示を使って取り込む為、データログ取得に関する回路は特にありません。

閑話

先日会社の後輩がArduino UNO R4を使って、製品の検査用ジグを製作していました。R4がリリースされた事は知っていましたが、R3のマイナーチェンジ版だとたかをくくり、仕様の確認をしていませんでしたが、彼と話をする前に情報を仕入れるために調べてみました。私の予想を遙かに越えた変貌を遂げていました。発売日は2023年6月27日です。マイコンルネサス製の32ビットマイコンに変わり、クロックは48MHzにアップしています。搭載されるSRAM/フラッシュメモリも、それぞれ32KB/256KBと倍増されていました。見た目はLSIに機能集約されている為に、シンプルになっています。

上記は、秋月電子の販売ページですが、価格はR3が3,630円に対してR4が3,190円(2023年9月時点)でかえって安くなっています。ソースコード互換との事なので、今までのソフト資産は基本的に移行可能です。悪いところがまるでありませんでした。何れ使ってみたいとおもいます。閑話休題

ソフト作成

ソフトの仕様は、アナログポートA0とA4から連続で3回電圧を読みとり、それを平均した値をmV変換してシリアル表示するだけの簡単なものです。あまりに簡単なので、思いつくままにだらだらとコードを書いていきます。取り込みのタイミングは15000msとしていますが、先頭のdefine文で簡単に変更可能です。

完成したソースコードはたったの48行でした。

追加製作

翌週末、注文していた抵抗が届きました。5.1kΩと9.1kΩです。

早速、追加実装します。抵抗2本の実装だけなのでわけなく完了しました。

動作確認

製作したシールド基板をArduino UNOに装着して、作成したソフトを転送します。15秒毎に、A0とA4から読み込んだ電圧値をシリアルモニタ画面に表示しています。読みとり電圧精度を確認する為に、DC電圧を入力して表示電圧を観測してみました。最初は100mVごとに、途中から200mV間隔を増やし、表示電圧を確認しました。

画面下が、シリアルモニタ画面です。個人的には、過去のIDEが採用していたシリアルモニタ別画面の方が好きです。アンプの倍率を2に設定した確認結果は以下のとおりです。

正相および逆相の回路ともにほぼ同じ特性になっています。この結果を見ると、出力が2Vまでは信頼できるデータとなっているといえます。この特性は、アンプの出力段に入れた保護回路起因です。

Arduino UNOのアナログポートを破壊しないように、5.1Vのツェナーダイオードで過電圧保護をかけていますが、ツェナー電圧の5.1V以下で電流が流れ始めることに起因しています。この特性は、アンプ出力に入れている2kΩの抵抗値を小さくすれば改善しますが、オペアンプの駆動電流性能とトレードオフになります。今回は、この特性を意識してロガーとして使用する事にします。次回は、完成いたデータロガーを使って終段バイアス電流の変異を測定します。

 

つづく(製作編51)