ローノイズ真空管アンプ(製作編28)

製作編28

引き続きアンプユニットの配線を続けます。

終段真空管配線完了

出力トランス回りの配線を行おうとシャーシを確認したところ、終段真空管への入力配線を忘れていました。配線に入る前にアンプユニットの回路図を再度掲載します。

まずはカップリングコンデンサ出力をバイアス調整基板にIN端子台へ接続します。

バイアス調整基板にINは、DCバイアスをボリューム値で決める為のものです。終段真空管への入力配線は、別に行います。発振対策用の2.7kΩのグリッド抵抗を、真空管ソケットに半田付けします。

抵抗は他への接触を防止する為に、極力リードを短い状態で取り付けています。そこへ、先ほどバイアス調整基板へ配線したカップリングコンデンサ出力をそれぞれ配線します。

信号経路には白の被覆の電線を使用しています。両チャンネルともに同様に配線を行いました。

出力トランス回り配線

出力トランス配線を始める前に、終段のバイアス電流の測定用に出力トランスの一次巻線の抵抗値を測定します。具体的には、一次巻線の黄ー赤と赤ー橙間の抵抗値を測定します。

バイアス電流調整時に両端子間の電位差を測定すれば、電流値が得られます。結果は以下のとおりでした。

結果は約64Ωで小数点以下は誤差と見なせます。終段の電流は67mAなので、無信号時のそれぞれの巻線の電圧降下値は約2.2Vとなります。値が揃っているので、2つのチップジャック間の電位差がゼロとなるように調整すれば問題ありません。出力トランス回りの配線を始めようとしたところ、B電源の配線に無理がある事に気づきました。前回調整用のチップジャックB電源配線を直接電源基板の端子台に接続しましたが、B電源を一旦Lラグで受けてから配電する事にします。

写真中左右の5極のLラグの外側の2極をB電源用に使用する事にしました。電源基板の端子台からそれぞれのLラグへ一旦配線しています。チップジャックへの配線は、そこから配電しています。これで出力トランス回りの配線をするための準備完了です。初めに出力トランスの一次配線を行います。センタータップ(電線赤)は上記で変更したLラグ端子へ、残りの2本(電線黄と橙)は各真空管ソケットのプレート端子へ配線しました。合わせて各プレートとバイアス電流調整用のチップジャックへの配線も行いました。

次は出力トランス二次巻線の配線を行います。白と黒の電線には、オリジナルアンプ製作時の100Ω抵抗が2個取り付けられていたので、それをそのまま使用しました。

中点を取るためのGND配線はまだ行っていません。わざわざ出力の中点を作る理由は、GNDラインにスピーカー駆動用の大電流を流さない為です。GND配線は、負帰還用の配線も考慮して2芯シールド線を使用する事にしました。GND接続は、Lラグ配電板へ直接行いました。

内側の黒の2本の電線が負帰還用の配線です。反対側は100Ωの抵抗にGNDのみ接続しました。

最初は負帰還をかけずに音を聴いてみたいと考えているため、芯線2本はカットしたままです。過去に帰還ラインに2芯シールド線を使用した事がないので、弊害がないか気になります。まずは帰還なしの状態で特性を測定して判断したいとおもいます。次回は通電確認を行います。

 

つづく(製作編29)