DACユニットの製作(製作編4)

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製作編4

ボトムシャーシの加工を進めて基板を取り付けます。

穴位置調整

最初はマイコン基板の取り付け確認です。arduino UNOの基板取り付け穴は4カ所ありますが、位置指定は起点からインチ指定となっていました。CADの指定はミリ単位なので、誤差を含む前提で作図して、穴開け時に補正を行いました。取り付け穴4カ所中の1カ所は実装部品と取り付けネジが干渉するため、固定は3カ所としました。また取り付け穴の近傍までパターンが配置されているため、樹脂スペーサと樹脂ネジで固定しました。

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次は標準基板を使った電源基板2枚の取り付け確認です。穴位置を調整(ヤスリで削る)しないと取り付けができません。調整には思いの外時間がかかりましたが、無事取り付け確認ができました。

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続いてデジタル入力絶縁基板の取り付け確認を行います。ブレッドボードから対象基板を取り外して確認を行います。

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次はDAI基板の取り付け確認です。この基板も穴位置が0.5mmグリッド上に表現できなかったため、穴開け時に位置補正を行いました。

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次はDAC基板2枚の取り付け確認を行います。初めて穴位置は調整せずに取り付け確認ができました。

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ここまでくるとあと一息ですが、さすがに同じような作業に飽きてきました。続いてIV変換基板の取り付け確認です。

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基板最後は、平衡不平衡変換基板取り付け確認です。この基板も標準基板を使用しています。

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基板の取り付け

穴位置調整を完了した穴にスタッドを立てて基板を取り付けていきます。写真は電源基板と平衡不平衡変換基板を取り付けた状態です。

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配線長の調整は、後で一括で行う予定ですが、基板実装後に作業性が悪くなりそうな部分のみ、基板取り付け時にに調整を行う事とします。平衡不平衡変換基板の電源配線は長さを調整しました。

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次はもう1枚の電源基板を取り付けました。

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さらに残りの基板を全て取り付けました。

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配線長の見直しを行っていないので、電線が這い回っています。念のため、この状態でケースのフレームを被せてみました。(本記事のアイキャッチ写真参照)ボトムシャーシをフレームに収めると、緻密な印象に変化しました。

マイコン基板実装

今回取り付けたarduino UNOは、ブレッドボードで使用していたものと異なります。ブレッドボードで使用した基板はデバッグ用に残す為です。組立前にソフトを書き込む必要がありますが、書き込み前に改めてソースを再確認しました。現状、LCDのSetCursorコマンド後のwaitを直値指定で5msで設定していますが、CursorDelayで宣言して一括設定できるように変更しました。

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同時に設定値を5msから3msに変更しました。パソコンとarduino UNOをUSB接続してバイナリをダウンロードします。

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マイコン基板を新しくしたため、動作確認が必要と考えて先にマイコンの周辺回路を完成させる事にしました。まずはスイッチ配線を行います。3つのスイッチとバニラシールド上の端子台間を接続します。スイッチの並びは、右からアッテネータ、位相反転、ΔΣ変換のfs倍率切り替えとしました。

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マイコン基板側はこんな感じです。

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あとで接続がわからなくならないように、電線にタグをつけました。次回はボトムシャーシとフロントパネルを簡易的に組み立ててマイコン基板の動作確認から再開します。

 

つづく(製作編5)

DACユニットの製作(製作編3)

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製作編3

アクリル板の取り付け方法に問題が発生したため、取り付け方法を再検討します。アクリル板取り付け確認後、ボトムシャーシの加工を行います。

アクリル板取り付け再検討

日を改め気をとりなおしましたが、さてどうしたものか・・・。幸いアクリル板の端材からもう1枚フロントパネルが製作できます。固定用のビスを内側にずらせば、取り付けはできますがデザイン上いまいちなので決心できませんでした。しばらく考え、いっその事取り付けネジをなくしてしまい、アクリル板の固定をアクリル板に取り付けるSW4個で行う事にしました。この方法であれば、アクリル板の加工図を作成し直す必要はありません。端材をカットしてSW取り付け用の穴を開けしました。

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写真は電源SW用の穴をφ15のホールソーで開け、モーメンタリーSW用の3個の穴をφ8のアクリル用のビットで開けた状態です。次は電源SW用の穴をヤスリで削りφ15.8まで拡大しました。

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続いてモーメンタリSW用の穴をリーマーで削り、φ11.8まで拡大しました。

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加工が終わったアクリル板をアルミパネルに被せて、4つのSWで固定し、さらにそれをフレームに取り付けて取り合いの確認をしました。

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いい感じに取り付けられました。アクリル板の保護紙を剥がすとこんな感じになります。

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さらにいい感じですが、アルミパネルに開けたアクリル板取り付け用の穴と、LCDパネル取り付け用の穴が目立ちます。隠す方法がないかとネットを検索したところ、手頃な物が見つかりました。マイタックφ8の丸シール(銀)です。

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楽天で購入しましたが、シール単品購入の為、シールとほぼ同額の送料がかかってしまいました。とほほ・・・。さっそくアルミパネルにシールを貼ってアクリル板を取り付けてみました。

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完全ではありませんが、目立たなくなりました。パネル背面はこんな感じです。

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LCD点灯確認

せっかくここまで組立たので、LCDの表示を確認したくなりました。少し強引ですが、ケースの上にブレッドボードを乗せて点灯させてみました。

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バックライト用のLEDの光漏れの手当をしていませんが、問題なさそうです。さらにせっかくなので、電源SWの電源ランプも点灯させてみました。(本記事のアイキャッチ写真参照)これを見てしまうと早く完成させたくなりますが、でも焦りは禁物です。

ボトムシャーシ加工準備

改めてボトムシャーシの加工図を掲載します。

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丸穴のみなので難易度は低いですが、取り付ける部品が多いため、穴数が多く手間がかかりそうです。加工図はA3用紙に印刷しましたが、前後方向がA3用紙ぎりぎりのため、前後方向の外形線が印刷されていません。

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前後方向の寸法はシビアではないため、サイドのみ外形線でカットしてボトムシャーシに貼り付けました。念のためこの状態でフレームにセットしてみました。

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フロント、サイド、リアパネルと取り付け部品のクリアランスは、フレーム分を有効寸法で考慮しているので取り合いに問題はなさそうです。

ボトムシャーシ加工

他パネルと同様に穴のセンターにポンチで印を付けて、最初にφ2の穴を開けました。

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ドリルの刃をφ3.2に交換して、全ての穴を拡大しました。

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この時点でヘアライン処理をした面の透明な保護シートを剥がしました。ドリルで開けた穴はバリがあり後加工が必要です。最初は丸棒のヤスリで処理していましたが、加工に時間がかかるため、φ4.2のドリルの刃を使って手作業で面取りを行ってみたところうまくいきました。次回は穴位置を調整しながら基板の取り付け確認を行います。

 

つづく(製作編4)

DACユニットの製作(製作編2)

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製作編2

なんとかLCDパネルの取り付け加工が終わったので、フロントパネルの残りの加工を行います。

モーメンタリーSW取り付け穴加工

前回の記事の写真のとおり、電源SWの穴可能はすでに終わっています。残りはモーメンタリーSW3個の取り付け用の穴加工です。たけのこでφ8の穴を開けたので、それをリーマーでφ9.8まで広げます。地道な作業ですが、1つめの穴加工が完了しました。

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残りの2カ所も同様に加工を行いました。3個のSWを取り付けてみました。

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今回は3つのSWを黒に統一したので、12chアッテネータのパネルの印象と異なりシックな感じがします。

アクリル板加工

今回のケース製作で一番の難関のフロントパネル用のアクリル板加工を行います。アクリル板の加工図を再掲載します。

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外形の幅はフロントパネルと同サイズで、高さは有効寸法です。アルミフロントパネルとの高さの差は5mmで、フロントのアルミパネルが上下のフレームに2.5mmづつハマまる構造に起因しています。アクリル板の加工前に加工図を外形に沿って切り抜き、加工済みのアルミフロントパネルに合わせてみました。

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意図どおりの寸法となっている事が確認できました。さらにその加工図をアルミパネルに貼り付けて、ケースのフレームに取り付けてみました。

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やや加工図が撓んでいますが、おおむね問題ありませんでした。アクリル板の加工図に問題がなかったので、アクリル板の加工を行います。初めにアクリル板の保護紙に外形寸法のカット線を引きます。

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カット線に金属の定規を当て、プラ板用カッターの先端で保護紙をカットします。続いてプラ板用カッタの刃のアゴの部分でアクリル板をカットしていきます。カッタを引くと、鉋クズのような樹脂のクズがでます。切り込みが板厚の1/3くらいまでこの作業を繰り返します。切り込みが板厚の1/3になった時点で手で割ります。アクリル板の直線カットは案外楽です。同様にもう1辺もカットします。カットしろが約1cmなので切り込みを深めに入れて、ラジオペンチで割りました。念のため、ケースのフレームに干渉しない事を確認します。

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フレームに取り付けたアルミフロントパネルにカットしたアクリル板を被せてみました。アルミパネルへの取り付け位置さえズレなければフレームと干渉しない事が確認できました。続いて穴開け加工を行う為に加工図をアクリル板に貼り付けます。穴開け箇所は、アクリル板固定用のφ4.2の穴4個と、モーメンタリーSW用のφ11.8の穴3個と電源SW用のφ15.8の穴1個です。最初はφ4.2の穴を開けます。アクリル板用のφ4のビットを使ったのできれいに穴が開きました。

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やすりで穴径をφ4.2まで拡大し、M4ネジが入る事を確認しました。次はφ11.8の穴を3個開けます。ビットをアクリル板用のφ10に交換して穴開けしました。アクリル板用のビットとはいえ、さすがにφ10の穴開けは厳しく、穴が開く直前で刃が材料に引っかかりきれいに穴開けができませんでした。無理をせずに後でやすりとリーマーで穴を整えます。最後は電源SW用にφ15.8の穴開けです。今回初めてホールソーを使ってみました。

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マキタブランドのφ15のものです。ドリルを低速で回して根気よく穴開けを行ったところ、案外簡単にφ15の穴があけられました。

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電源SWの取り付け確認は後回しにして、この状態でフレームへ取り付け確認を行います。M4ネジ4点でアクリル板をアルミパネルに取り付けます。さらにそのアルミパネルをケースのフレームに取り付けようとしたところ、フレームのフロントパネル固定用のフランジの上下がアクリル板取り付け用のネジと干渉して取り付けられない事がわかりました。

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またしてもやってしまいました。メーカー図面の有効寸法を信用して確認を怠った事を悔やみましたが後の祭りです。この日もあまりのショックでここで作業を止めました。次回はアクリル板取り付けのリカバリを行います。

 

つづく(製作編3)

DACユニットの製作(製作編1)

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製作編1

引き続きリアパネルの加工を行い、続いてフロントパネルの加工を行います。

ACインレット用穴加工

ACインレット取り付け用の角穴の四すみにポンチで印をつけましたが、その印を結んでカット線を描きます。

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四角の中にハンドニブラ挿入用のφ10の穴を開けていたので、そこからハンドニブラでカット線に沿ってカットしていきます。1回握るごとに約1mmカットできます。まるで握力トレーニングの様相で、ようやくカットが完了しました。

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ハンドニブラは、カットした縁にキズがつくので使用に当たっては注意が必要です。今回はACインレットのフランジで隠れてしまうので、気にせず使用しました。これでリアパネルの加工は全て完了です。念のため、全部品を取り付けてみました。

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なかなかいい感じに仕上がりました。せっかくなのでリアパネルをフレームに取り付けてみました。

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さらにいい感じになりました。

フロントパネル加工

続いてフロントパネルの加工を行います。加工図を再掲載します。

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中央の長方形部分はLCDパネル表示用の穴です。加工前に念のため表示の視認性の確認を行います。方法は加工図の表示用の穴を切って開けてLCDパネルに被せて表示の様子を見てみました。

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ブレッドボードにカットした加工図を被せた為に、加工図が歪んでいますが視認性に問題ない事が確認できました。リアパネル加工時と同様に、加工図を2枚に分けて印刷してパネルに貼り付けました。

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穴のセンターおよびLCD表示穴の四すみにポンチで印を付けて加工図を剥がします。

LCD表示用穴加工

最初に一番の難関のLCD表示用の穴加工を行います。LCDパネル取り付け用の4つの穴径をφ2.6に広げて、皿ネジがパネル面に収まる用に加工します。加工はφ7.2のドリルのビットを使い人力で皿部の加工を行いました。親指に血豆ができる程大変でしが、なんとか仕上がりました。

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皿ネジがいい感じでパネルに納まっています。4カ所の加工が終わったのでスタッドを取り付けてLCDパネルを合わせてみました。あ~!

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スタッドの取り付け間隔が約5mm狭く、LCDパネルが取り付けられませんでした。あれほど苦労して開けた穴が徒労と化しました。やれやれ。原因は図面に穴間隔を設定した際に、それをLCDパネルの基板の外形寸法としてしまい、そこからそれぞれ内側に2.5mmずつ寄せて穴を設定してしまったようです。加工前に確認が漏れたのは、LCDパネルをブレッドボードに取り付けた状態を維持したかったために確認を省略していました。まるで不運の連鎖です。あまりのショックでこの日の作業はここで止めました。

LCDパネル取り付け加工リカバー

救いは、フロントパネルとはいえスモークのアクリル板で覆われるためパネルに後が残る後加工も可能です。今回のパネルは上下が対称なので、裏表を変えて正規の位置に追加で穴加工をトライしてみたいとおもいます。その前に修正版の加工図を作成しました。

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修正版の加工図を印刷カットしてフロントパネルの裏面に貼り付けました。すでに4点止めはあきらめて2点止めに切り替えました。ポンチで印をつけた時点で、このリカバリー案に無理がある事がわかりました。先に開けた穴との距離が近すぎて追加で穴開けができません。仕方がないので、先に開けた穴をヤスリで加工して必要な位置にスタッドが立てられるように修正しました。続けて表示用の角穴も開けました。動揺が酷く必要な写真を撮り漏らしています。

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ようやくLCDパネルの取り付けができました。

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但し、スタッドが所定の位置に立たずにパネルが傾き、何度も取り付け穴を追加加工しました。ようやく傾きの補正が完了したので、LCDパネルを点灯させて表示の確認をします。加工したフロントパネルをケースフレームに取り付けて、ブレッドボードをフレームの上に乗せてLCDパネル配線を行いました。表示はこんな感じです。

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すごく苦労しましたが、なんとか表示確認ができました。次回はフロントパネルの加工の続きから再開します。

 

つづく(製作編2)

DACユニットの製作(設計編3)

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設計編3

フロントパネルに取り付けるアクリル板の加工図を作成します。本記事は設計編ですが、紙面の関係でリアパネルの加工に着手します。

アクリル板取り付け検討

今回のケース作成時の最大の難関です。12チャンネルボリュームユニットで一度行っていますが、表示パネルとケースが異なる為に同じ対応がとれません。まずはスモークのアクリル板の調達です。前回と同じものを近所のスーパービバホームで購入しました。

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写真のとおり、厚みは2mmで光の透過率は19%のものです。この板のサイズは今回のパネル外形長辺に対してほんの少し余裕がある程度です。これを格好良くフロントパネルに取り付ける必要があります。最初に固定用の飾りネジを探してみました。アマゾンと楽天でで検索語を工夫していくつか候補を選びました。

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安い商品なので、どれも割高でした。12chアッテネータで採用したものとほぼ同形状の写真右のネジを採用する事にします。次はLCDパネル固定用のネジを探します。基板の取り付け穴の制約で、M2.6のスタッドを使用せざる得ません。M2.6のマシンネジは選択肢が少なく格好いいものがみつかりませんでした。またアクリル用のビットも探してみましたが、M3以下のものがみつかりませんでした。樹脂用のビットはいくつか見つかりましたが、アクリル等の割れやすい材質非対応のコメントがついていました。しばらく考えて、今回は皿ネジを使用してネジをアクリル板の下に隠す事にします。t1.5のアルミパネルに皿ネジの加工がうまくできるかが懸念点です。あとは電源SWとプッシュSW用の穴あけです。

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電源SW固定部の径はφ15.8でプッシュSWの径はφ10.8でした。この穴あけの為にφ10とφ12のビットを用意する予定です。φ12がアクリル板用ビットの見つけられた最大径です。φ12以上は私のリーマーでは対応不可なので、やすりで地道に広げるしかありません。以上の方針を整理すると、必要な穴は、アクリル板固定用のφ4.2の穴4カ所、電源SW用のφ16、プッシュSW用のφ11の穴3カ所の計8点になります。

アクリル板加工図

上記を加工図として起こします。アクリル板の外形は、幅はパネルと同サイズで高さは有効寸法です。この寸法で問題ない事を、事前に紙をカットして確認する予定です。以下が作成したアクリル板の加工図です。

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リアパネル加工

自宅のプリンタは、A3用紙対応していないため、加工図をいつものとおり右用と左用に分けて印刷しました。

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2枚の加工図を外形寸法に沿ってカットします。

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カットした2枚をパネルの外形に合わせて貼り付けますが、その際に1つの部品の取り付け穴が2枚の加工図に跨がらないように加工図をさらにカットして貼ります。

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各穴のセンターと、ACインレット用の角穴の四すみにポンチで印を付けます。

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加工図を剥がして、角穴の四すみ以外にドリルで穴をあけます。部品のネジの取り付け穴はφ3.2、RCAピンジャックはφ8、XLRパネルコネクタはφ10、ヒューズホルダはφ12の穴をあけました。次はシャーシパンチを使ってXLRコネクタ取り付け用のφ25の穴をあけます。ドリルであけたφ10の穴にシャーシパンチをセットして後はひたすら力技で捻っていきます。

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いつも思いますが、この力作業はなとかならないものでしょうか?2個の加工が終わり、XLRパネルコネクタを取り付けてみました。

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いい感じで取り付けられました。次はヒューズホルダ取り付け穴の加工です。φ12の穴を上下を削って長径が13mmの楕円となるようにヤスリで削りました。

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次はデジタル信号入力用のRCAピンジャックの穴の加工をします。φ8の穴をあけたのでリーマーでφ9.4まで広げます。

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シャーシパンチ程ではありませんが、この加工も疲れます。無事穴加工が終わりピンジャックを取り付けてみました。

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白い絶縁板がアクセントになっていい感じです。次回はACインレット取り付け穴加工から再開します。

 

つづく(製作編1)

DACユニットの製作(設計編2)

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設計編2

選定したケースを購入し、フレームの組立を行って構造確認を行った上で、パネルの加工図を作成します。

ケース購入

パネル加工を依頼すると、購入先が限定されてしまいますが、今回は加工依頼がないので、自由に探せます。まずはアマゾンで対象型式の検索をかけたところヒットしました。定価販売でした。続いて楽天で検索をかけたところ、数件ヒットしました。以前も購入実績があり、比較的価格が安かった測定器・工具のイーデンキに発注しました。このショップはキャンセル不可で、メーカー直送対応です。

フレーム組立

入手まで時間がかかる事を心配しましたが、数日で到着しました。

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写真は輸送梱包です。あけてみました。

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中には緩衝材と本来の梱包状態の商品が納められています。非常にコンパクトな梱包です。さらに梱包をあけてみます。

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ケースのアルミ材がエアキャップにくるまれていました。これで材料にキズがつかないようにしているため、工夫されているとおもいます。

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中には組立説明書が入れられていますが、おおよそ構造を把握しているので参照せずに組立できます。最初に2枚のサイドパネルの両端にフレーム固定用のフランジ金具を取り付けます。

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下の写真の左は4本あるフレームの2本です。次はこの2本のフレームで2枚のサイドパネルを連結します。

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残り2本のフレームを取り付けると、フレーム構造が完成しますが、フレームを取り付けるとパネルが取り付けられない為、1本のみを取り付けました。写真はフレーム取り付けを残した面にパネルを挿入した状態です。

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この状態まで組み立てると、パネルにとりつける部品とシャーシに取り付ける基板間のクリアランスの確認ができます。フロントおよびリアパネルは、底板の外形寸法よりもさらに約5mm程度前後に固定されるため、フロントおよびリアパネルに取り付ける部品と基板間のクリアランスに特別な注意が必要ない事が確認できました。それではパネルの加工図の作成を行います。

リアパネル加工図

図面は選定したケースOS99-32-33SSのフロント、リアパネルの図面です。

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フロントとリアパネルは共通です。底板と同様に有効寸法が設定されています。パネル寸法314x92mmに対して有効寸法は294x87mmです。両サイドは10mmづつ固定用のフランジがオーバーラップし、上下は各2.5mmづつアルミフレームの溝にはまります。リアパネルに取り付ける部品はACインレット、ヒューズホルダ、XLRパネルコネクタ2個とRCAピンジャックの計5点です。有効寸法をあまり意識せずに加工図が作成できました。

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パネルセンターの内側に電源基板が配置されるため、部品取り付け位置を左右に振り分けました。

フロントパネル加工図

フロントパネルに取り付ける部品は、電源SW、プッシュSW3個、LCDパネル、アクリル板の計6点です。今回の一番の難関はアクリル板の取り付けです。12チャンネルアッテネータでフロントパネルにアクリル板の取り付けを行っていますが、採用したケースはフロントパネル全面が有効寸法となっていました。今回は固定用のネジを有効寸法内に配置する必要があり、デザイン面が心配です。LCDパネルの固定はM2.6のスタッドを使用せざる得ず、フロントに側から見えるネジの選択に苦慮しそうです。まずはアルミパネルの加工図を作成してみました。

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アクリル板の固定用ネジ位置が内側に入っている点が気になりますが、これで進めたいとおもいます。ネジはM4前提で作図しましたが、後で化粧ネジを探してみる予定です。次回はフロントパネルに取り付けるアクリル板の加工図を作成します。

 

つづく(設計編3)

DACユニットの製作(設計編1)

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設計編1

ブレッドボード版のDACユニットが完成したので、納める為のケースの選定および加工図の設計を行います。

シャーシサイズの見積もり

選定の前に、ブレッドボードの実装を考慮して必要なフットプリントサイズを見積もります。改めてブレッドボードの加工図を掲載します。

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この加工図を眺めて小型化を進めます。マイコンは個別デバッグできるようにアクリルボード上に固定したものを前提にしていたので、マイコン基板単体に変更する事で省スペース化できます。

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デジットキットは入出力端子にピンヘッダを採用しているため、基板間隔を狭くしても配線が可能です。トロイダルトランス2個も、ブレッドボード版では全体のバランスを考慮して配置したため、電源基板側に寄せる事で省スペース化できます。LCDパネルは、フロントパネルに取り付けるため、ボトムシャーシから削除します。上記を考慮して一声、A3の短辺約300mmの正方形内に納める事ができそうです。このシャーシサイズを基にケースを選定します。

ケースの選定

いつものとおり、タカチ電機のラインナップから探してみます。タカチのホームページには製品の検索機能があるので使ってみました。

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初めにラインナップされているケースの構造を選択します。複数にチェックも可能です。

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続いて、ケースのサイズを入力します。外形寸法と内部有効寸法の選択を行い、希望のWxHxD寸法の上限と下限を入力して、材質を選択します。検索ボタンを押すと結果が表示されました。

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全部で14件ヒットしました。結果を整理するとOS/SLシリーズ、POS/PSLシリーズ、WO/WSシリーズの3種類に分けられます。このうち、WO/WSシリーズはOS/SLシリーズにサイドウッドパネルを追加したものなので除外します。さらにPSLとSLは天板と底板が鉄板のため除外しました。残ったものはPOSとOSシリーズです。それぞれの組立図を掲載します。

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上がPOSシリーズで、下がOSシリーズです。POSシリーズはケースを組み立てた状態でフロントとリアパネルが取り外せる構造となっている点が異なります。パネルの固定はスリーブビスが使用されています。

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今回はフロントパネルにアクリル板を取り付けるため、スリーブビス固定用のフランジがじゃまになる恐れがあるので、選択肢から外しました。結局残った選択肢はOSシリーズの4件のみです。さらにパネル高さ違いとケースの塗装処理の違いなので高さを99mm品に決めた事で、OS99-32-33SS一択となりました。チャンネルデバイダのケースは、OS88-32-33SSだったので、結局高さ違い品を選定した事になります。

OSシリーズの構造

図はOS99-32-33SSの天板の図面です。底板も同じ寸法です。

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外形寸法313x294に対して有効寸法は290x269となっています。写真は同じOSシリーズを使用したパワーアンプの電源トランスユニットの天板を外したものです。

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天板固定用のフランジが4辺に設置されているため、このエリアを除外したエリアを有効寸法と呼んでいます。それではこの有効寸法内に部品を配置してみます。

シャーシ加工図面

ブレッドボードの加工図を基に修正をかけていきます。作図の都合上、有効寸法を288x266としました。本記事のアイキャッチ写真は、ブレッドボード加工図に有効寸法を追記したものです。はみ出した部分を有効寸法内に納めます。全体的は配置は踏襲し、全体的にコンパクトに配置しなおしました。結果は以下のとおりです。

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うまく配置できたとおもいます。次回は基板配置ができたので、ケースを購入してフレーム構造を確認の上でリアおよびフロントパネルの加工図を作成します。

 

つづく(設計編2)