製作編1
製作編恒例のトランジスタのhfe測定からスタートし、部品を揃えます。
トランジスタ準備
今回の安定化電源は、ヘッドフォンアンプで使用したトランジスタと同じものを使用します。具体的にはサンケンの2SC3851A/2SA1488Aと東芝の2SC1815GR/2SA1015GRです。初めに現状の在庫の確認を行います。最初は2SC3851A/2SA1488Aの在庫表です。
ヘッドフォンアンプ製作で使用した部分が空欄となっています。今回はそれぞれ2個づつしか使用しないため、追加購入をせずに在庫で対応することとします。次に、2SC1815GR/2SA1015GRの在庫を確認します。
使用量が多かった為在庫が少なく、東芝製の物がいつ購入できなくなるかわからないので追加購入します。
部品の購入
前回の記事で紹介したとおり、部品は秋月電子の通販で購入しました。部品表には抵抗を入れていませんでしたが、全て在庫で対応する予定です。商品は中1日で到着しました。段ボールをあけると、秋月の社名の入ったチャック付きの大袋に各部品が小分けされて入っています。
念のため部品の確認をしてから製作の準備に入ります。
hfe測定
2SC1815GR/2SA1015GR共に各20個購入しました。それでは他製作での使用を考慮してfhe測定を行います。測定は回路と条件共に在庫測定時と同じにしています。図はNPNの測定回路です。
Ic=10mAに調整してその時のベース電流を測定してhfeを算出します。最初に2SC1815GRの測定を行います。Ic調整用のテスタはアナログ式が、Ib測定用のテスタはデジタル式が適しています。
測定時のトランジスタの損失は30mWなのでトランジスタの温度上昇もほとんどなく各部電流はすぐに安定するので、測定時間は短くて済みます。結果は以下のとおりです。
結果はhfeを昇順でソートしています。編みかけの物が今回購入分ですが、見ての通りhfeの分布は全て在庫よりも高くなっています。前回までは、hfeが小さくコンプリメンタリの確保に苦労しましたが、今回は逆に高すぎて従来在庫を対象とした場合、コンプリメンタリの確保には寄与しません。(2SA1015GRの在庫の分布の上限はhfe=230)今回はコンプリメンタリ選別が不要なので、これから行うPNP品の測定結果にもよりますが、hfeの大きな物から使っていくことにします。続いて2SA1015GRの測定を行います。ジャンパーケーブルを組み替えてPNPの測定回路に変更をします。
測定条件はNPNと同様にIc=10mAで測定します。結果は以下のとおりです。
NPN同様に結果はhfeでソートしています。2SC1815GRとは異なり、今回測定分はhfeが満遍なく分布しています。残念ながら今回入手した高hfeの2SC1815GRとコンプリメンタリになるもは1つもありませんでした。今後の事も考慮して、2SC1815GRはhfe大きな物(303~315)の物を、2SA1015GRはhfe=227~230のものを今回使用する事とします。測定したトランジスタは、従来どおりナンバリングした小袋に入れて管理します。在庫が増えるとなんとなく安心します。
次回は部品のレイアウトを決めて、製作に着手します。
つづく(製作編2)