真空管アンプ負帰還(構想編)

構想編

製作済みのA級EL34プッシュプルアンプに改めて負帰還をかけてみます。

発端

私の手持ちのパワーアンプは以下のとおりです。

1)モノラルA級BTL DCパワーアンプ2台(マルチアンプシステムウーハー用)

2)A級バランス入出力EL34ppアンプ(マルチアンプシステムスコーカー用)

3)モノラルA級BTL DCパワーアンプ2台(マルチアンプシステムツイーター用)

4)A級バランス入出力EL34ppアンプ(予備)

5)バランス入出力EL34singleアンプ(予備)

6)バランス入出力6N6Ppp広帯域アンプ2台(予備)

7)AB級DCパワーアンプ(予備)

8)エルサウンドEPM-30invモノラルBTLアンプ2台(予備)

8番以外は自作アンプですが、並べてみるとよくもこんなに作ったものと思います。上記の真空管アンプは全て負帰還をかけていません。この中で2番と4番は同じ回路構成で1台予備の為、予備機に改めて負帰還をかけて音の違いを楽しんでみたいとおもいます。

負帰還の削除

このA級バランス入出力EL34ppアンプは、私の自作初の真空管アンプで、当初は負帰還をかけていました。回路図は以下のとおりです。

負帰還を外した経緯は、2017年2月10日の記事「パワーアンプのf特番外編6」で説明していますが、当時負帰還を外した時の下記の音の違いから当面帰還なしで運用する方針としました。

・響きの美しさは同等

・負帰還方式の方が繊細な音の再現性が勝る

・負帰還なしの方が音が生き生き鳴る

予備機に負帰還を復活させて、音の違いを改めて確認してみたいとおもいます。また当時確認できなかったスコーカーチャンネル駆動時の違いも聴いてみたいとおもいます。

構成検討

今回は単純にオリジナルの回路に戻すのではなく、使い勝手も良くしたいとおもいます。オリジナルの回路図を見ると、HotとColdのアンプともに逆相アンプの構成となっています。モデル化すると以下のとおりとなり、アンプのゲインが、信号源の出力インピーダンスに影響を受けます。

前段の出力インピーダンスが一定値であれば、ゲインが単純に下がるだけですが、前段出力部にボリュームがあると、ボリュームの位置によってアンプのゲインが変わってしまいます。アンプ1台で駆動している場合は大きな問題にはなりませんが、前回製作したサブウーハーシステムのフルレンジ駆動用として使うと、ボリュームの位置によってサブウーハーとの音量バランスが変わってしまいます。パワーアンプの様に入力部にボリュームを入れればこのような心配はなくなりますが、下記の私のポリシーに反するため、パワーアンプと一部の例外を除き入力部のボリュームを排除しています。

・アンプのDレンジを有効に使うためフルレベルの信号入力する

・アンプの段数を可能な限り減らしたい

一部の例外とは以下の装置です。

・マルチアンプシステム用12chアッテネータ

・サブウーハーシステム用サブウーハーチャンネル

対応方法

具体的には、入力部にバッファーアンプを設置します。無帰還構成のアンプと比較しやすいように、負帰還をかけた事によって下がるゲイン分を稼ぎ、比較試聴しやすいようにしたいとおもいます。

予備EL34ppアンプ

写真が保管していた予備アンプです。

シャーシ内部を確認してみました。

写真は入力管の近傍に設置された平ラグ基板です。何も実装されていませんが、元々は負帰還用の抵抗が実装されていました。シャーシ内部全体は、本記事のアイキャッチ写真のとおりです。バッファー設置場所としては、狭いですが平ラグ基板が実装されている部分しかない状況です。この狭い場所にはたして4ch分のバッファーを実装できるでしょうか?次回は、バッファーアンプの設計をして実装の検討を行います。

 

つづく(設計編)