終段スイッチング電源検討(製作編52)

製作編52

トップカバーに放熱用の穴の加工を行います。

発端

製作編41の記事で、製作中のアンプの温度上昇試験を行いました。温度の確認ポイントは、ヒートシンクとスイッチング電源のフレームです。結果は以下のとおりでした。

開始後70分でスイッチング電源のフレーム温度は60℃を越えていて、65℃くらいで温度平衡となりそうな事が確認できました。また、トップカバーを外すとその温度が約10℃下がる事も確認できました。この結果から、スイッチング電源のフレームの温度を下げる為に、トップカバーに穴をあける方針を決め手いました。当時作成した加工図は以下のとおりです。

加工方法の検討

t=2mmのアルミ板にφ115mmの穴をあける必要があります。まずはホールソーを確認してみました。大穴用のホールソーはありましたが、きれいに穴開けができるか自信がないので、断念しました。

板金加工会社の社長(友人)と飲む機会があり、相談したところ、ドリルでカット線の内側に沢山穴を開けて、あとでヤスリで処理するのがいいとアドバイスをもらいました。手間はかかりますが、堅実なやり方と考えて今回はこの方法をとる事にしました。ドリルのビットはφ4.2を使う前提で加工図を修正しました。

修正点は、穴開けのセンター出し用に、カット線の2.1mm内側に円を書き加えました。この線に沿ってドリルで穴をあける事になります。

穴開け加工

いつものとおり、加工図を自宅のプリンターで印刷する為に、A4用紙用に加工図を見直しました。

A4用紙に必要ば部分が納まるように位置を修正し、トップカバーセンター合わせ用の目印を図面の縦と横に追加しています。図面を印刷し、トップカバーのセンターに目印を合わせて貼り付けました。

続いて、内側の円周に沿って穴開け用にポンチで位置だししました。

間隔は、ドリルの刃のφ4.2に目検討で合わせています。次は、加工図を剥がして穴の円を描きます。以前、サブウーファーを製作した際に購入した大型のコンパスを引っ張り出しました。アマゾンで発注しましたが、中国発送だったため、製作に間に合わずにお蔵入りしていたものです。

見た目以上に、うまく円を描く事ができました。

鉛筆では、擦っただけで消えてしまうので、マジックを使ってフリーハンドで上書きしました。

これで加工準備は完了です。さすがに室内の作業は厳しいと思い、ワークデスクを庭に持ち出して作業します。

穴開けは正直疲れました。最初にφ2.5で穴を開けて、それをφ4.2で拡大しました。全く穴が繋がらないので、可能な部分は、φ7.2のビットでさらに穴を拡大しています。

それでも穴がつながらない部分は、内側にφ4.2で追加で穴を開けて、なんとかカットする事ができました。

後は加工線に沿って削るだけですが、削り作業用にルーターのビットを購入しておきました。

ケチって、ルーターの本体は購入せずにドリルで代用しようとしましたが、まったく削る事はできませんでした。やれやれ・・・。仕方がないので、鉄ヤスリで地道に削るしかありません。正直なところ、大変な作業でした。ヤスリを握る手がボロボロになりながらも、なんとか穴開けを完了しました。見た目を少しでも良くするために、カット面をマジックで黒く塗っています。

次回は、開けた穴に網を張り、使用するか決めていないファンモーターを取り付けてみます。

 

つづく(製作編53)