2019自作アンプで年末を聴く4(番外編38)

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番外編38

2019年に製作した真空管ヘッドフォンアンプで恒例となった年末の番組を聴きます。

概要

あけましておめでとうございます。早いもので「自作アンプで年末を聴く」は、今回で4回目となりました。今回は2019年に製作した真空管ヘッドフォンアンプで年末に放送された「NHK紅白歌合戦」を聴いてみました。アイキャッチ写真は、視聴準備中のものです。今年のお供は安物ですが、シングルモルトのスコッチウィスキーです。最初に視聴に使うヘッドフォンアンプを簡単に紹介します。

6N6PプッシュプルA級ヘッドフォンアンプ

回路図を再掲載します。

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初段は12AX7双三極管を差動アンプ構成のバランス入力とし、終段は6N6P双三極管をプッシュプル構成としています。出力トランスは、出力に16Ωタップを使い、4ΩタップをセンタータップとしてGND接地してバランス出力しています。

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初段は私の製作の定番のGoldenDragon製の12AX7を使っています。終段はロシア製の6N6Pを使用しています。アマゾンで購入しましたが、旧ソビエト時代の軍用オールドストック品との事です。最大損失は4.8W/アノードでヘッドフォンアンプ用には最適だとおもいます。何れ、この構成をベースにHighチャンネル用パワーアンプを設計してみたいと考えています。製作では、電源トランスの漏洩磁束によるハムに苦しみ、最終的に、出力トランスを縦型にアクロバティックな方法で固定して、それを隠す為にトランス用ケースを被せました。

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構成&視聴

番組視聴時のブロック図は昨年と変わりません。HPアンプのみトランジスタアンプから真空管アンプに変更となります。

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HDMIコンバーターは、2017年末に聞いた事のないブランドのものからサンワサプライ製のものに買い直してからは同期の問題は起こっていません。それではさっそく視聴します。あいかわらず、低音がブーストされている印象ですが、しばらく聴いていると慣れてしまいます。紅白の全体的な印象ですが、生放送でこの規模でこれだけのクオリティーで音楽を提供する事はすごい事だとおもいます。但し、全世代を含めて多くの人に見てもらう為の工夫が、正直私にはうっとうしく感じます。個人的な希望を言わせてもらえば、演奏される曲のコメント少々でより多くの演奏を純粋に楽しみたいと思いました。耳にとまった曲をピッックアップしてみます。YOSHIKIとKISSの共演は唐突な感じがしましたがおもしろかったです。ドラムスがダブルは難しいのでしょうか?

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Superfly「フレア」出だしの独唱がすごかったです。MISIAのメドレーも圧巻でした。他、いきものがたり「風が吹いている」、ゆず「栄光の架橋」など耳になじみのある曲もよかったです。それではこれも恒例ですが、2019年の記事を簡単にまとめてみました。

【2019年製作記事振り返り】

2019-01-04 チャンネルデバイダ製作2

2019-04-12 1000Mのマルチアンプ駆動

2019-04-30 真空管HPアンプの製作

2019-08-06 DCパワーアンプ電源改良

2019-11-22 EL34ppパワーアンプ製作2

【2019年番外編記事振り返り】

2019-01-01 2018年末を聴く(番外編28)

2019-06-11 トランス唸り対策(番外編29~30)

2019-07-19 真空管アンプのハム対策(番外編31~35)

2019-10-01 格安オシロの導入(番外編36)

2019-11-26 東京インターナショナルオーディオショウ(番外編37)

11月製作スタートしたEL34ppパワーアンプは、まだ製作途中なので完成製作としては2020年分に含める予定です。つたない文章で恥ずかしいですが、本年も引き続き、よろしくお願いします。

 

おわり(番外編38)

EL34ppパワーアンプ製作2(製作編8)

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製作編8

シャーシ加工と大物部品のシャーシ取り付けが終わったので配線を開始します。

電源1次配線

最初は電源の1次配線を行います。配線の対象部品は、ACインレット、ヒューズホルダ、パドルスイッチ、電源トランス、サージキラーです。ACインレットからフロントパネルのパドルスイッチ間の配線を行います。電線はボトムカバー取り付けフランジの裏側に沿って配線しました。

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パドルスイッチの電極への配線のフォーミングが悪いと、パドルスイッチに力がかかり、パドルスイッチの固定力が弱く、スイッチの取り付けが傾いてしまいます。スイッチに力がかからない用に電線のフォーミングを修正しました。余計な手間をかけないためには、スイッチの取り付け穴径をφ20にすべきでした。スイッチの配線の一端はヒューズホルダへ接続しました。次にトランス1次配線の準備をします。1次巻き線の端子にサージキラーを取り付け、そこにそれぞれACインレットとヒューズホルダ間の配線を行いました。

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これで電源1次配線完了です。

出力トランス2次配線

ここでいきなり出力2次配線を行いますが、この順番には理由があります。先に行った電源の1次配線の通電確認時に出力ハム確認を行う為です。電源トランスと出力トランスの位置関係が悪いと、電源トランスの漏洩磁束を出力トランスが拾って、出力にハムが発生します。今回の配置は、1号機で実績があるので念のための確認です。さっそく出力トランスの2次配線を行います。配線前に出力の中点電位を取る為の100Ωの抵抗を出力間に直列につないで接続しました。

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最終的には抵抗の中点とGNDを接続しますが、この配線は後回しにします。次に出力トランスの2次巻き線(白と黒)を100Ω抵抗を接続したスピーカーターミナルに共締めします。

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共締めしたものの、抵抗が抜けやすい為、最終的に抵抗を電線にハンダ付けしてから共締めしました。もう1方のターミナルも同様に配線を行いました。これで出力トランス配線は完了です。

電源1次配線通電確認

ヒューズホルダに2Aのヒューズをセットして、電源コードをACインレットに接続しました。電源オンしましたが、何も起きない事にホットしつつ、電源トランスの2次巻き線に所定の電圧が出力されている事を確認しました。一旦電源をオフして、出力のハム確認の為の準備を行います。2019-07-23「真空管アンプのハム対策(番外編32)」記事で紹介したスピーカーターミナルヘッドフォン接続用ジグを引っ張りだしました。

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これをL/Rチャンネルともにスピーカーターミナルに接続しました。続いて出力トランスの1次巻き線をショートして1次巻き線をループ状態にします。ジグにヘッドフォンを接続して緊張しつつ電源オンしました。ハムは全く聞き取れません。1号機と同様の特性の確認ができました。

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ここまででシャーシは以下のとおりとなりました。

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ヒーター配線

次は真空管のヒーター配線を行います。AC点灯なので、事前に配線用の電線をヨリました。2本の電線を万力に挟んでひたすら捻ります。

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適当な長さにヨリ上がったところで、配線を行います。最初はLチャンネル終段EL342本へ配線します。一番近い6.3V2次巻き線から最初に内側のEL34用ソケットへ接続しました。

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続いて、配線した端子から一番左のEL34用ソケットのヒーター端子間を配線しました。

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次は、初段12AX7用ヒーター配線を行います。隣の2次巻き線から2個のソケットへ接続します。12AX7はヒーターを2本内蔵し、9pinが共通で4pin/5pinがそれぞれのヒーターに接続されています。9pinをGND側配線として4/5pinを6.3V側に接続しました。

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作業のキリがよくないですが、続きは次回に紹介します。

 

つづく(製作編9)

EL34ppパワーアンプ製作2(製作編7)

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製作編7

ラグ板を取り付けてシャーシ加工を完了して配線の準備をします。

ラグ板取り付け

今回の製作で取り付けるラグ板は以下のとおりです。

・GND配線用6極

・初段配線用4極x2

・電源平滑コンデンサ固定用4極

リップルフィルタ用電解コンデンサ固定用4極

・電源配線用平ラグ8極

初段配線用4極ラグ取り付け

初段真空管配線用に各チャンネルに4極のラグ板を取り付けます。1号機では、初段真空管ソケット取り付けネジで共締めしましたが、今回は真空管の捺印を正面に向けるために、ソケットの取り付け向きを90°変えたので共締めできません。

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そこで最初に開けたソケット取り付け用の穴を縦に伸ばして取り付ける事にしました。一旦ソケットを取り外して、穴を広げて、ソケットを仮止めして取り付けネジとの干渉を確認しました。

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写真右のソケットの上側の穴が加工済みです。同様に左側のソケット脇の穴の加工も行い、ラグ板を取り付けてみました。

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間隔がギリギリで、ラグ板の端をヤスリで削って取り付けました。

GND配線6極ラグ板取り付け

秋月電子で在庫が見つけられなかった為に、マルツオンラインで購入しましたが、誤って小型タイプを購入してしまいました。仕方ないので、前回紹介したBTL_A級DCパワーアンプの電源改良時に取り外したラグ板を流用する事にしました。

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取り付け用ラグ端子を含めて半分の端子が接続されていたので、残り半分を同様に接続してGND用ラグ板としました。

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見栄えは今一つですが、機能を果たせば問題ありません。このラグ板の取り付け位置は、電源トランスと、上で取り付けた初段用ラグ板の間です。現物合わせでφ3.2の穴を開けて、取り付けました。

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なかなかいい感じに取り付けができました。

平滑コンデンサ固定用4極ラグ板取り付け

最初は全波整流用の560uF/400Vの電解コンデンサ用のラグ板を取り付けます。この電解コンデンサは、前回の記事で説明した出力トランス取り付けネジで共締めしたL字金具も固定用に使用します。2つの固定用部品の位置関係が大事なので、初めにラグ板に電解コンデンサを取り付けました。

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この状態で電解コンデンサのボディーをL字金具に合わせて、ラグ板の取り付け位置を決めました。固定用にφ3.2の穴を開けてラグ板を取り付けます。さらにその状態で、L字金具の2つの穴にインシュロックを通して、電解コンデンサのボディーをL字金具に固定しました。インシュロックは長さが足りない為、2本を直列につないで使用しています。

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リップルフィルタ用ラグ板取り付け

続いて、リップルフィルタ用の100uF/400V電解コンデンサ固定用のラグ板を取り付けます。取り付け位置は、上で取り付けた電解コンデンサと電源トランスを挟んだ反対側です。次に取り付け予定の電源配線用の平ラグとの干渉を避けるため、一緒に加工する事にしました。ラグ板に電解コンデンサを取り付けた状態で、平ラグと干渉しない位置にそれぞれの部品の固定用の穴を開けました。

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平ラグ取り付け用の穴にスタッドを2本立てて、平ラグとラグ板をシャーシに取り付けました。

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トランジスタ取り付け穴加工

最後は、リップルフィルタ用のトランジスタ取り付け穴を開けます。込み合った部分への取り付けなので、実際にトランジスタを置いて位置だしをしました。

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これでシャーシ加工は全て完了しました。次回は配線をスタートします。

 

つづく(製作編8)

EL34ppパワーアンプ製作2(製作編6)

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製作編6

引き続きシャーシの組立を行います。今回はトランス取り付けからスタートです。

出力トランス取り付け

出力トランスはソフトンのRX-40-5です。ソフトンのトランスは今回で3回目の使用となります。特性も良く、音も気に入っています。商品としてのまとめも丁寧で、親切な取り扱い説明書と電線処理用の部品が添付されています。

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トランス取り付け前に未使用電線の処理をします。下記はRX-40-5の電線仕様です。

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具体的には、今回の製作では使用しないUL接続用の電線の処理を行います。UL接続は今まで1度も行った事はありませんが、ネット上の説明によると5極管接続と3極管接続の中間の特性とされています。確かに、スクリーングリッドの接続が3極管接続はプレートに5極管接続はB電源に、UL接続時は出力トランス1次巻き線のタップからとイメージ的にも中間となっています。このトランスの場合、タップ位置は1次巻き線の50%位置となっています。

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特性の特徴は5極管接続時は大きなパワーが取り出せる代わりに内部抵抗が大きく、3極管接続時は反対に取り出せるパワーは下がりますが、内部抵抗が小さくなります。UL接続は特性もこの中間となるとの事です。私の場合、パワーはそこそこでいいので、ダンピングファクターを考えて3極管接続を採用しています。横道にそれてしまいましたが、端末処理に戻ります。ケース固定用のネジ4本を外してケースを取り外します。ネジを外したものの、ケースがいっこうに外れません。仕方ないので、トランスをシャーシに仮止めしてケースを引っ張ったところ外れました。

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UL接続用の電線は青と緑です。被覆が剥かれている端末をカットして、付属の閉端接続子を使って絶縁処理をします。

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処理した電線をケースに収まるようにフォーミングして、付属のインシュロックで束線しました。

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元通りカバーを被せてネジ止めすれば完成です。もう1つのトランスも同様に処理をしました。処理が完了したトランスをシャーシに取り付けます。取り付けには付属のM4のネジを使用します。シャーシ下面からみて左のトランス取り付けの際に、手前センターよりの固定部にL字金具を共締めしました。

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これは電源平滑用電解コンデンサ固定用に後で使います。シャーシ上面はこんな感じです。

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電源トランス取り付け

電源トランスの取り付け確認は1度行っているので、問題ありません。取り付け前にコア固定用のネジの増し締めを行いました。取り付け時の注意点としては、固定用のネジ部に平ワッシャ2枚とバネワッシャが入っているので、シャーシを平ワッシャで挟みこむように取り付けます。電源トランスを取り付けると、完成時のイメージにぐっと近づきました。

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出力トランスの電線をフォーミングしてインシュロックで束線したら、トランスの取り付けは完了です。

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先ほど取り付けたL字金具脇に電解コンデンサを置いてみました。(本記事のアイキャッチ写真参照)本取り付け時は、L字金具の穴にインシュロックをとおして、電解コンデンサのボディーを固定する予定です。大物部品の取り付けはこれで完了です。部品取り付け時の変更をシャーシ加工図に反映したので、参考に掲載します。

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次回は、配線に必要なラグ端子板を取り付けます。

 

つづく(製作編7)

EL34ppパワーアンプ製作2(製作編5)

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製作編5

加工が完了したシャーシに部品を取り付けます。

スタッド取り付け

前回最後に紹介した電源基板取り付けですが、リアパネルのACインレットとヒューズホルダと基板実装部品が干渉するため、基板位置をできるだけシャーシ側に近づけます。この為、スタッドは5mm長のものを選択しました。5mmのスタッドを基板固定用に4本取り付けます。次は終段バランス調整回路基板の取り付け用スタッドです。ボリュームの基板上の高さが約10mmなので、10mm長のスタッドを選択しました。基板2枚分で合計4本取り付けました。

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真空管ソケット取り付け

最初に初段用の9pinソケットを取り付けます。今回は今まで何も考えずにソケットの向きを決めてしまいましたが、真空管の捺印の向きが気になり、確認してみました。

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写真のとおり5pin側に捺印がされていました。現状のシャーシ加工どおりにソケットを取り付けると捺印が横を向いてしまいます。あまり拘る必要もないとおもいつつ、ソケットの取り付けを90°変えて取り付けられるようにネジ穴を追加で開けました。すでにソケット前後に開けてある穴は塞ぐ事はできませんが、放熱用の穴と考える事で割り切りました。

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続いて8pinソケットを取り付けます。EL34も念のため捺印の向きを確認しましたが、現状のソケット取り付け向きで問題はありません。EL34はGT管でベースセンターにあるベースキーの位置が手前になるようにソケットを取り付けると捺印がほぼ正面になります。4個のソケットを向きに注意して取り付けました。

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チップジャック取り付け

チップジャックは調整時の電圧確認用に取り付けます。そのままテスターのテスト棒がささる形状です。全部で6個取り付けますが、最初は終段真空管のプレート電圧確認用のジャックを取り付けます。今回は在庫対応したため、ジャックの色が3種類のみです。この部分には赤と白を採用しました。

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反対側も同様に取り付けました。残りは電源基板脇のB電源とGND用のジャックです。ここには赤と黒を採用しました。写真は全6カ所を取り付けた状態です。

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残るシャーシ上面の部品はトランスですが、重いので取り付けは後回しにします。

フロントパネル部品取り付け

フロントパネルには、電源スイッチ、電源ランプ、ハンドル2個の計4部品を取り付けます。電源スイッチ取り付け前に効果があるかわかりませんが、回り止めの加工をしてみました。

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平ヤスリの横を使って簡単に加工できました。パドルスイッチをノッチ部分を合わせて挿入したところいい感じに固定できました。これで接着等の加工は不要です。

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リアパネル部品取り付け

リアパネルの部品取り付けに関しては特に追加で考える点はありません。黙々と取り付けるのみです。唯一、スピーカーターミナルの取り付け向きを、後の配線のしやすさを考慮して、電線の挿入口がシャーシ下面から見えるように取り付けました。

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ハンドル取り付け用のナットの一部の締め付けがパネル形状によりうまくできずに、その部分についてはシャーシ外側のナットを締めて固定しました。

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ここまで部品を取り付けると壮観です。次回はトランスの取り付けを行い、配線を開始します。

 

つづく(製作編6)

EL34ppパワーアンプ製作2(製作編4)

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製作編4

引き続きシャーシの加工を続けます。

シャーシ加工続き

前回、シャーシパンチを使って合計8個の穴を開けました。おかげで全身筋肉痛です。今回は、ハンドニブラを使って電源トランス用の角穴開けから始めます。ハンドニブラの刃の形状から切り取り線に忠実にカットできる向きが決まります。やや作業性は悪いですが、シャーシ内から刃を挿入しました。

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1回レバーを握ると約1mm分カットできます。握力強化用のハンドグリッパのごとく、ひたすら握り続けます。角を曲がり、カット位置がリアパネルに近づいた時に、グリップがリアパネルのフランジに当たってしまい、それ以上カットできなくなってしまいました。仕方がないので45°向きを変えてリアパネル側のカットラインにカット位置を寄せてカットラインに届いた時点で再度向きを変えてカットラインに沿って切り進みました。1周カットした時点で先ほど切り残した部分を別の向きからカットして穴開けを完了しました。写真にカットしたアルミ板も写っていますが、左奥の形状が苦労を物語っています。

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その後、ヤスリでカットラインを整えて角穴開けは完了です。

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カットした部分に電源トランスを入れてみました。角穴は問題ありませんでしたが、固定用のネジ穴が合わず、装着できませんでした。ネジ穴をヤスリで削りなんとか装着できました。

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これでシャーシの穴開け加工は完了です。

部品実装確認

一部の部品は、シャーシを加工しながら部品の実装確認を行いましたが、まだ未実施の部品の実装確認を行います。最初は出力トランスの確認を行います。このトランスの固定はM4ネジ4本です。表面の処理がきれいなので、慎重に作業しました。案の定ネジ穴の位置の微調整が必要で、ヤスリで削って調整しました。装着確認は膝の上にトランスを逆さに置いて、上からシャーシを被せる形で行いました。ズボンはジャージでしたが、それでもトランスのトップにわずかにキズを付けてしまいました。手を抜いた事を悔みつつ、トランスのトップに保護用のダンボールを被せました。

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反対側の取り付けも同様の対応を行い、出力トランスの装着確認は完了です。次は、終段入力のバランス調整回路基板の装着確認を行います。この基板は両面スルーホール基板で、ボリュームのみハンダ面に実装し、シャーシ上面からバランス調整できるようにしています。基板は未実装のため、ボリュームのみを実装位置にセロテープで仮止めし、スタッドを基板に取り付けてシャーシへの取り付け確認を行いました。

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シャーシへの取り付けは、問題なくできましたが、ボリューム位置が僅かにズレていたため、スタッドの取り付け穴を加工して位置を合わせました。写真は仮止め基板をシャーシに取り付けた状態です。

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反対側も同様の対応を行い調整用基板の取り付け確認は完了です。最後は電源基板の取り付け確認を行います。この基板は実装スペースの関係で、電源トランスとオーバーラップしています。その為4点の固定穴のうち2点のみを使用して、残り2点はオーバーラップしない位置に固定用の穴を開けて取り付けます。初めに本来の取り付け穴2点を使って基板を取り付けてみました。

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問題なく取り付けができました。この状態でトランスとオーバーラップしない様に固定用の穴開け位置を決めます。基板を一旦取り外し、決めた位置の基板上にφ3.2の穴を開けました。ドリルの刃を駆使して手作業で穴2点を開けました。

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加工済みの基板をシャーシ上面に2点の取り付け穴に合わせて置きます。

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上で開けた穴位置のセンターにマジックで印を付けて、基板を取り外してシャーシにφ3.2の穴を開けました。元の穴2点と、ここで開けた2点にスタッドを立てて、基板を仮止めしてみました。

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いい感じに取り付けできました。これでひととおり、部品取り付け確認は完了です。次回は、実際に部品を取り付けて組み立てを行います。

 

つづく(製作編5)

EL34ppパワーアンプ製作2(製作編3)

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製作編3

フロントとリアパネル加工が終わったのでシャーシ上面の加工を行います。

加工図面確認

設計編で、すでにシャーシ上面の加工図は作成していますが、加工前に取り付け部品の現物で寸法の再確認します。特に、真空管ソケットはブランド品ではなく、その都度アマゾンで良さそうな物を見つけて発注しているため注意が必要です。今回も8pin, 9pinともに中国から国際郵便で届きました。さっそく現物の寸法確認を行います。

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確認の結果以下のとおり穴寸法を見直しました。

・9pinソケット穴径:φ22をφ21に変更

・8pinソケット穴径:φ31をφ25に変更

他の部品は図面を再確認しました。ソフトンの出力トランスの電線の引き出し穴径をφ31からφ30に変更します。組立上の影響はありませんが、ホーザンのシャーシパンチ径がφ30なので都合が良い為です。念のため、調整用のボリュームの径も確認したところ、φ8で問題なさそうなので変更します。加工図面は取り急ぎ赤ペンで変更数値を記入して、加工図の修正は後で行います。修正図面は、シャーシ完了時に他で発生した変更も反映して掲載します。

ドリル加工

加工図を外形に沿って切り取ります。両サイドはさらにトップカバー取り付け用のフランジ部を切り取ります。それをシャーシ上面に貼り付けました。

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ポンチで加工部穴のセンターと、角穴の4角および、ハンドニブラの刃を入れる部分1点に印をつけました。加工図を剥がし、角穴の4角の点をマジックで結んで切り取り線を描きます。

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リアパネル加工時に2mmのドリルの刃が折れて、パネル面にキズをつけてしまいましたが、改めてドリルの刃は消耗品と認識しました。取り急ぎ折れた2mmと良く使う3.2mmの刃を購入しました。

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最初に2mmの穴を開け、次にM3ネジ固定用穴のみφ3.2に径を広げました。

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今回は終段管の放熱穴も追加したので、加工点数が多く大変です。次に残るφ2の穴はφ4.2のドリルで穴径を広げました。

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M4ネジ固定用穴(トランス3個固定ネジ))と放熱用の穴はこれで加工完了です。それ以外の穴はステップドリルでさらに穴径を広げます。チップジャック用の穴はφ6に、ボリュームの穴はφ8にそれ以外はφ10まで広げました。

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シャーシパンチ加工

最初に終段用ソケットの穴加工を行います。穴径はφ25です。また辛い作業が始まりますが、シャーシパンチをセットします。

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写真のとおり、φ25の刃はハンドル側取り付けとなるので、シャーシ上面のキズの心配は低いです。穴が開く直前のハンドルの負荷がとにかく大きく、なんとかしたい物です。それでもなんとか開きました。

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続けて残り3個のφ25の穴を開けました。

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次の写真は、φ25の穴を3個開けた状態のシャーシ内部です。ドリル加工の穴はバリが残っていますが、後でまとめて処理する予定です。

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次は初段真空管用ソケットの穴開け加工を行います。穴径はφ21です。φ21の刃はハンドルと反対側取り付けのため、シャーシ内側にハンドルをセットしました。

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少々やりずらいですが、大きな問題はありませんでした。穴開け後にソケットを取り付けようとしたところ、穴がやや小さかったため、ヤスリで後加工を行い、無事装着する事ができました。

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残りもう1カ所シャーシパンチで穴開けして後加工を行いました。最後に出力トランスの電線引き出し用の穴を開けます。穴径はφ30です。さらに力が必要でしたが何とか穴開けできました。

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これでシャーシパンチを使った加工は完了です。次回もシャーシ加工を続けます。

 

つづく(製作編4)