終段スイッチング電源検討(製作編1)

製作編1

試作したDCオフセット検出回路の確認結果を反映して、実基板の実装を行います。

回路変更

本来は、設計を全て終わらせてから製作した方が全体的な流れがわかりやすくなりますが、せっかく前回試作した感触を忘れないうちに実基板の実装を行う事としました。まずは、試作の結果を反映して回路図を修正します。修正点は以下のとおりです。

・初段のオペアンプは2系統で1個の使用となるので、回路図を2系統分作成

・出力保護回路の抵抗値を10KΩから2KΩに修正

反映した回路図は以下のとおりです。

この回路図に従って実装を進めます。

回路実装

当初、1枚の基板にDCオフセット検出回路、LED駆動回路、保護リレー回路を実装する予定でしたが、DCオフセット検出回路の実装規模が想定よりも大きかったので専用に基板実装する事にしました。まずはオペアンプ用ソケットと入出力用端子台の実装位置を決めます。信号の流れに沿ってオペアンプを配置した方がわかりやすいので、初段と絶対値回路を4系統分横に並べる事としました。

オペアンプを4個横に並べると、そのオペアンプの周辺回路を実装するエリアがスルーホール2or3列分となり実装にかなり工夫が必要となりそうです。

GNDと電源配線

いつもと同様にGND配線を最初に行います。実装効率を上げる為に、いつも以上に縦配線をハンダ面に、横配線を部品面とする事を徹底します。

いつもは後回しにする電源配線を次に行います。理由は実装するオペアンプの数が多い為です。絶対値回路のマイナス電源配線は被覆ジャンパを使わないと配線できなかった為、後回しにします。

回路実装

まずは初段の20dBアンプ構成用の抵抗を実装します。初段周りは実装エリアに余裕があるので、あまり考えずに抵抗を実装しました。

次に入力段の一次LPF回路を実装します。無極性電解コンデンサのグリーンの被覆が綺麗です。

次は絶対値回路部品を実装します。一番端のオペアンプ周辺は他と異なるため、最初に実装し、それを参考に隣のオペアンプ周辺回路部品を実装しました。パスコンは、各オペアンプ毎の実装をあきらめて、電源端子台から一番離れたオペアンプの電源端子付近に実装しました。

2番目の絶対値回路部品実装をまねして残り2個の絶対値回路部品を実装しました。

一部部品面のジャンパ線は初段出力と絶対値回路の入力配線がきれいにできなかった為、ハンダ面に線をとばしました。

最後に出力保護回路を実装します。ツェナーダイオードの実装は問題ありませんでしたが、負荷抵抗2KΩの実装がうまくできません。仕方がないので、これもハンダ面にジャンパを飛ばす要領で実装しました。

最後に絶対値回路オペアンプマイナス電源配線を行ない実装は完了しました。

通電確認

最初に初段オペアンプ1個を実装して、出力オフセットの確認を行いました。その結果大きなオフセット電圧の発生を確認しました。入力を47kΩでショートしたところ、改善したので、急遽入力に100kΩの入力抵抗を実装しました。

次は絶対値回路用オペアンプを実装して出力確認を行います。

出力電圧は問題なかったので、全てのオペアンプを実装して出力確認を行いました。(本記事アイキャッチ写真参照)特に問題はありませんでした。次回は実装した回路の動作確認を行います。

 

つづく(製作編2)