構想編1
バランス駆動に対応したヘッドフォンを選定して、それ用のヘッドフォンアンプの製作構想を始めます。
ヘッドフォン
今まで真剣にヘッドフォンについて考えた事はありませんでした。とはいえ、通勤中のタブレット用にパイオニアのインナーイヤータイプを、デスクトップTV用にゼンハイザーのインナーイヤータイプを使っています。今回は、少し前から情報は目に入っていましたが調べることすらしていなかったバランス駆動に対応したヘッドフォンについて調べてみたいとおもいます。所有のシステムのほぼ全てがバランス対応している自称バランス派としては、ヘッドホンのバランス駆動を1度は体験してみたいとおもいます。
バランス対応ヘッドフォン
まずはどんなものがあるか調べてみました。
■AH-D7200/DENON
発売は2017年1月で同社ヘッドフォン発表50周年を記念したモデルで、木製ハウジングを採用した同社のフラグシップモデルです。
・ダイナミック密閉型
・ネオジウムマグネット
・25Ω
・105dB/mW
・1800mW
・バランスケーブル別途
・89,792円(Amazon参考価格)
ケーブルは上の写真のとおり、ヘッドホン側に左右独立の3.5mmミニプラグが採用されていて、バランス接続時は比較的簡単に接続ケーブルが製作できるようになっています。
■TH610/FOSTEX
発売は2016年6月でこれも木製ハウジングが採用されています。同社ではプレミアムリファレンスヘッドフォンに位置づけられています。
・ダイナミック密閉型
・25Ω
・5~45000Hz
・98dB/mW
・1800mW
・バランスケーブル別売(4極XLRコネクタ)
・61,845円(Amazon参考価格)
ヘッドフォン側は左右それぞれに2極の専用コネクタがついています。着脱式の祖ゼンハイザーの物とほぼ同じ仕様との事ですが、ロック機構の有無の違いでゼンハイザーのケーブルを挿した場合ぐらついて外れやすいとの情報がネットにありました。
■HD650/SENNHEISER
ドイツのオーディオメーカーで、昔からヘッドフォンやマイクロフォンを販売していました。このヘッドフォンの発売は2003年ですでにロングセラーとなっています。ヘッドフォン側は専用コネクタですが、ケーブル着脱式をいち早く採用したとのことです。
・ダイナミックオープン型
・300Ω
・10~39500Hz
・103dB/mW
・バランスケーブル別売(4極XLRコネクタ)
・45,739円(Amazon参考価格)
ヘッドフォン側のケーブルコネクタは左右独立で2極の専用タイプとなっています。ロングセラーとなっていることからサードパーティー製のケーブルの入手が可能なようです。
■MDR-1A/SONY
2014年1月にハイレゾ用のスタンダードモデルとして発売されたものです。40mmドーム型アルミニュウムコートポリマーフィルム振動板が採用されています。
・ダイナミック密閉型
・ネオジウムマグネット
・3~100KHz
・24Ω
・1500mW
・バランスケーブル別売(3.5mm3極 x2)
・18,268円(Amazon参考価格)
別売のケーブルのアンプ側は3.5mmステレオ用の3極ミニプラグです。何で3極なのかは不明です。
■SE-MHR5/Pioneer
2017年2月発売で、同社の新シリーズのヘッドフォンです。φ40mmのユニットが採用されています。
・ダイナミック密閉型
・7~50KHz
・45Ω
・1000mW
・102dB
・バランスケーブル付属(2.5mm4極ミニミニプラグ)
・15,050円(Amazon参考価格)
本体にアンバランス用とバランス用の両ケーブルが付属されているので、買ってすぐにバランス再生が可能です。ヘッドフォンアンプ側は4極の2.5mmプラグとなっていて、デファクトを狙っているように思えます。
バランス駆動
上記のとおり、バランス駆動用のアンプ側のコネクタに統一仕様がありません。信頼性という意味では4極のXLRコネクタに分がありますが、携帯機器用としては向いていません。最近の流れとしては2.5mm4極コネクタを採用したものが複数社から発売されている状況です。Sonyの採用する3.5mm3極 x2は後は使う側で勝手に変換してね!というスタンスのものもあります。使用者の立場としては早くデファクトスタンダード化していただきたいとおもいました。
選定
正直なところ、ヘッドフォンへの思い入れはあまりないので、今回はバランス駆動の音を聴いてみることを主目的に据える事として、一番手頃なSE-MHR5/Pioneerを試してみることにします。次回はヘッドフォンを入手し、そのレビューをします。
つづく(構想編2)