Hi-ch用トランジスタアンプ製作(設計編3)

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設計編3

電源回路を確定します。

終段用電源回路

シャーシ配置の関係で、72 x 47.5mmの基板に実装する必要があります。単純な全波整流によるコンデンサインプット電源ですが、オリジナルの回路は10,000uF/16V電解コンデンサを10個搭載しました。実装スペース上無理なので、改めて秋月電子のラインナップを確認してみました。オーディオ用電解コンデンサニチコンKW 33,000uF/16品が候補として見つかりました。サイズはφ25 x H50mmです。

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配置の工夫は必要そうですが、なんとか実装できそうです。ブリッジダイオードはオリジナルで当初採用したショットキーバリアブリッジダイオードD424SBS6 60V/4A品を選定しました。

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キーパーツは以上で選定完了です。回路図は電圧増幅段と一緒に後で作成します。

電圧増幅段用電源回路

この回路も72 x 47.5mmの基板に実装する必要があります。前の記事でも触れましたが、三端子レギュレータを使った定電圧電源とします。最初に平滑用の電解コンデンサを選定します。配置の関係で基板の短辺に2個並べて配置する必要があるので、φ20mmのものを選定しました。オーディオ用電解コンデンサニチコンKW 4,700uF/50V品です。サイズはφ20 x H40mmです。

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三端子レギュレータは定番のNJM7815FA/NJM7915FAを使用します。これで電圧増幅段用電源のキーパーツの選定は完了です。

電源回路図

上記で選定した部品を反映して回路図を作成します。基本回路はオリジナルの電源と同じです。

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終段用電源出力電圧は、オリジナルに比べてやや高くなりそうです。回路図上では+/-8.9Vとしています。電源ランプは、オリジナルの仕様に合わせて、コンセントインで赤が点灯し、スイッチオンで終段の電源が入り、緑の点灯に変わります。改造後の電源ランプ仕様(下記写真)よりも、こちらの方が気に入っています。

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改造後はコンセントインで赤ランプ点灯、スイッチオンでさらにスイッチ周りの青ランプ点灯です。

終段用電源部品配置検討

上記で決定した回路が想定した基板上に配置できるか検討します。入力は3極端子台です。出力は電源ランプ用に2極端子台と正相と逆相の終段および電圧増幅段用に3極の端子台が合計で4個必要です。ざっと並べてみました。

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配線の効率は悪そうですが、なんとか配置できました。

電圧増幅段用電源部品配置検討

この基板も入力は3極端子台で、出力は電源ランプ用に2極端子台と正相と逆相の電圧増幅段用に3極の端子台が2個です。これも同様に配置してみました。

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余裕はありませんが、わりとすっきり配置できました。三端子レギュレータには放熱器をつけていません。念のため問題ないか確認してみます。アンプ基板1枚あたり約15mA消費します。BTLで30mAとなります。三端子レギュレータへの入力電圧が21Vで出力が15Vなので、電圧のドロップは6Vです。従って消費電力は180mWとなります。三端子レギュレータの仕様書から放熱器なしの最大消費電力を確認します。

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上記のグラフから今回のアプリケーション上放熱器なしで信頼性上問題ない事が確認できました。次回はシャーシの加工図面を作成します。

 

つづく(設計編4)