終段スイッチング電源検討(製作編22)

製作編22

アンプ基板2枚目以降の通電と調整を行います。

2枚目基板通電&調整

いつものとおり、回路図を再掲載します。

2枚目の基板は、1枚目の基板と同様に無事調整ができました。調整のこつ(順番)さえ理解すれば容易に調整ができます。調整後の各部電圧を1枚目の基板と比較してみました。

表を見ると、結果は1枚目の基板とほぼ同じになっていました。基板の消費電流も1枚目の基板とほぼ同じになっています。

3枚目基板通電&調整

3枚目に基板の調整も問題なくできましたが、調整後にドライバ段の電圧が調整前に戻ってしまう現象を確認しました。現象発生時の+12V系電源の消費電流は55mAから22mAにダウンします。マルチメーターのテストリードを実装部品に当てるタイミングで状況が変化する事から、ハンダ不良を疑って確認をしましたが、怪しいポイントは見つかりませんでした。ドライバ段のバイアス電流異常なので、もしやと思って温度補償用トランジスタAssyの端子接続をやりなおしてところ、現象の発生がなくなりました。

今まで端子台の接触不良は経験がなかった事から、いまひとつ釈然としませんでしたが、一旦完了としました。3枚目の各部電圧は以下のとおりです。

4枚目基板通電&調整

最後の基板ですが、調整で問題発生です。同じ手順で調整を進めましたが、ドライバ段のバイアス電流の調整ができません。ハンダ不良の確認と3枚目基板で経験した端子台接続不良の確認を行いましたが、問題ありませんでした。部品不良について考え始めたタイミングで、温度補償用トランジスタAssyの組立時に縒り線の基板挿入で問題があった事を思い出しました。確認したところ明確な接触確認はできませんでしたが、芯線の1本が部品面に出ている事が確認できました。

マイナスの精密ドライバでその芯線をカットして再確認したところ、無事ドライバ段のバイアス電流の調整ができるようになりました。やれやれ・・・。3枚目の基板ももしやと思い見直してみましたが、わかりませんでした。これで4枚目の基板の調整も無事完了しました。各部電圧は以下のとおりです。

これでアンプ基板の調整は完了です。

周波数特性測定

基板の動作確認を兼ねて各基板の周波数特性の測定を行います。入力信号は発振器から0.4Vppの正弦波を入力します。入出力波形をオシロスコープで観測しました。(測定環境は本記事のアイキャッチ写真参照)最初にNo.1基板へ1KHz/0.4Vppの信号を入力しました。入出力波形は以下のとおりです。

黄色が入力波形で、青が出力波形です。カーソルは設定を間違えていますがゲイン約20dBとなっている事がわかります。周波数を100KHzに上げてみました。

動作に変化はありません。さらに周波数を1MHz, 2MHz, 3MHz, 5MHzと上げてみました。

ゲインは1MHz付近で一旦あがり、3MHz以上で下がっていました。折角なので1MHz以下の特性も正確に確認してみました。

素直な特性で特に問題ありませんでした。次回は引き続き周波数特性の確認を行います。

 

つつく(製作編23)