安定化電源製作(評価編8)

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評価編8

三端子レギュレータ版の電源実装が完了したので、ジグの動作確認を兼ねてお試しでマイナス出力の負荷試験を行います。

-12V出力お試し負荷試験

先日の記事で安定化電源+12V出力のお試し負荷試験を行いました。今回は三端子レギュレータ版電源-12V出力のお試し負荷試験を行います。ダミー負荷の回路構成は+電源用と変わりませんが部品の極性のみ異なります。

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前回のお試し負荷試験と同様に、三端子レギュレータ版電源にユニバーサル電源のチャンネル1から+/-16.9Vを供給し、ジグにはチャンネル2から+/-6Vを供給しました。安定化電源の-12V出力をジグに接続し、ダミー負荷抵抗印加電圧と、プリアンプで10倍増幅した12V出力をポケットオシロで観測しました。

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前回のお試し負荷試験と条件を揃えるため、ダミー負荷抵抗印加電圧の平均を-2.0V(平均電流=40mA)、印加電圧の振幅を3.0V(電流の振幅=60mApp)に調整しようとしましたが、マイナス側でダミー抵抗印加電圧(電流)がクリップして調整できませんでした。マイナス側ピーク時の各部電圧は以下となるはずですが、ジグへの供給電圧が+/-6Vのためオペアンプの出力がクリップしている事が原因と考えられます。

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オペアンプの出力波形の確認はしませんでしたが、+/-6Vの電源供給時の+側の最大振幅は+4.7Vを越えますがー側の最大振幅は-4.7V以下と考えられます。正規の測定時は、ジグの電源に+/-12Vを供給する予定なのでこのような事は起きません。今回は仕方がないので、電流の振幅を40mApp(印加電圧振幅を2.00Vpp)に抑えて試験をすることとしました。

負荷試験

最初は周波数1KHz、平均電流-40mA、電流の振幅40mAppに負荷電流を調整しました。ダミー負荷抵抗電圧と、-12V出力変動のモニタ結果は以下のとおりです。

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青の波形がダミー負荷抵抗印加電圧で、黄色の波形が10倍に増幅した-12V出力変動波形です。負荷電流変動40mApp時の出力電圧変動は3.6mVppとなっているので、この条件時の出力インピーダンスは以下の様に算出されます。

Z1KHz = 3.6 x 10^(-3) / 40 x 10^(-3) = 0.09Ω

この結果は、正負出力の違いがあり単純比較はできませんが、自作安定化電源測定結果の0.12Ωと比べてやや良い結果となっています。次に周波数を100KHzまで上げてみました。他負荷条件は1KHz時と同じです。観測波形は以下のとおりです。

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負荷電流変動40mApp時の出力電圧変動は18.4mVppでした。同様にこの条件時の出力インピーダンスを計算します。

Z100KHz = 18.4 x 10^(-3) / 40 x 10^(-3) = 0.46Ω

予想よりも健闘しています。最後に周波数を10Hzに下げてみました。

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負荷電流変動40mApp時の出力電圧変動は2.6mVppでした。出力インピーダンスは以下のとおりです。

Z10Hz = 2.6 x 10^(-10) / 40 x 10^(-3) = 0.065Ω

この結果は自作安定化電源の0.053Ωにくらべやや劣っています。正規の測定は、チャンネルデバイダに現在搭載されている定電圧回路方式の電源を加えて3方式の音質比較をした後で、一通りの測定をしたいとおもいます。次回は自作した安定化電源の位相補償コンデンサの容量の見直しをします。

 

つづく(評価編9)