12chアッテネータ2検討(設計編2)

設計編2

予定を変更して設計編2となります。ミュート機能付き出力バッファの回路設計を行います。

出力バッファ回路設計

ここのところ、ずっとソフト製作を行っていたので、気分を変えて回路設計を行います。出力バッファ回路は、後段の仕様が限定されていれば省く事もできますが、現行のリレー式アッテネーターユニットにも実装している事から、今回も同様に実装します。回路はオペアンプを使ったボルテージフォロアとしますが、12ch分を用意する為には、2個入りのオペアンプを使っても6個必要となります。現行のアッテネーターユニットは、6個のオペアンプを強引に私の標準基板1枚に無理矢理納めました。

今回は、出力部にリレーを使ったミュート回路を実装するため、さすがに1枚の基板に納める事ができません。それでも2枚の基板に納める必要がありますが、その場合オペアンプを3個+3個に分ける事になります。そうすると必然的にL/Rチャンネルで回路を分割する事になります。次は出力部のリレーを使ったミュート回路を検討します。信号に直列にスイッチを入れる事に躊躇がありましたが、良く考えたら、現行のリレー式アッテネータユニットは通常状態でバリバリにリレーのスイッチの特性の影響を受ける設計となっていました。今更なので今回のミュート回路は単純に信号ラインに直列にスイッチを入れる事にしました。上記に従って回路を設計しました。

入力の100kΩの抵抗は、基板単体評価時を考慮して入れています。オペアンプは回路図上はMUSES01としていますが、入手性の観点から変更するかもしれません。オペアンプ出力部の100Ωの抵抗は、出力保護用です。十分な抵抗値ではありませんが、出力電圧が小さい範囲では有効です。リレーは、現行アッテネータユニット製作時の余りがたくさんあるのでそれを流用します。

リレーは2C接点仕様で、制御コイル通電時にミュートオフとするようにしました。動作中の消費電力は上がってしまいますが、電源オン/オフ時の応答を考慮しました。出力部の100kΩの抵抗は、ミュート時のノイズ対策として入れています。

ミュート制御回路

バッファ基板回路図には、ミュート制御回路を含んでいないので追加で設計します。下記の回路は、現行アッテネータユニットのリレー制御回路です。

リレーの制御用ドライバにラインドライバーICを使用しました。一見実装効率はよさそうに思えますが、配線に苦労した為今回は採用しません。

設計前に仕様を再確認しますが、マイコンポート出力'L'の時にミュート状態(操作コイル電流オフ)とします。ドライバ用のトランジスタ選定の為に、リレーの仕様の確認を行います。リレーの型式は941H-2C-12Dです。下表はリレーの仕様書の抜粋です。

このシリーズにはスタンダードタイプとハイセンシティビティータイプの2種類があり、ハイセンシティビティータイプは、操作コイルの電流値が抑えられています。採用のリレーはハイセンシティビティータイプの12V仕様の為、操作コイル電流は12.5mAです。トランジスタの在庫から使えそうなものを探してみます。ボリュームモーター駆動用に使用した2SD468の在庫がありましたが、Vceの絶対定格が25Vと小さかったので、採用を見送りました。採用したトランジスタは2SC2655です。アンプのドライバ段のコンプリメンタリペアで使った残りなので、少しもったいない気もしましたが、今後の使用予定もないので採用しました。下表は仕様の抜粋ですが、Vceoは50Vと十分な値です。

上記を反映して回路図を作成しました。

入力部のダイオードは、念の為入れた逆流防止用です。ベース抵抗は20kΩとしていますが、評価結果によっては見直しをします。ツェナーダイオードは操作コイルのサージ保護用です。15V品なかったので2個直列で入れています。次回はこの回路図に従って製作を行います。

 

つづく(製作編17)