真空管アンプ負帰還(製作編3)

製作編3

バッファー基板への配線を行い通電確認と動作確認を行います。

電源配線

はじめに電源配線を行います。写真は全波整流出力確認時のものです。

プローブで見ずらいですが、電源用の3極の端子台のみ配線をしています。この状態で、電源オンして通電確認を行います。

まずは、オペアンプの出力オフセット電圧を確認しました。特に問題がなかったので、電源回路の全波整流出力をモニタします。

2つの波形は同じもので、上がプラス出力を下がマイナス出力をカーソル表示しています。オシロスコープのレンジは5V/divですが、全くリップル波形は見えません。オシロスコープの設定をACカップルに変更して、感度を上げてみました。

プラス電源のリップルが132mVpp、マイナス電源のリップルが118mV/ppでした。これらの結果から、三端子レギュレータには、最低でも約+/-8Vの電圧が印加されていることが確認できました。電源回路は特に問題ありません。

R-ch負帰還回路

最初にR-chのみ負帰還回路改造を行います。回路図を改めて掲載します。

帰還抵抗は33KΩですが、抵抗の在庫確認を怠り15K+18KΩの直列対応することにしました。位相保証用の10pFはディップマイカコンデンサーを使用しました。

空中配線ですが、通常使用では問題ないと思います。帰還ラインは単線2本をより線にして最短で配線しました。

この状態でハム音量を聴いてみました。確認用に8cmフルレンジスピーカーを接続し、スピーカーに耳を当てて聴いてみます。

音量は大きくありませんが、ハムが聞こえます。パワーアンプ入力部の配線のループ起因と考えて、ループ面積が小さくなるように再配線しました。

元の配線と比べて抵抗のリード部のループをなくすことができました。早速ハムを聴いています。ハム自体は聞こえますが、だいぶ音が小さくなりました。一旦この状態で配線を進めます。バッファの入力配線とバッファ出力配線を行ったらR-chの配線は完了です。

L-ch配線

L-chはR-chと他配線の状況が異なるため、同様な実装ができません。マイナス入力のみ空いたLラグ端子を使用して帰還部品を実装しました。

プラス入力は従来使用のLラグ端子を使い、帰還部品をLラグ基板に沿って配置しています。スピーカー端子側の帰還配線は途中の電源用電解コンデンサを避けるためにR-chと敷線を変えています。

最後にバッファへの入力配線と、バッファ出力と真空管アンプ入力間の配線を行い配線は完了しました。

R-chと同様に8cmフルレンジスピーカーを接続してハムを確認しました。R-chと同様にわずかにハムが聞こえます。

動作確認

10cmフルレンジスピーカーを接続し、簡易的に音を聴いてみました。音はしっかりした印象で、低音も豊かに再生しています。久々に聴く負帰還構成の真空管アンプの音ですが、以前聴いた印象とは異なる感じがしましたが、詳細な比較試聴は別途行いたいとおもいます。次回はバッファアンプ込みの負帰還構成真空管アンプの周波数特性の測定を行い、無帰還アンプと比較試聴を行います。

 

つづく(製作編4)