チャンネルデバイダーのVR制御(構想編2)

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構想編2

前回の記事でアッテネータの減衰量切り替えにリレーの選定をしたので、具体的な構成を検討します。

実使用時のボリューム

写真は現状のシステムで使っているデバイダ兼ボリュームのパネル写真です。

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見栄えは悪いですが、2つのボリュームにそれぞれ2カ所位置を示すマーキング(三角のシール)を貼っています。これは、いつも音楽を聴くときにボリュームがとるポジションを示しています。2ヶ所あるのは、CDの録音レベルが高いものと低い物に対応するためです。普段はこの2つのポジションを中心に上下を微調整して使っています。下の図は、現システムのボリューム前後のブロック図です。減衰量は、ボリュームの位置と後段のパワーアンプの入力抵抗で決まります。

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2つのポジションの減衰量を算出するために、前段から見た負荷抵抗R1と後段から前段を見た出力側抵抗R2を測定し、それぞれの減衰量を算出しました。

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この2つの減衰量に対して上下に2段づつ減衰量を設定すれば実用上あまり不便は感じないと考えます。さらに実用上の利便性を考えて、さらに減衰方向に2段階追加して全8ステップで検討してみたいとおもいます。

リレーATT回路

8ステップを8個のリレーで構成するのは芸がないので、Muteを含めて下記の回路で検討をしてみます。Muteを含めて9ステップを6個のリレーで構成します。

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こだわるのであれば、前段から見た負荷抵抗を全ステップで同じにすべきですが、リレーの数を減らす為に妥協しています。尚、現状の回路もボリュームの位置で負荷抵抗値が変化します。この回路構成で、上から3段目を-12dB、4段目を-16dBとし、また切り替えの途中のステップとMute時にも前段から見た負荷抵抗が重くなりすぎないように抵抗値を設定してみました。下記が抵抗値を反映した回路図です。

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動作前提は、RL2~RL6のどれか1つのリレーがオンし、RL1の設定で分圧による減衰量がきまります。試行錯誤により決定した抵抗値は以下のとおりです。

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実用ポジションが-11.4dBと-16.0dBで最大音量時が-6.0dBで実用ポジションからの5.4dBのマージンが、最小音量時が-34.7dBで実用ポジションからの減衰量が-18.7dBとれています。なかなかいい感じに設定できたのではないでしょうか?念のために、各減衰量で実際に音楽を聴いてみる事にしました。現行デバイダーのウーハー用のボリュームツマミの下に紙を貼って、上記一覧表の減衰量となる位置に印をつけて、録音レベルの大きいCDと小さいCDを演奏してみます。各ポジションは、テスタでボリューム端子間の抵抗値を測定して指定の減衰量の位置を出しています。

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現状の2つの実用ポジション間が開いていますが、それ以外はいい感じの間隔となっています。実際に音楽を再生して各ポジションの音量レベルを確認しました。実用上不足はなさそうです。

リレー制御

簡単に制御するには、9ステップのロータリーSWと、Mute用のSWで構成する事もできますが、切り替え時のノイズ発生を押さえるためのディレイ制御等を考えるとマイコンによる制御が望ましいと考えました。私のようなアナログ人間には敷居が高いですが、せっかくなので今回はシリーズ初のマイコン制御を採用してみたいとおもいます。

マイコンについて

私のソフト経験ですが、大学でBASICを習い、その関係でシャープのポケットコンピューターを買って使っていたので、BASICに関してはそれなりに使いこなしていました。その後、会社に入社してから業務上必要となり、アセンブラをかじりました。そんな感じて、C系のプログラムを本格的に書いた事がありません。万が一完成できなかった場合のいいわけはこの程度にして、今回は安価に開発環境込みで手に入る、Arduino UNO(マイコンボード)を使った制御を検討してみます。

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次回はArduino UNOを簡単に紹介して、環境の構築およびソフトの製作について紹介します。

 

つづく(構想編3)