製作編20
残りの配線を行い通電確認を行います。
ヘッドフォン出力配線
残った配線は、ヘッドフォンアンプ出力とヘッドフォンジャック間です。ヘッドフォンジャックへの配線仕様を確定させるため、インターネットで3.5mm3極と2.5mm4極のヘッドフォンプラグの接続仕様を検索してみました。その結果、以下の写真の仕様となっていることが解りました。
念のため、ヘッドフォンを着けて対応する端子をマルチメータで抵抗測定してみました。測定用の電圧でヘッドフォンから微かにノイズが聴こえます。極性まではわかりませんが検索した仕様とこの確認結果は一致していました。
次にヘッドフォン側の接続を外してケーブル単品状態として反対側の端子をヘッドフォンジャックに差し込み、上記確認した接続仕様を元にヘッドフォンジャック側の端子接続仕様を確認しました。その仕様に従いヘッドフォンアンプ出力とヘッドフォンジャック間の接続を行います。R-channel側は配線長が短いため、2芯シールド線の信号線を取り出して配線しました。L-channelのバランス出力は、基板側はGNDを含めて接続しますが、ジャック側はGND線をカットし、信号線2本のみを接続しました。
L-channel側のアンバランス出力は、2芯シールド線のGNDラインをカットして使用せずに、2本の信号線を使って配線しました。
これで全ての配線が終わりました。写真は通電確認前の状態で配線が束線していないため、ごちゃごりゃしています。
通電確認
いつもは、ステップを踏んで通電を行いますが、全ての基板の通電が単体で完了しているため、今回は一気に通電をします。とは言うものの、ヘッドフォンアンプの終段に+/-9Vを印加するのは初めて(単体確認時は+/-6V)なので気はゆるせません。ヒューズホルダに2Aのヒューズをセットして通電を開始します。電源を入れて初めに確認をしたのは、電源ランプの点灯、+/-12V, +/-9V電源出力の確認です。問題なかったので、ヘッドフォンアンプ出力のオフセットと終段のバイアス電流の確認を行います。その間、電源の放熱器の温度およびヘッドフォンアンプ終段のトランジスタの温度を手で触って確認しました。終段のバイアス電流が100mA近くまであがっていたため、所定の70mAまで下げました。+/-9V電源用の三端子レギューレータ用の放熱器の温度が触わり続けるのが辛い状況まであがってしまったので、急遽終段のバイアス電流値を70mAから60mAに下げる事にしました。これに伴い、ヘッドフォンアンプの終段のトランジスタの温度と電源の9Vの三端子レギュレータ放熱器の温度が下がり、触り続けられる程度になりました。この状態で、ヘッドフォンアンプの調整を全てやり直しました。この結果、電源の放熱器、ヘッドフォンアンプの終段ともに温度は高いですが、触れない程ではなく寿命面で心配ないレベルとなりました。このように写真が撮れない程に慌ただしい状態となってしまい、次に同様の通電確認を行う場合は基板1枚づつ通電を行うことにしたいと思います。
動作確認
動作確認はいきなり信号を入力して音を聴いてみました。初めにバランス出力の音を確認します。とんでもなく変な音です。続いてアンバランス出力の音を確認します。
ハムが聴こえますがいい感じで鳴ってます。ここまでの確認結果を箇条書きします。
・バランス出力はとんでもなく変な音
・アンバランス出力にはハムが聴こえる
・ゲインが高すぎて、ボリュームのコントロール範囲が著しく狭い
完成が見えてきたとの想いもつかのま、まだまだ手がかかりそうです。次回、上記の不具合について1つづつ検証を行い、対策をとっていきます。
つづく(製作編21)