製作編29
配線が完了したアンプユニットの通電確認を行います。
通電確認1
まずは、真空管を装着せずに通電確認を行います。久々に電源トランスユニットと接続しました。
通電を行う前に、真空管を装着せずに通電する事で何らか不都合なないか念のため回路図で確認を行いました。
真空管無しの場合、終段のバイアス回路のみ正常に動作しますが、他の回路は電源電圧またはGND電位となります。B電源が無負荷の場合、電圧が上がりすぎてしまうため、電源基板通電確認時と同様に100kΩのダミー負荷を取り付けました。
それではLチャンネルから確認を行います。結果は以下のとおりです。
電源はほぼ無負荷状態なので、設計の電圧値よりもかなり高くなっていますが、想定どおりの電圧となっている事が確認できました。続いてR-chを確認します。あらら、終段のバイアス回路回りの電圧がおかしいです。
終段停電流回路用抵抗のGND側のリードの電位が0.7Vとなっていますが、接続されている端子台の電圧は0Vとなっていました。R14の半田不良が疑われます。早々にバイアス回路基板を取り外しました。
エミッタ抵抗の接続を確認したところ、半田付けがされていませんでした。
この部分は、基板ポストを端子台に変更した際に抵抗のリードと端子台が干渉した為、リードの位置を一穴分内側にずらす対応を行いました。その後のハンダ忘れと判明しました。ハンダ付けを行い、元どおり基板を実装して改めて通電確認を行いました。結果は以下のとおりです。
Lチャンネルと同等の結果となり、問題がない事が確認できました。真空管無しの通電確認はこれで完了です。
初段通電確認
次は初段のみ真空管を装着して通電確認を行います。真空管アンプは、トランジスタアンプと違い、無帰還の動作ができるため、初段のみの通電確認ができるので通電確認がやりやすいです。
真空管を装着した後はボンネットを取り付けて上下逆さまに配置します。この状態で改めて電源トランスユニットと接続しました。
マルチテスタのGNDを接続して緊張しつつ電源オンしました。発煙等ありません。
結果は以下のとおりです。
プレート電流が流れる事で、プレート電位が下がりました。負荷抵抗150kΩにかかる電圧からプレート電流を計算するとそれぞれ0.74mA~0.75mAとなり、カソードに接続した1.5mAの定電流ダイオードは正常に機能しています。今のところ順調です。
終段通電確認
終段の通電確認は片チャンネルづつ行います。初めにRチャンネルの真空管を実装しました。
スピーカーターミナルには過去に製作した8Ωのダミー抵抗を接続します。
初段通電時と同様にボンネットを被せて逆さに置いて通電確認を行いました。結果は以下のとおりです。
カソードに接続された定電流回路のエミッタ抵抗の電圧8.8Vからプレート電流の和が算出できます。結果は59mAでした。設計値よりもやや小さくなっています。バイアス調整用ボリュームはセンターのままですが、バランスは全く問題ありませんでした。終段のB電源電圧は設計値よりも高いですが、Lチャンネルが動作していない為です。Lチャンネルを動作させた後、Rチャンネルの各部電圧も改めて測定し直します。次回も引き続き通電確認を進めます。
つづく(製作編30)