終段スイッチング電源検討(製作編23)

製作編23

引き続きアンプ基板の周波数特性の測定を行います。その後共立エレショップ経由でタカチ電機工業に加工依頼をしたケースについて報告します。

周波数特性測定

2枚目の基板も同様に入出力波形の比較を行い周波数特性の測定を行います。1MHz以上の特性は波形は残していませんが、1枚目とほぼ同じでした。1MHz以下の特性はグラフ化しました。結果をアンプ基板No1と比較します。

約400KHzまでフラットで、その後0.5dB程ゲインが上がっています。その特性はほぼアンプ基板No.1と同等でした。同様にアンプ基板No.3とNo.4も測定を行いました。結果は以下のとおりです。

4枚の基板ともにほぼ同等な特性となっている事が確認できました。

クリップレベルの確認

動作確認の最後は、周波数を1KHzに戻して入力信号レベルを徐々に上げていき、出力がクリップするレベルを確認しました。結果は以下のとおりです。

黄色のラインは、2段目の差動アンプ出力で、青のラインは出力です。青のライン欠けは目立ちませんが、少しでも入力レベルを上げると波形の上端がクリップします。このアンプ基板の最大出力は16.9Vppと確認できました。この結果からアンプ完成時の最大出力を算出してみます。このアンプはBTL駆動となるので、駆動時の振幅レベルは16.9Vpp x2 = 33.8Vppとなります。この電圧を実行値に換算すると33.8Vpp /2 /1.41 = 12.0Vrmsとなります。8Ω負荷時の出力は12.0x12.0 /8 = 18Wとなりました。この値は8Ω負荷をこのアンプでAB級動作させた場合の最大出力となります。改めてこのアンプの設計上のA級駆動範囲を算出します。8Ω負荷のA級動作範囲の最大駆動電流は0.38A x2 x2 = 1.52Aとなります。実行値は1.52A /1.41 = 1.08Aとなり8Ω負荷時の最大出力は1.08 x1.08 x8 = 9.3Wと算出できました。という事でこのA級BTL方式のアンプの公称最大出力は8W/8Ωしています。

ケースの調達

今回採用のケースはタカチ電機工業のHY149-43-33SSです。私の製作では初のBTLステレオアンプとなり、大型のケースを採用しました。パネルの加工は初めて共立エレショップ経由で依頼しました。結果はケース見積もり依頼から、加工済みのケース入手に16日かかりました。

結果的に12chアッテネータ製作時のケース入手と全く同じリードタイムとなっています。こちらからのメール発信後に、自動応答ではないメールの返信があり、進捗に安心感がありました。タカチ電機ダイレクトではないので、その分余計な期間がかかったと理解しています。また、発注時のダミーデータを使った注文の仕方が解りにくかった点がマイナスポイントでした。総合的な判断として、リードタイムを半月前提として次回も共立エレショップ経由で加工依頼をしたいとおもいます。肝心の価格ですが、加工費と送料込みで40,920円でした。今回の製作で一番高い買い物となりました。ちなみに、共立エレショップで未加工品のケースを購入すると23,331円です。従って加工費は17,589円と計算できます。12chアッテネータのケース加工を依頼した時の加工費は約18,000円でしたのでほぼ同額となっているようです。次回は届いたケースの梱包を開梱し、加工依頼したリアパネルの確認を行います。

 

つづく(製作編24)