EL34ppパワーアンプ製作2(まとめ編2)

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まとめ編2

フルレンジユニットを使った動作確認が終わったので、NS-1000Mのマルチアンプシステムへ組み込みます。

ノイズ確認

組み込む前に、出力ノイズを確認しておきます。確認は「真空管アンプのハム対策」で行った方法です。前回の記事で使用したダミー抵抗と、ヘッドフォン接続用のジグをアンプの出力についないで、ノイズをヘッドフォンで聴きます。

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ヘッドフォンを装着して、恐る恐る電源を入れます。しばらく無音が続き、ヒーターが暖まった段階でホワイトノイズが聞こえてきました。ほぼ1号機と同等のノイズ性能です。トランスの配置が悪い場合、電源オンで即座にハムが聞こえますが、このアンプではいっさい聞き取れませんでした。これで安心して1000Mのスコーカーに接続する事ができます。

システム組み込み準備

現行システムは、Midチャンネル用アンプがラックの一番下で、ラック上部にHighチャンネル用のアンプを設置していました。Midチャンネル用アンプの切り替えが容易にできるように、アンプの設置場所を入れ替えて、Midチャンネル用アンプをラックの上に設置しなおしました。

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写真のラック上のアンプが現行Midチャンネル用のDualシングルアンプで、スピーカーの上のアンプが今回製作のA級EL34ppアンプです。設置変更した現行のシステム構成で違いを認識しやすくする為に、しばらく音楽を楽しみました。

システム組み込み

いよいよ製作したアンプを1000Mマルチアンプシステムに組み込みます。一旦組み込んだ後にまた容易にシステム構成を戻せるように、現行のアンプの上に乗せました。

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正面から見た違いは、電源スイッチのみです。この組み替えで、1000Mマルチアンプシステムは下記のブロック構成となりました。

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これでアナログ変換後に、各機器の電源のGNDラインには設計上、信号電流は流れない構成となりました。はやる気持ちを押さえつつ、初めにレベル調整をします。

チャンネルデバイダレベル調整

アンプの入れ替え前後で、アンプのゲインが同じであればレベル調整は不要ですが、下記のとおり、Midチャンネルアンプのゲインがやや上がります。

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2台のEL34ppアンプのゲインはほぼ同じですが、今回入れ替えたMidチャンネル間で、約1.7dBゲインが上がっています。チャンネルデバイダのMidチャンネルとHighチャンネルにはアッテネータ(ボリューム)がありここでレベルバランスを取っています。現行システムのボリューム位置は写真のとおりです。

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通販で購入した剥がせる丸シールをパネルに貼って位置決めをしています。改めてシステムトータルの周波数特性を測定して、丸シールの位置を決めなおします。測定ブロック図は以下のとおりです。

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測定の詳細は2018-03-27「スピーカー周波数特性測定」記事を参照いただきたいとおもいますが、測定用のソフトは「WaveSpectra」(フリーソフト)を使用しています。事前に「WaveGene」(フリーソフト)で作成したスイープ信号を再生して、その音をマイクロフォンで拾って応答レベルをグラフ化します。

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当時はパソコンを2台使用してスイープ信号の再生と応答レベルのグラフ化を別々に行っていましたが、今回は1台のパソコンでWaveSpectraを2つ立ち上げて、それぞれのアプリケーションで再生と応答レベルのグラフ化を行いました。測定時のパソコンは以下のような画面となります。

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作業は、結果を確認してチャンネルデバイダのボリュームを調整する事の繰り返しです。測定環境は無響室ではないので、定在波によるピーク&ディップが発生するので測定結果はレベル合わせのための参考として考えています。上記調整結果は以下のとおりです。

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15KHz以上の周波数域でレベルが下がっているのは、マイクロフォンの特性によります。途中の+/-10dB程度のピーク&ディップには目をつむり大まかに全体のレベルを合わせました。ボリュームの位置出しのシールの色をピンクに変えて貼り直しました。

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これで再生の準備が整いました。次回は待ちに待ったマルチアンプシステムの音だしをします。

 

つづく(まとめ編3)