無帰還広帯域真空管アンプ(製作編16)

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製作編16

ケースの収めた出力トランスをシャーシに取り付けます。

取り付け準備

ケースの収めた出力トランスは、シャーシに取り付ける部品で一番背が高くなります。念のため、ケーストップを養生します。材料は梱包用のダンボールでケースサイズにカットして貼り付けました。

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次に未使用電線の処理をします。写真は出力トランス添付の説明書です。

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今回は8Ω出力のみを使用する為、2次巻き線の茶と黄の電線は使用しません。処理には端末保護キャップ2mm品を使用しました。

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未使用電線の被覆が剥がされた部分をカットし、上記の端末保護キャップを被せてインシュロックで固定しました。

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黄色の電線も同様に処理を行い、2本の電線をフォーミングしてケースに収めます。

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電源動作確認用に取り付けていたダミー負荷抵抗は、取り付け作業のじゃまになるので取り外しました。

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すべて取り外してしまうと、通電確認時に高圧がチャージされたままとなってしまうので、20kΩをチョークインプット電源出力に取り付けました。

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これで出力トランスをシャーシに取り付ける為の準備は完了です。

出力トランスシャーシ取り付け

最初にLチャンネルの出力トランスを取り付けます。初めにトランスケースの両側のパネルを取り外した状態で、ケースをシャーシに仮止めします。その際に忘れずに電線をシャーシの穴から引き出します。

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この状態で一旦片側のパネルを取り付けます。

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開いている側の取り付けネジを締め付けます。

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パネルの取り付けはコの字のケースの矯正が目的です。パネルを取り外し、反対側に改めて取り付けます。同様に開いている側の固定ネジを締め付けて、この面のパネルも取り付けました。

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これでLチャンネルの出力トランスの取り付け完了です。単なるトランスのシャーシ取り付けですが、トランスケースの構造上地味に手間がかかりました。続いてRチャンネルのトランスケースを取り付けます。手順は基本的に同様ですが、ケース取り付けネジで、電解コンデンサ固定用のL字金具を共締めする必要があります。

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従来の製作では、共締めするL字金具を先に取り付けて、後で電解コンデンサを取り付けたL型ラグの取り付け穴位置を決めていました。今回は事前にチョークインプット電源の動作確認をするために、先にL型ラグを取り付けていました。その結果L字金具と電解コンデンサの間にわずかな隙間ができてしまいました。

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さてどうしたものか・・・?以前製作に使用したアルミパネルがあったので、それをカットして挟む事にしました。カットはハンドニブラで容易にできました。

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このアルミ片を両面テープで、L字金具が電解コンデンサに当たるポイントに貼り付けました。

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結構いい感じに隙間を埋められました。L字金具にインシュロックを通して電解コンデンサを固定します。インシュロックは100mm品を使いましたが1本では長さが足りない為、2本で延長しています。

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L字金具は、近所のスーパービバホームでいろんな種類のものが販売されていますが、選定のポイントをまとめます。

・インシュロック固定用の2つの穴が縦に並んで開いているもの

・インシュロック固定用の穴のサイズが十分なもの

・シャーシ内に収まるサイズのもの

見た目以上にカッチリと電解コンデンサが固定できました。

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出力トランス取り付け後の状況は、本記事のアイキャッチ写真を参照ください。次回はシャーシ内の配線にとりかかります。

 

つづく(製作編17)