チャンネルデバイダーのVR制御(製作編11)

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製作編11

引き続きATT基板の実装を行い、制御回路を除くATT回路実装が終わったところでATT動作の確認を行います。

実装続き

前回信号線とジャンパ接続したリレー端子に倍率設定抵抗27kΩを取り付けます。ジャンパとのクリアランスが小さいので慎重なハンダ作業が必要です。

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信号ラインに直列に3kΩを入れて入力端子台に接続すれば、このチャンネルの実装は完了です。

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もう一方のチャンネルも同様に作業します。これで制御回路を除くATT回路の実装完了です。

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ATT回路動作確認

この状態で、ATT回路動作の確認を念のため行います。方法は、リレーの操作コイルの端子に直接+12Vを印加し、リレーを動作させてその時の各チャンネルの減衰量(抵抗値)が設計どおりとなる事を確認します。ミュートリレーはノーマルオンなので、このリレーには仮配線して確認時にに+12Vを供給してミュート解除できるように準備をします。

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初めにミュートリレーの動作確認を行います。各チャンネル毎に出力端子とA-GND間の抵抗値をモニタします。非通電状態で0Ω、ミュート制御リレーを動作させると無限大となる事を確認しました。

■非通電状態

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■ミュート解除状態

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リレー動作時、13mAの消費電流となっており、仕様どおりの動作をしています。

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coldチャンネルも同様に確認します。次に倍率設定用のリレーの動作確認をします。この確認は、ミュートリレーの影響はありません。各チャンネルの入力端子と出力端子間の抵抗値をモニタします。このリレーはノーマルオフで使用しているので、初期抵抗は30kΩとなります。リレーを動作させるとRL1がオンして抵抗値が3kΩとなります。

■初期状態

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■倍率変更状態

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coldチャンネルも同様に確認を行います。続いて分圧抵抗切り替えリレーの動作確認を行います。各チャンネルRL2~RL5の4箇所を確認します。確認はミュートリレー動作確認時と同様に出力端子とA-GND間の抵抗値をモニタします。確認は、ミュートリレーを動作させてミュートオフの状態とします。RL2から確認を行います。ノーマルオフで抵抗値は無限大を確認します。RL5を動作させると560Ωになります。

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coldのチャンネルも同様に確認します。この時、RL-6とRL-5の2個のリレーが動作していますが、所定の電流が流れている事を確認します。

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次にRL4の動作を確認します。この時の出力端子とA-GND間の抵抗値は、1.1kΩとなります。

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続けてRL3リレーの動作を確認します。この時の出力端子とA-GND間の抵抗値は、1.8kΩとなります。

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最後にRL2の動作を確認します。この時の出力端子とA-GND間の抵抗値は、3kΩとなります。

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これで2チャンネル分の動作確認は完了です。残りの2チャンネルも同様に確認を行います。かなり無理した実装でしたが、問題なく動作する事が確認できました。とはいえ、あと2枚同じ実装をする必要があると考えると正直うんざりします。次回は、制御回路の配線を行い、基板完成状態で動作確認を行います。

 

つづく(製作編12)

チャンネルデバイダーのVR制御(製作編10)

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製作編10

バッファ基板の残りの配線を行い完成させ、続けて中断したATT基板の実装を再開します。

バッファ基板配線

前回、バッファ基板の部品実装を行い、電源およびGNDの配線まで終わりました。残りは、入出力の配線のみです。各オペアンプは、同一信号のHotとColdを担当します。できれば電源やGNDラインと同様に被覆なしの単線による配線を行いたいと思いましたが、ジャンパを入力端子台から出力端子台方向へ配線するスペースがなく、仕方なく被覆ジャンパ線を使用する事としました。後で配線確認をやりやすくするために、Hotをオレンジ、Coldを白の被覆線としました。配線をクロスさせないように敷線すると、入出力の端子台の信号の配置が反対となりますが、配線をシンプルとする事を優先させました。端子台への配線時に注意が必要です。

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残りのチャンネルも同様に被覆ジャンパで入出力の配線を行いました。この程度の被覆ジャンパ線の量であればまだ許せる範囲で、後のメンテナンス時にも対応に問題はなさそうです。

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このまま通電確認を行いたかったですが、オペアンプの準備ができていないため、後回しとします。

ATT基板実装再開

ATT用の抵抗ですが、秋月電子の夏休み期間中に発注を行いましたが、休み明けの発送とはならず、その翌日発送となりました。この結果抵抗が届いたのは土曜の午後となりました。今回発注した抵抗は、560Ω、1.1kΩ、1.8kΩ、3kΩ、27kΩの5種類です。どれも普段は使わない抵抗値で、必要な減衰量を実現するために選択しました。

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このうち560Ωと1,8kΩはパッケージが異なる事から別のメーカー品と思われます。早速実装を再開します。前回までの状態を再掲載します。

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リレー用の12V電源の配線と、A-GND片チャンネル分まで終わった状態です。残りのチャンネルのA-GNDの配線を行います。

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続いて、信号ラインを引きます。左右チャンネルのHotとCold分なので合計4本です。2cリレーのSWセンターの端子を挟んで、HotとColdラインを敷線しました。配線が多いので、各ラインにタグを付けてみました。

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ここからが根気のいる作業となります。敷線した信号ラインとリレーのSWセンター端子間に、ATT用の所定の抵抗を接続していきます。ATT基板3枚のうちの2枚は、5mmのスタッドを使用予定なので、ハンダ面の実装部品高さを5mm以下に押さえて抵抗を接続する必要があります。まずは試しにRL5用の560Ωを実装しました。

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リレー端子の両隣の穴位置に信号ラインが配置されているため、慎重なハンダ作業が要求されます。残りの分圧用抵抗も同様に接続します。

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抵抗は写真のとおり接続されています。残り2枚の基板実装が終わるまで気力が続くか自信がありません。

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続いて、ミュート用のリレー配線を行います。抵抗の代わりに、ジャンパー線をリレーセンターSW端子と信号線間に接続します。単線をフォーミングしてハンダ付けします。

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次に倍率切り替え用リレーと信号ラインを接続します。ここでも単線をフォーミングして信号線とリレー端子間を接続しました。残りは、倍率切り替え用抵抗の実装と、入力端子台への接続および、制御回路の配線というところで力尽きてしましました。次回は、続きの配線を行いATT基板の実装を完了させます。

 

つづく(製作編11)

チャンネルデバイダーのVR制御(製作編9)

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製作編9

アッテネータ基板実装は後に回し、バッファ基板の実装を行います。

バッファ基板実装

発注したアッテネータ用の抵抗が、土曜までに届かなかった為、先にバッファ基板の実装を行う事にしました。バッファ基板には、オペアンプ6個(12ch分)と信号の入出力用に3極の基板端子台を12個、左右チャンネルの+/-電源用に3極の端子台を2個実装します。参考として回路図を再掲載します。

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これまで、標準基板にこれほどの端子台を実装した事がなかったので、実装ができるか心配していました。初めに信号の入力(or出力)用に3極の端子台6個を基板の長辺に並べてみました。まずは普通に並べたところ、実装しきれませんでした。

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続いて、端子台を連結して並べてみました。私の使用している端子台は、ブロックのように連結して使用することができます。上から差し込むほぞ継ぎの要領です。

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右の2個の端子台は、途中まで差し込んだ状態です。この機能のおかげで、2極と3極の端子台を在庫しておけば、いろんな極の端子台とする事ができるので大変重宝しています。6個の端子台を連結して基板に実装しました。ほぼぴったり納まりました。

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見た目には壮観ですが、この状態では、端子台の各極が何の信号線かの区別がつきにくく、配線間違いを誘発しそうに思えて、せっかく連結した端子台をばらして、写真のとおり並べる事にしました。

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最終的には、基板固定用のネジへのアクセスおよび、部品および配線実装エリアをできるだけ大きく取るために、下の写真のとおりに入出力の端子台の位置を設定しました。

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各チャンネルで入出力間の線長を合わせたかったですが、断念しました。両脇の3極の端子台は、L/R独立電源用のものです。オペアンプは、ボルテージフォロワなので回路的にはシンプルですが、信号経路と電源供給を考慮して配置しました。具体的には+/-電源ラインに挟まれる様に横向きにオペアンプを配置しています。GNDラインは、入力抵抗にしか使用しないため、電源ラインて平行にさらに外側に配線し、オペアンプの入力端子との間に入力抵抗を接続する事にします。左右に配置した電源用の3極の端子台から、それぞれ3個づつのオペアンプに電源を供給します。中断したATT基板とは異なり、すっきりと実装できそうです。

バッファ基板配線

初めに、+12V電源ラインを敷線します。電源端子以外への部品実装を考慮して、2穴離して敷線しました。

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オペアンプを挟んで反対側に-12V電源ラインを敷線します。

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次に、その脇にGNDラインを敷線します。

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このGNDラインとオペアンプの入力端子間に入力抵抗を接続します。抵抗値は高めの設定で47kΩとしました。

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+12V電源ライン脇にも同様にGNDラインを敷線し、入力抵抗を接続します。次に、このGNDラインと入出力の3極の端子台のGNDラインを接続します。

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各電源とGNDライン間にパスコンを接続します。以前の検証で、三端子レギュレータの負荷に100uF以上のケミコンを接続すると悪影響がでる事を確認したので、今回はこのパスコンのみとします。

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同様にもう一方のチャンネルも配線を行います。オペアンプの配置は平行移動したイメージとしたので、左右の電源用端子台の電源の並びが反対となるので、配線時に注意が必要です。

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実装部品点数は少ないですが、端子台の数が多く存在感のある基板となりました。次回は、続きの配線と中断したATT基板の実装を再開します。

 

つづく(製作編10)

チャンネルデバイダーのVR制御(製作編8)

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製作編8

フロント・リアパネルの部品との干渉を確認して、ATT基板の実装を開始します。

干渉確認

前回までに組み上げたフロントパネルをボトムシャーシに取り付けて、改めて基板実装部品との干渉確認をします。ATT基板は、製作編4で確認したとおりスペーサー長を35mmとします。

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この状態で、この基板の手前側に基板を置きます。製作編4で確認したとおり、スペーサー長を5mmとします。

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フロントパネルのプッシュSWは、パネルのフランジからわずかに飛び出していますが、基板面との間に十分間隔がとれていましたので問題ありません。この実装でなんとかなりそうです。この隣もATT基板となるので、合わせて表示基板との干渉を確認しました。5mm長のスペーサーを付けた基板を配置してみます。

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プッシュSWと位置がかぶりますが、隣の基板の確認同様に問題ありません。表示基板との間隔も十分とれていて、かつ端子台のネジへのアクセスもできるので、この実装で問題なさそうです。

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ATT基板部品実装

干渉問題がクリアになったので、早速ATT基板の部品実装を開始します。参考として回路図を再掲載します。

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実装する部品は、リレー12個、16pin DIP IC4個、端子台7個です。以前に検討した配置を絵にしてみました。

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最初に全部品を仮ハンダして固定します。基板を立てて、各部品の1つの端子のみをハンダします。この際、部品が半抜け状態でも気にせずハンダします。

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仮ハンダした全ての部品が、傾いて固定されています。尚、端子台は外れにくいので仮りハンダの対象から除外しています。この状態で各部品を手で押さえながら、仮ハンダした部分に再度コテを当てて溶かし、部品を正常な状態に実装し直しました。

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仮ハンダは写真のとおりです。

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この基板の配線は、スパゲティー状態になる事が予想されるので、電源やGND等の共通配線は、先に行っておきます。初めにリレーの操作コイル用の+12V電源配線を行います。単芯電線の芯線を使います。

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続いて、DIP ICの+5VとGND配線を行います。配線の都合を考えて、ソケットの向きを2転させたため、基板が汚れてしまいましたが、なんとか配線できました。

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続いて、残りのチャンネルのリレー操作コイル用の+12VとA-GND配線を行います。ここでもミスを連発し、ハンダ吸い取り線のお世話になったため、基板がさらに汚れてしまいました。

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続いて、最初のチャンネルのA-GND配線を行います。ここでふと、アッテネータ用の抵抗の発注をしていない事に気づきました。減衰量優先で定数決定したため、1個も在庫対応できない状況です。秋月電子の通販業務は8/15までお休みなので一気にやる気がそがれてしまいました。続きは、抵抗入手後にしたいとおもいます。

おまけ

盆休みに家内の所有する長野の別荘へ行ってきました。盆休み進行を取ったので、帰宅直後の記事は入念に準備しましたが、その後の作業の準備を怠った事が抵抗発注漏れの原因となりました。

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今回は2匹のネコ同伴で、2匹は家族とともに先に来て11泊、私はスーパーあずさでおっかけ2泊のみですが、のんびりできました。

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ねこ2匹は、最初は警戒していましたが、1匹は途中で慣れて写真のとおりです。到着した日の晩(11~12日)に車で約1時間の美ヶ原高原に行き、13日に極大を迎えるペルセウス座流星群を見てきました。到着直後は満天の星空で、新月と重なっていくつも流れ星をみる事ができました。15分程で霧で星が隠れてしまい写真を撮る事ができませんでしたが、来た甲斐はありました。写真撮影はまたトライしてみたいと思います。次回はATT基板実装の続きを行います。

 

つづく(製作編9)

チャンネルデバイダーのVR制御(製作編7)

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製作編7

加工済みのアルミパネルにアクリルパネルを被せて、部品を取り付け、フロントパネルを完成させます。

位置合わせ

アルミパネルとアクリルパネルを合わせて、4スミのねじ穴が合っているか確認します。残念ながら長辺の方向に0.5mm程度ずれていてネジが入りませんでした。仕方がないのでアルミパネル側を棒状のやすりで削ります。

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加工図はA3に印刷したので、持ち運び時に折ったために、対象へ貼りつけた際のタルミの違いが誤差の原因となったようです。

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なんとか4スミのM6ネジが入るようになりました。表示基板と電源SWは問題なく取り付ける事ができました。残るプッシュSW3個が約0.5mm、同じ方向にずれています。4スミの固定用ネジ穴と同様に棒状のヤスリで根気よく削ります。SW3つともに収まる用になったので、すべての部品を取り付けてみます。4スミのアクリル板固定用ネジは見栄えを考慮して6角レンチタイプです。アクリル板がアルミパネル端から均等になるように固定しました。次に表示基板を取り付けます。見栄えを考慮して黒色のトラスネジを選択しました。

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表示の傾きや、位置ズレが心配でしたが特に問題ありませんでした。続いて3個のプッシュSWを取り付けます。右端をMUTEボタンとして赤色を、その左隣をUPボタンとして緑をさらに左隣をDownボタンとして黒を選択しました。2枚重ねしたパネルの板厚の関係で、付属のスプリングワッシャーは使用できませんでした。

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最後に残った電源SWを取り付けて完成でせす。完成した正面パネルはこんな感じです。

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いい感じに仕上がりました。前回の記事でも触れましたが、唯一アクリル板の静電気によって切り屑が表面に付着し始末に困ります。

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7セグ表示モジュールは、正面から光線を当てるとモジュールの全面がうっすらと見えてしまいますが、この状態で様子を見たいとおもいます。

ボトムシャーシ組み付け

組み上がったフロントパネルをボトムシャーシに取り付けてみました。

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特に問題なく組み上がりました。表示基板の取り付け状態を紹介します。

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写真のとおりねらいどおりに組立ができました。一旦トップカバーを付けてみます。フロントビューはこんな感じになりました。

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表示確認

せっかくここまで組み上げたので、ソフトのデバッグ環境をフロントパネルの部品と接続して表示確認を行ってみます。シャーシ内部は、デバッグ用のマイコン基板のみです。ユニバーサル電源から12Vと5Vをトップカバーのすきまから供給して確認を行いました。

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どきどきしながら電源オンしました。ソフトは正しく起動しました。

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「Att1」の表示デモ後、-35の点滅表示となります。この状態はATT設定が-35dBでミュート状態を示しています。Upボタンを押すと点滅が点灯に変わりミュートが解除されて-35dB状態となります。さらにUpボタンを押すと-29dB表示となりもう一度押すと-25dB表示に変わります。

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動作も表示も問題ありません。説明のとおり、電源オンで必ずATT-35dB設定のミュートスタートする仕様となっています。arduino UNOにはフラッシュメモリが搭載されていて、それを利用するライブラリも準備されています。一旦このまま運用してみて、使い勝手が悪ければ、電源オン時に電源オフ時のATT設定を復帰させる機能の追加も検討してみたいとおもいます。これまで結構手間をかけてきましたが、なかなかいい感じに仕上がったとおもいます。次回は基板の製作を行います。

 

つづく(製作編8)

チャンネルデバイダーのVR制御(製作編6)

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製作編6

フロントパネルに被せるアクリル板の加工をします。

アクリル板の加工

改めて使用するアクリル板を説明します。品名はアクリサンデーEXでt=2mmのブルースモークタイプです。全光線透過率は19%です。アクリル板の加工は初めてだったので商品のHPにリンクが貼られていた加工説明のページやYouTubeにアップロードされた切断動画を事前にチェックしました。加工の注意点は以下のとおりです。

・保護紙は貼ったまま加工する

・保護紙に加工図を転写する

・直線カットはプラバン用カッターを使用する

・穴開けは専用のビットを使用すると割れや欠けが起こりにくい

・ドリルの回転数は低速(3000rpm以下)とする

プラバン用カッター

アクリサンデー用のアクリサンデーカッターが販売されていますが、普通に販売されているプラバン用カッターと同じもののようです。いきつけのビバホームには専用のものがなかったのでOLFAのPカッターを買いました。

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写真のとおり刃の位置によって用途が分かれていて、刃の先端で保護紙をきり、アゴの部分でアクリル板をカットします。カットの際は、定規を当てますが今までカッターで定規を削ってしまう苦い経験を何度もしていたため、これを期に金属製の定規を購入しました。スチール製のものとアルミ製のものがありましたが、価格の安かったアルミ製のものにしました。

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カットの詳細は前回の記事で紹介済みなので割愛します。

穴あけ加工

穴開け用にアクリサンデー専用ビットが販売されています。サイズは3~10mmの1mm刻みと、さらに12mmの合計9種類のラインナップがあります。近所のビバホームでは、3~6mmのものが在庫されていました。あまり考えずに3, 5, 6mmのものを購入しました。刃の特徴は先端が半月状になっていて、削りカスが逃げやすい構造になっています。

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前回の記事でカットしたアクリル板に、アルミのフロントパネル加工時に貼り付けた加工図を貼りつけます。加工図の穴のセンターは、すでにポンチで穴の開いている状態となっているため、その穴を通して赤ペンでアクリサンデーの保護紙へ印を付けていきます。必要な箇所に印を付けたら、加工図を剥がします。これで穴開け加工準備は完了です。最初に3mmのビットで表示基板固定用のネジ穴2カ所を開けます。当て木を忘れずに使用します。私の電動ドリルは無段階変速式でレバーを引く量で速度が変わります。あまり速度をあげずに穴開けしました。続いて、ビットを6mmのものに付け替え、残りの穴、アクリル板固定用ネジ穴4カ所と電源SW用1カ所、プッシュSW用3カ所を開けます。比較的簡単に穴を開ける事ができました。

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プッシュSW用の穴径は11mm強なので、残りはリーマーで穴径を広げていきます。

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うまく広げられるか心配でしたが、なんとかなりました。穴径が小さい時は、刃が噛み込みやすい感触だったため、あまり力をかけずに削りました。穴径が大きくなると逆になかなか削れずに根気が必要でした。早速保護紙を剥がしてSWと表示基板固定用のビスを挿してみました。

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部品はきれいに取り付けられましたが、静電気でアクリル板表面に切り屑が吸着してきれいな表面が台無しです。そういえばビバホームにアクリサンデー用の帯電防止クリーナーが販売されていたので、それを試すのもいいかもしれません。

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次回は、加工したアクリル板をフロントパネルに取り付けて、さらに表示基板を取り付けてデバッグ環境を使って表示を試してみたいとおもいます。

 

つづく(製作編7)

チャンネルデバイダーのVR制御(製作編5)

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製作編5

詳細の基板配置検討を行うために先にフロントパネルの製作を行います。

フロントパネル設計

フロントパネルに取り付ける部品は、電源用のトグルSWと表示基板、アッテネータ制御用のプッシュSW3個です。今回の製作のポイントは、いかに表示をきれいに見せるかです。構想編で紹介したとおり、7セグの表示モジュールに半透明のアクリル板をかぶせて表示のみを見せるようにします。半透明のアクリル板は、当初表示モジュール部分にのみ被せる事を考えていましたが、考え直して、フロントパネル全面に被せることにしました。固定は、SW類だけでも問題ありませんが、4すみをネジで固定する事にしました。近所のスーパービバホームで見栄えのいいネジを探しましたが、みつからなかったためアマゾンで購入しました。6本で430円、2セットからの販売なので860円。別途送料が400円かかりいいお値段のネジとなりました。

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表示基板の位置は製作編4で紹介したとおり、干渉問題は回避できそうなのでセンター配置とします。いつものようにAR CADを使って加工図をつくります。

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さらにフロントに被せるアクリル板の加工図も作成します。

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両者の違いは、表示モジュール用の角穴の有無です。加工時に、位置出し用にアルミパネルのSWを含めた穴を大きめに開ける予定です。

アクリル板の加工

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初めにフロントパネルサイズにカットします。カットはプラバン用のカッターを使用します。初体験なので、事前にYouTubeにアップロードされていたアクリサンデーカットの映像をチェックしてからおこないました。

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ネットワークのありがたみを実感します。最初にプラバンカッターの刃の先の部分で保護紙をカットしてから、プラバンカッターの刃のアゴの部分で切断箇所を切っていきます。切ると言うよりも削っていくと言う方がマッチします。板厚の1/3くらいまで削ったところで、裏返します。表側と同様の手順で1/3くらまで切断箇所を削ります。その状態で、切断箇所をはさんで両手で曲げると簡単に切断面に沿って割れます。

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もう1辺を同様の方法でカットして、アルミのフロントパネルに合わせてみます。ほんの少しだけサイズが大きくアクリル版をフロントパネルに合わせた状態でトップカバーを被せると、トップカバーがやや浮いていました。

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やすりでカット面を削って外形寸法を合わせました。

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アクリル板の加工は一旦中断して、ケースのフロントパネルの加工を先に行います。

フロントパネル加工

先に作成した加工図をカットしてフロントパネルに貼り付けます。

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穴開け箇所にポンチで印を付けます。角穴部分は、4すみとハンドニブラの刃を入れる穴部分にも印を付けました。その角穴の4すみの印を使ってカット線を引きます。最初に2mmのドリルで位置出し用に穴を開けます。ドリルの刃を3.2mmに変えて穴を広げます。表示基板固定用の穴の加工はこれで終了です。さらにドリルの刃を4mmに変えて残りの穴を広げます。

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さらに刃をステップドリルに交換して穴径を広げて丸穴の加工を完了させます。

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最後に残った角穴をハンドニブラで開けます。

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ハンドニブラは、穴を開ける際に穴の脇にキズがつきますが、そのキズがスモークのアクリル板で目立たなくなるかが気になります。カット部分をやすりをかけて仕上げます。次回はフロントパネルに被せるアクリル板の加工を行います。

 

つづく(製作編6)