オシロFFT活用検討(運用編2)

運用編2

電源トランスを別筐体に納めたLow-ch用アンプのハム特性を測定して前回測定したHigh-ch用アンプの結果と比較します。

Low-ch用アンプハム特性測定

Low-ch用アンプは、電源トランスユニットとアンプ間を2本のケーブルで接続しています。一本は3芯ケーブルで終段の電源用です。もう1本は5芯ケーブルで電圧増幅段用電源と、終段用電源トランスへの電源供給用です。どちらもXLRコネクタで接続します。最初は、電源トランスのうなり対策の観点から離れた場所に電源トラッスユニットを設置する為に約3m長のケーブルを作成しましたが、その後90cmのケーブルを作成し、比較試聴の結果90cmのケーブルを使用しています。

測定では各ユニットの配置の都合上、3mのケーブル使って測定を行います。High-ch用アンプ測定時と同様にセッティングを行いました。

測定条件はHigh-ch用アンプ測定時と合わせています。測定結果は以下のとおりです。

上からHot, Cold, Balance出力の結果です。予想に反してどの結果もハムによるノイズのピーク周波数は観測されませんでした。この結果だけを見ると、終段の平滑用電解コンデンサの大容量化による音質への影響はないと考える事ができ、私の今までの経験による印象と一致します。High-ch用アンプの電源トランスはトロイダル式を採用していますが、アンプの筐体内に配置している事から影響が出ていると考えられます。2つのトランジスタアンプのBalanceモードのノイズスペクトルを並べてみます。

ここで前回のHigh-ch用アンプの測定結果を信頼していいかの疑念が浮かびました。そこで前回はR-ch用アンプの特性測定を行いましたが、今度はL-ch用アンプの特性の測定を行います。

High L-ch用アンプ特性測定

測定はR-ch用アンプの測定と同様に行います。

測定結果は以下のとおりです。

上からそれぞれHot, Cold, バランス出力の結果です。ピークレベルはそれぞれ-74.4dB, -70.8dB, -82.8dBでした。概ねR-chの結果と変わりませんでした。Balance出力の結果のみを並べてみました。

横軸(周波数軸)の設定がずれてしまっていますが、勘弁願います。これらの結果から、電源トランスを別筐体としたLow-ch用アンプの特性が一番良い事が確認できました。

真空管アンプノイズ測定

次にマルチアンプシステムのMid-ch用として使用している真空管アンプのノイズ特性の測定を行います。入力は双三極管12AX7を使用し、出力段はEL34をプッシュプル構成としています。バランス入力とする為に、入力段にオペアンプを使ったバッファアンプを入れています。回路図は以下のとおりです。

電源回路はトランジスタを使ったリップルフィルタ構成としています。それ以外に初段用のマイナス電源を三端子レギュレータで作っています。入力段のオペアンプ用電源は、ヒーター巻線から電力供給して+/-5V電源を三端子レギュレータで生成しています。苦肉の回路構成となっていますが、回路図は以下のとおりです。

私の真空管アンプは全てステレオ構成の為、測定時に空きチャンネルの出力にもダミー抵抗を接続しました。抵抗には拘らず手持ち在庫から10Ω1/2W品を使用します。測定は次回に行います。

 

つづく(運用編3)