終段スイッチング電源検討(製作編32)

製作編32

引き続き終段を含めたアンプ基板の通電確認を行い、全基板の確認後、負荷状態で周波数特性の測定を行います。

通電確認続き

次はNo.4基板の通電確認を行います。No.3基板の通電で要領がわかったので、この基板の通電は終段を接続した状態で行います。まずは電源配線を行いました。

ユニバーサル電源の過電流防止機能の設定値は900mAとしています。電源オンしてところ、ユニバーサル電源の電流値はドライバ段までの通電値と同じ値を示しています。ドライバのエミッタ電圧を確認したところ、前回通電確認時に調整後にアイドリング電流を下げた状態を示していました。値は約400mVですが、この電圧では終段の電流は流れません。VR2を回して、ユニバーサル電源の電流表示値を800mAに調整しました。No3基板の通電確認を行っていた為、ヒートシンクの温度が上がっていた事から終段のアイドリング電流は短時間で安定しました。各部の電圧は以下のとおりです。

4枚の基板の各部電圧を比較する為に表を作成しました。

ほぼ同じ結果となっていました。次はNo2基板の通電確認を行います。上記の要領で同様に通電確認を行いました。各部電圧は以下のとおです。

最後はNo1基板の通電確認を行います。最後の基板なので、慣れたものです。この油断慢心がトラブルを引き起こすので注意が必要です。各部電圧は以下のとおりでした。

結果を見ると、4枚ともにほぼ同じ結果となっています。No1基板の終段トランジスタのhfeが比較的小さいものを選択しましたが、全く影響は見られませんでした。

特性測定の準備

負荷をかけた状態で周波数特性の測定を行います。私のスピーカーのインピーダンスは8Ωなので、BTL駆動時にアンプ単体からは4Ωの負荷となります。特性の測定はアンプ単体で行う為、4Ωのダミー負荷を準備します。特別に部品を購入していなかったので、手元にある部品で製作検討します。いいものがありました。今回のアンプ製作で終段のエミッタ抵抗用に0.47Ω/1W品を100本購入していました。

この抵抗を9本直列に接続すると4.23Ωとなります。これをカット基板に実装してダミー抵抗を製作します。抵抗9本を横並びに実装して、直列接続しました。完成状態で抵抗値を測定したところ、抵抗の誤差により4.1Ωとなっていました。

このダミー負荷を使って周波数特性の測定を行います。出力レベル条件ですが、迷いましたが、BTL接続時に1W前提とするため、アンプ単体時は0.5Wに設定しました。ダミー負荷印加電圧は4Vppの正弦波となります。

周波数特性の測定?

測定はNo1基板から行います。発振器から正弦波を入力し、入出力波形をオシロスコープでモニタします。セットアップが完了し、電源オンしたところユニバーサル電源の過電流保護が働いてちゃんと起動しません。過電流保護の電流値は900mAです。上記で製作した4Ωのダミー負荷を外して電源オンすると正しく起動します。さてどうしたものか・・・。改めて4Ωのダミー負荷を接続し直しました。根拠はありませんでしたが、ユニバーサル電源の過電流保護の電流値を1.5Aに設定しなおして電源オンしたところ、正常に起動する事ができました。一瞬、大電流がながれる状態を経由して正規の状態に起動するようです。アンプ実装時は、スピーカー保護リレーで起動時にスピーカーが切り離される為、このような心配はありません。ようやく周波数特性の測定ができそうです。次回は負荷状態で周波数特性の測定を行います。

 

つづく(製作編33)