Hi-ch用トランジスタアンプ製作(製作編2)

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製作編2

電圧増幅段で使用するトランジスタのhfe測定を行います。

電圧増幅段バイポーラトランジスタhfe測定

地味な作業が続きますが、自作ならではの贅沢と考えて我慢して進めます。電圧増幅段で使用するバイポーラトランジスタは2SC1815と2SA1015です。オリジナルは東芝製ですが、すでに生産終了の為、手にはいりません。今回はセカンドソースのUTC製のものを購入しています。写真は東芝製とUTC製の2SC1815です。

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捺印が異なりますが、UTC製(右)は文字サイズが小さくルーペがないと視認が難しいです。2つのトランジスタは、コンプリメンタリペア品がありますが、秋月電子の在庫の関係で2SC1815はBLランク品を2SA1015はGRランク品を購入しました。今回のアプリケーションでは、コンプリメンタリペアは必要はないので問題となりません。最初は2SC1815L-BLの測定を行います。hfeの測定回路は、前回と同じですが、電流値を変えるため定数を変更します。Icは使用条件に合わせるべきですが、電流値を小さくしすぎると、Ibの測定誤差が気になります。バランスを考えて、今回はIc=5mAとしました。測定回路は以下のとおりです。

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ジグには必要な抵抗が実装されているので、配線を変えるだけで対応できます。測定の手順は、前回の記事と同じです。トランジスタはレバー固定式のDIPソケットに装着します。

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レバー式のDIPソケットは優秀で、いままでの測定で一度も接触不良がありません。Icが小さく発熱量が少ないので、電流値はすぐに安定します。測定結果は以下のとおりです。

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トータル45個測定しました。hfeは560~630の間に分布しています。BLランク品の仕様は350~700ですがセンター上寄りの分布となっています。この結果から十分なペア選別ができます。続いて2SA1015L-GRのhfe測定を行います。測定回路は以下のとおりです。

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測定結果は以下のとおりです。

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このトランジスタも45個測定を行いました。hfeは224~248の間に分布しています。このトランジスタも十分はペア選別ができます。

測定トランジスタの保管

測定したトランジスタは、管理在庫として保管し、必要な時に選別使用できるようにします。写真は保管箱です。

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箱は仕切で4分割されていて、それぞれに小袋を入れています。小袋はナンバリングし、左はNo.1~10、その隣はNo.11~20、一番左はNo.40以上とし番号順に並べています。小袋は以下のとおりです。

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写真はNo.19とNo.45の小袋です。小袋のNo.と測定結果一覧のNo.を合わせているのでトランジスタの特定が可能です。袋の中身は、全て異なるトランジスタで、使用の有無により、中身のトランジスタの数が異なります。hfeの測定結果は、PCのドライブに「選別フォルダ」を設けてトランジスタ別にExcelシートとして保管しています。トランジスタ使用後は、該当のトランジスタを編みかけして使用済みのものがわかるように管理しています。こうする事で、必要な特性のものを、無駄なく使用できます。次回は電源基板の実装を行います。

 

つづく(製作編3)