Hi-ch用トランジスタアンプ製作(製作編6)

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製作編6

変換基板へ実装したDual FETのIdss測定を行い、アンプ基板の実装を開始します。

Idss測定

測定の前に、J-FETのIdss特性について整理します。J-FETのドレイン電流Idは、ゲート電圧Vgsによってきまります。図は2SK2145の仕様書から引用しました。

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グラフには7個の特性が描かれていますが、それぞれのチップのVgs=0Vのドレイン電流IdがIdssとなります。2SK2145はIdss値で3つのランクに分けられています。

Yランク品 :1.2~3.0mA

GRランク品:2.6~6.5mA

BLランク品:6.0~14.0mA

初段のバイアス電流は1mAで設計しているのでYランク品でミニマム品の場合、Idssが小さすぎ、BLランク品で大きすぎる為、今回はGRランク品を選定しています。上記のグラフをみると、差動アンプとして使うとは言え、直線性の良いエリアで使う為には、GRランク品のミニマム品を選別したいところですが、チップ品なのであきらめます。測定用のジグは、先日トランジスタのhfe測定をしたものを使用します。

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右下のエリアにdipソケットを実装しているので、そこに変換基板に実装したFETを装着して測定を行います。測定回路は以下のとおりです。

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測定用ジグにジャンパピンを使って必要な回路を構成しました。変換基板に実装したFETをジグに装着します。

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測定はドレイン抵抗印加電圧を測り電流値に換算するだけです。(アイキャッチ写真参照)測定は順調に進み、最後の1個でトラブル発生です。片側のFETのIdss測定時に電流が安定しません。ジグの配線に手をかざすと値が変動します。再度ハンダ付けをやり直しましたが症状は変わりません。次段へ問題を持ち越したくない為、追加でFETを変換基板に実装する事にしました。但し、接続ピンの予備がないため現品から取り外す必要があります。接続ピンの取り外しは難しく、結局変換基板をニッパでカットして1ピンづつ基板を取り外しました。

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追加実装したものは、問題ありませんでした。測定結果は以下のとおりです。

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4aと4bが追加実装したものですが、隣りどおしのパッケージング品ではないでIdss値が他と離れています。差動アンプとして使うため、aとbの特性が揃っていれば問題ありません。測定完了したモジュールは、一旦静電気保護袋に入れて保管しました。

アンプ基板実装準備

製作中のアンプはBTL方式の為、アンプ基板はステレオ分で4枚必要です。モノラルアンプの筐体へは、2枚の基板を実装しますが、それぞれの基板は、ヒートシンクを兼ねたサイドパネルに取り付けます。

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アンプ基板の端子台への配線作業を考えると、端子台の位置をトップカバーに近い位置に配置すべきと考えて、実装は大変となりますが、左右のサイドパネルに取り付ける基板の実装をミラー対象とする事にしました。部品の実装は、効率を考えてBTLステレオ分の4枚を平行して進めます。最初に四すみにスタッドを取り付けました。

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電源配線

電源入力用の3極の端子台は基板の短辺の上側としました。

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次に基板内の+電源配線を行います。半固定抵抗の実装位置を考慮して+電源配線は基板をサイドパネル取り付け時に基板の上側の端となるように敷線しました。

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次に配線した+電源ラインにパスコン0.47uFを取り付けました。

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続いて、ー電源ラインを敷線します。基板取り付け時に基板の下端に敷線しました。さらに+電源ラインと同様にパスコン0.47uFを取り付けます。

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これで電圧増幅段用の電源ラインの敷線は完了しました。次回は初段の実装からスタートします。

 

つづく(製作編7)