DACユニットの検討(構想編3)

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構想編3

構想編2で行ってきた選択が、私の要求にマッチしているか、さらに調査をしてみます。

バランス出力対応

PCM1792Aでバランス出力する方法について確認をしてみます。下記はTIの技術資料に掲載されたPCM1792のブロックダイヤグラムです。

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DACからは、各チャンネル差動の電流出力され、それをアンバランスに変換してオーディオ出力としています。ブロック図上の最後のアンバランス変換を省略すれば、バランス出力が得られます。技術資料には、DAC電流出力ブロックとして下記等価回路が掲載されていました。

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この図を見ると、先のブロック図のアンバランス変換をする事で特性の改善を行っているようにも読みとれます。さらに技術資料を読み進めていくとバランス出力について下記の説明がされていました。

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最高の性能を得るためには、1つのDACをモノラルモードで動作させて各アンバランス出力を差動出力に設定してバランス信号を生成する事が推奨されています。このような動作をさせる方法ですが、同資料に掲載されているユーザープログラマブル機能一覧に答えがありました。

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このレジスタ20のMONO BITを制御してモノラルモードとして、CHSL BITで出力チャンネルを選択し、バランス-アンバランス変換への入力位相を反転させればバランス信号が生成できる事がわかりました。

デジットキットのバランス出力対応

上記のTI技術資料で確認した方法がデジットキットで対応可能か調べてみました。下記はDAC_1792_Bデジットキットの組立仕様書の抜粋です。

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このキットはデフォルトでハードウェアモード(決まったデフォルト仕様)で動作しますが、JP1Bのジャンパピンを外すと、マイコンからI2Cコマンドを受け付けるモード(ソフトウェアモード)になります。この状態でレジスタ20のMONO BITを書き換えるとモノラルモードの動作に変更する事ができそうです。I2Cのコマンドの出力は、12チャンネルアッテネータで使ったarduino UNOマイコンボードを使用する予定です。(本記事のアイキャッチ写真参照)

外部クロック入力

これができれば、仕様上クリアになります。まずはDAIトランシーバ独立実験基板キットのドキュメントを確認してみました。DAC基板キットと同様にソフトウェアモードの選択もできますが、搭載ICのWM8805のデータシートの機能一覧を見ても、多様なクロック仕様に対応できる事は読みとれますが、私はフォローしきれませんでした。ハードウェアモードにおいて、ジャンパ設定でマスターモードとスレーブモードの選択ができるようになっています。スレーブモードにすると外部からクロック入力できるとの事ですが、DAIレシーバーとして動作させる場合は、マスターモード設定とするように記載があり、これ以上はやってみないとなんともいえない状況です。最初はマスターモードで立ち上げる予定なので、直近の対応は問題ありません。

その他のキット

ローパスフィルタOPAMP_B基板

この基板はオペアンプを使った電流-電圧変換にローパスフィルタ機能を持たせたものです。

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ローパスフィルタを構成する為には一部追加部品が必要となります。簡単な回路なのでわざわざキットを買わなくても製作できますが、見栄えも考えて購入する事にしました。

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バランス出力させるために2個購入する予定です。

バランス-アンバランス変換

キット化されていましたが、簡単な回路なので自作する予定です。その方が気に入ったオペアンプが使用できるので。全体をざっくりと確認した範囲では、なんとかDACユニットが作れそうです。細かな点の確認を行いながら進める必要があるので、最初はブレッドボードで動作を確認した上で、ケースへ組み込みを行いたいとおもいます。

 

つづく(設計編1)