製作編2
改造したアンプの周波数特性の測定を行い、音を聴いてみます。
周波数特性の測定
周波数特性の測定システムのブロック図は以下のとおりです。
アンプの出力には8Ωのダミー抵抗を接続します。発振器出力をバランス変換器に入力し、バランス信号に変換します。アンプの入力はHot/Coldともに0.2Vppとしました。最初にR-chの測定を行いました。測定時の波形は以下のとおりです。最初はR-ch 10Hzの測定波形です。
上が入力波形で、下が出力波形です。出力トランスの影響と思われますが、波形がやや歪んでいます。続いて1KHzと20KHzの入出力波形です。
0.2Vpp入力に対して2.1Vpp出力なので、ゲインは10.5倍(20.4dB)でした。最後に100KHzと1MHzの入出力波形です。
ゲインは下がっていますが1MHzまで素直な波形です。この結果をグラフ化してみました。1KHz時のゲインで正規化し、改造前と比較してみました。
高域の特性の改善が確認できました。低域はコンデンサ容量の見直しを行いましたがカットオフ周波数が若干上がってます。次にカットオフ周波数の前後比較をしてみます。
高域のカットオフ周波数は、改善後はかろうじて20KHzを越えましたが構想編で行った試算値には届きませんでした。続いて同様にL-chの測定も行います。入出力波形は、10Hz, 20KHz, 100KHzを掲載します。
R-chの結果とほぼ同じです。改造前後の周波数特性の比較を行います。
R-ch同様にカットオフ周波数比較を行います。
L-chの高域カットオフ周波数もかろうじて20KHzを越えました。改めてLR-chの周波数特性の測定結果をグラフ化してみました。
両チャンネルで、特性およびゲインともに揃っています。
試聴
改造前と同様に16cmフルレンジシステムで音を聴きます。試聴システムのブロック図は以下のとおりです。
改造前に比べて高域が特性改善した事が聴きとれます。音は素直な感じで暖かみがあります。中域に厚みが感じられました。比較試聴をしなければ、このシステムでも十分音楽を楽しめます。アイキャッチの写真は試聴時のものですが、改造前は真空管6灯だったものが4灯になっています。ひとしきりCDをとっかえひっかえして音楽を楽しんだので、アンプをEL34ppに変えてみました。音はシングルアンプに比べてはっきりくっきりしてダイナミックに感じます。帯域もシングルアンプに比べて広い事が聴きとれます。参考に周波数特性の比較をしてみました。
改めてシングルアンプに戻してみました。音はプッシュプルアンプに比べてHigh Fidelity面では後退した感じですが悪くはありません。この週末はフルレンジスピーカーとシングルアンプ構成で沢山のCDを聴きました。
おまけ
FostexのFF165WKを使ったスピーカーですが、コーンが向きだしで危険な感じがしたので、純正のグリルを購入しました。
2個セットで6,600円(楽天Joshin Web送料無料)でした。さっそく取り付けてみました。こんな感じです。
見栄えの好みの分かれるところですが、取り扱いが楽になるのでよかったとおもいます。次回はプッシュプルアンプとの音の違いに関してちょっとした実験をしてみたいとおもいます。
つづく(製作編3)