Behringer CX3400(番外編45)

番外編45

ベリンガー製チャンネルデバイダーCX3400をもらったので使ってみます。

ベリンガー

私が学生時代には聞いた記憶がないメーカーですが、印象はHiFiオーディオというよりも、楽器用ないしはPA機器用を主製品として、低価格が売りのメーカーです。まずはインターネットで調べてみました。ドイツで1989年に設立されたとの事なので、私が学生時代にはありませんでした。社是は「性能は倍に、価格は半分に」との事で、私の印象に間違いはありませんでした。設立後エファクターの製造からスタートし、現在ではPAシステム、マイクロフォン、アンプ、スピーカー、ミキサー、ヘッドフォン等いろんな製品群を扱っています。現在はエレクトリが日本の代理店となっていて日本語の公式ホームページもエレクトリが管理していました。

CX3400

このモデルを上記ホームページで検索すると、クロスオーバー機器としてCX3400 V2が見つかりました。

この製品のエレクトリストア価格が25,300円との事で、価格破壊レベルと感じます。私がもらった製品はCX3400ですので、1世代前のものとなります。

CX3400の情報を探したところ、取り扱い説明書が見つかりました。

はじめに取扱説明書から機能を抜粋してみます。

MONO 4-WAY, STEREO 3-WAY, 2-WAYに対応し、クロスオーバー周波数も実用上必要な周波数範囲を網羅しています。特性は以下のとおりです。

ノイズ比の単位dBuは馴染みがなかったので調べてみました。0dBu=0.775Vで600Ω終端したときに1mWとなる電圧との事でした。機能に話を戻しますが、このように多機能な操作を狭いパネルに組み込む為に、モード切り替えと表示に工夫がされています。

MONO 4-WAY, STEREO 3-WAY, 2-WAYをモードボタンで切り替えて、パネル上部の表示で各ツマミが各モードの時に何の機能となるかわかるようになっています。初見で取扱説明書をみなくても操作できるレベルです。リアパネルも同様な仕組みとなっています。

パネルのつまみは左右チャンネルで同配置となっていて、STEREO 3-WAY設定時は左から以下のとおりです。

・INPUTレベル調整

・LOW/MIDクロスオーバー周波数調整

・MID/HIGHクロスオーバー周波数調整

・LOWディレイ調整

・LOWゲイン調整

・MIDゲイン調整

・HIGHゲイン調整

・MULTIBANDリミッター値調整(パネル一番右の枠外)

システム接続

まずはクロスオーバー周波数のみ現行のマルチアンプシステムと同じ周波数に設定し、各チャンネルの音を聴いてみる事にしました。念のため、各チャンネル1つづつ接続し、NS-1000Mのかわりにフルレンジスピーカーで音聴きをしてみました。音源はEIAJのテストディスクを使用します。はじめにR-ch LOWの音を聴いてみました。音はクリップ状態で歪んでいました。残念ながらこのまま接続はできません。

状況確認

仕方がないので、オシロスコープで波形確認を行います。写真は入力波形とR-ch LOWの出力波形です。

見てのとおり、出力波形が大きくクリップしています。尚、入力波形は250Hz 0dB正弦波で、INPUTレベル、R-chゲインともに0dB設定としています。同じ条件でL-chの出力波形をモニタしてみました。

L-chは問題ありません。仕方ないので中を確認してみる事にしました。

基板は2枚構成で、フロントパネルとリアパネルにそれぞれ平行に固定されています。効率的な配置だと思いますが、多機能をフロントパネル側の基板に実装する為に部品が高密度実装されていました。部品やコネクタの接触不良を疑い、いろんな部分を突っついてみましたが、状況は変わりませんでした。回路図がない中で高密度実装基板の信号を追う事は難しい為、解析を断念しました。現行にシステムにはないdelay機能を使って音の変化を確認してみたかったですが残念です。回路図の入手ができた等、なんらかの変化があったらまた修理を考えてみたいとおもいます。

 

番外編45(おわり)