製作編8
エンクロージャにスピーカーユニットを取り付けて動作確認をします。
スピーカーユニット取り付け
取り付け前に配線の処理をします。ターミナルボックスにハンダした電線をスピーカー取り付け用の穴から引き出して端末処理を行います。
端末処理は、被覆を15mm程度むき、芯線がバラケるのを防止するためにハンダしました。
それをスピーカーユニットのターミナルに接続します。使用するウーハーユニットにはターミナルが2つあり、それぞれ独立したボイスコイルに接続されています。ターミナルはプッシュタイプで簡単に接続できました。
もう1つのターミナルは、ボイスコイルを挟んで反対側にありますが、同様に電線を接続しました。まずはエンクロージャの素性を知るために、補強および吸音材を入れずに動作確認をしてみます。という事で、このままスピーカーユニットをバッフル板にとりつけました。M5のボルトで簡単に取り付ける事ができ、鬼目ナット採用は正解だったと実感しました。8カ所締め付けてスピーカーユニットの取り付け完了です。
動作確認準備
動作確認は、正弦波を入力してその音を聴き、エンクロージャの共振状況も確認してみます。初めに2つのボイスコイルを直列に接続します。1つのコイルが4Ωの為、直列接続で8Ωになります。それぞれのコイルを2台のアンプで駆動する事も考えましたが、私のアンプは全てバランス駆動方式の為、4Ω負荷の場合、アンプ単体の負荷は2Ωとなってしまうので直列接続として1台のアンプで駆動します。直列接続する為に、2つあるスピーカーターミナルの+とーを接続しました。
信号は、発振器で生成し、それをアンバランス-バランス変換ボリュームユニットに入力し、その出力をパワーアンプに入力します。
念のため、バランス変換後の信号をオシロスコープでモニタしてDC成分がない事を確認しています。パワーアンプは、ELSOUNDのモノラルBTLパワーアンプEPM-30invを久々に引っ張り出しました。最大出力は30W/8Ωです。
スピーカーの設置場所がなくて、今回はNS-1000Mの上に設置しました。
これで動作確認の準備完了です。
動作確認
周波数を100Hzにセットして恐る恐るボリュームを上げます。振動板は動いていますが、音があまり聴こえません。近づいて確認すると、エンジン低速アイドリングのような音がします。その原因の1つは、木ネジで固定した背面板の隙間から正弦波の周期ごとにエアー漏れの音(シュッ)が聴こえる為です。こんな物かと改めて動作環境を見直したところ、周波数設定が1桁ずれていて10Hzとなっていました。やれやれ、改めて100Hzにセットし直したところ、部屋を揺さぶるような音が聴く事ができました。周波数を振ると、エンクロージャの共振は気にならず、部屋の共振が目立つ状況です。振動板に耳を近づけると、振動板自体の鳴きがやや聴こえますが、エンクロージャ自体の共振音は聴きとれませんでした。この結果から、エンクロージャの補強はなしで、吸音材も適量入れる事で調整ができそうな感触が得られました。だいたい30Hzあたりまで、音圧を感じられます。ネットで自作例を検索すると、スピーカーユニットの背圧を抜くといい感じになるとのレビューが見つかりましたが、背面板も予備があるので、必要に応じて試してみたいとおもいます。この動作確認結果から、早くチャンネルデバイダーを製作して音楽を聴いてみたいと思いました。という事で次回は、チャンネルデバイダーの基板実装を進めたいとおもいます。
つづく(製作編9)