試作編1
予定を変更して、手元にある部品を使用してDCオフセット検出回路を試作します。
試作について
今回、絶対値回路の初採用となるので、事前の動作確認をしてみたかった事と、実機ではトータル4系統の実装が必要になるため、その実装規模をつかむ為に試作をする事に決めました。一部の部品は代替品を使用して製作し、作業に穴があかないようにします。試作回路は以下のとおりです。
代替品を使用したものは以下のとおりです。
・22uF無極性電解コンデンサ→100uF電解コンデンサ2個
・小信号用ショットキーバリアダイオード→整流用ショットキーバリアダイオード
試作
いつものとおり、作業性を改善するために四スミにスペーサーを取り付けます。
次にオペアンプ用のソケットを2個取り付けます。本番の基板の実装も考慮してソケットの前後の間隔か均等になるように配置しました。
続いて入出力用の2極の端子台を取り付けました。
取り付けた端子台の1つの極間どおしをGNDラインとして配線します。
次に入力の一次LPFを実装します。在庫の100uFの電解コンデンサを両端が+となるように直列接続して、無極性化しました。
次は初段の10倍アンプ用の抵抗2本を取り付けます。
空いているオペアンプはボルテージフォロア化して入力をGNDに落としました。次は絶対値回路の初段の回路実装をします。ショットキーバリアダイオードは手持ち在庫から整流用のものを使用します。
順電圧は0.5Vと設計で選択したものよりも大きいです。ショットキーバリアダイオードを含めて絶対値回路の部品実装を行います。
ここまで実装した時点で、絶対値回路の素の動作確認が必要と考えて、入力信号を選択できるように回路を変更しました。
ジャンパSWで入力の一次LPFをパスさせる選択ができるようにしました。
ここで各オペアンプのパスコンを取り付けました。実装サイズを考えて0.1uFフィルムコンデンサを選択しました。
次は出力部の電圧クリップ回路を実装します。ツェナーダイオードは在庫品の3.6V仕様のものを実装しました。
残りは各オペアンプの電源配線ですが、配線前に実装確認を行います。導通テスタを使用して回路図どおりの接続となっているか確認をしました。概ね問題ありませんでしたが、初段出力7pinと絶対値回路入力2pin間の抵抗値が約16kΩとなっていて誤配線かと思いましたが、加算回路他入力抵抗ループを考慮すると問題ないレベルと判断しました。最後はオペアンプ用の電源配線です。電源用端子台の配置を迷いましたが、写真のとおりとしました。
配線には一部被覆電線を使用せざる得ませんでした。本番基板ではもう少し考えたいとおもいます。電源配線後改めて確認を行います。方法は電源供給して、オペアンプ用ソケットの各ピン電圧を測定します。
結果は4pin, 8pin以外は不定または0Vとなり問題ありませんでした。いよいよオペアンプ実装です。互換品とはいえTL072を使用するのは、何年ぶりでしょうか?
いつ発売されたか気になり調べてみましたが、1970年代後半まで確認できましたが、発売年はわかりませんでした。実装してみました。いい感じです。(本記事アイキャッチ写真参照)通電してみましたが、出力オフセット、消費電流は正常です。次回は試作したDCオフセット検出回路の動作確認を行います。
つづく(試作編2)