ローノイズ真空管アンプ(製作編2)

製作編2

取り外した部品寸法を確認し、加工図の修正を行います。その後、ユニット間の接続用ケーブルの発注を行います。

リアパネル加工図修正

取り外したスピーカーターミナルの寸法を確認して加工図に回り止めを追加します。スピーカーターミナルの構造は以下のとおりです。

手前の樹脂がリアパネルの加工穴に入りターミナルとパネルを絶縁します。凸状の部分が回り止めです。幅と高さがほぼ2mmです。さっそく加工図を修正しました。

穴径φ9だと少し小さめなので、追加工が必要となりそうです。次は取っ手を確認します。アマゾンで購入しましたが、春節を挟んでいましたが配送予定日より遙かに早く届きました。

パネル加工図の修正の要否を確認するために現品を測定してみました。

え!?これじゃない・・・?改めて注文した金具の詳細を確認してみました。

あぁ、やってしまいました。商品のタイトルと詳細説明が食い違っています。現品は27mmパイプ固定用空間の外側に6mmx2の金具形状となっているため、外寸は39mmとなり、シャーシ高さ40mmのケースに取り付けることはできません。私の注意不足という事であきらめて別のものを改めて注文しました。

寸法は何度も確認したので問題ないとおもいます。気になる点は奥行きが長いのでシャーシ内部の部品との干渉が心配です。別の考え方をすると、固定する位置を調整する事でスピーカーターミナルの保護もできそうです。価格が間違って購入した物に対して約1.7倍もしました。今回は手配ミスによる出費増加を頻発させてしまってます。気をつけねば・・・。

ケーブル発注

マルチアンプシステム用のウーファーチャンネル用アンプ作成時に購入したケーブルの切れ端が見つかったのでコネクタ取り付けの確認を行いました。見つかったケーブルは0.75sqの5芯ケーブルです。航空コネクタ用のケーブルで、図面が不明瞭だったため確認が必要と考えていました。ケーブルの外形は8mm強で、航空コネクタ図面から9mmまで使用可能と見ていました。結果はご覧のとおりです。

やれやれ、そのままではまったく入りません。0.5sq品を選択すればコネクタ取り付けはできそうですが、ケーブルの定格電圧が100V以下の為、選択できません。安全規格上、いまいちの対応ですが、無理して写真の方法で取り付ける事とします。

熱収縮チューブはUL認証品ですが、熱収縮チューブ自体が絶縁材と見なされるのでしょうか?自己責任としてこの方法で進める事にします。今回の製作で必要なケーブルは下記の3種類です。

1)VCTF 5芯 0.75sq 2m

2)VCTF 5芯 0.5sq 2m

3)VCTF 4芯 0.75sq 2m

探すのが面倒なので、アマゾンで切り売りを探しました。切り売りには2タイプがあります。単価は安いが別途送料がかかるものと、単価は高いが送料込みのものです。候補を表にまとめてみました。

送料込みの価格が安い物を選択しましたが、在庫が1mしかないものは候補から外しています。2種類の電線は同一業者ですが、それでも送料がそろぞれ請求されるのは納得できません。でも背に腹はかえられないので、最終的には網掛けのものを発注しました。合わせて取っ手用のM6の小型ナットも発注しました。トグルスイッチ在庫が沢山あったので固定用のナットの流用を試してみましたが、残念ながら固定用のねじはインチネジだった為に使用できませんでした。次回は部品の入手状況によって作業内容を決める予定です。

 

つづく(製作編3)

ローノイズ真空管アンプ(製作編1)

製作編1

高額部品を流用する為に、現行のアンプを分解します。

現行アンプ

この現行真空管アンプですが、本ブログの最初の製作記事(2016年6月26日~)で取り扱ったものです。

真空管アンプ自体の設計は初めてだったので勉強からスタートしました。その後、パワーアンプの周波数特性番外編6(2017年2月13日)でNFBを外して無帰還アンプ化しました。さらに真空管アンプ負帰還(2022年5月27~)で負帰還を復活させて現在に至ります。

上記写真は、負帰還の復活と合わせて、入力バッファを追加したものです。分解する前に、16cmフルレンジスピーカーと組み合わせてひとしきり音楽を聴きました。

分解開始

まず初めに真空管を取り外します。このアンプの真空管は通電時間が長くないので再利用します。

EL34の取り外しは堅くて苦労しました。取り外した真空管は、ペアを維持したままエアキャップにくるんで保管します。次は内部の配線を取り外します。あらためてボンネットを取り付けて、筐体を逆さにしてボトムシャーシを取り外しました。

最初にスピーカーターミナルを取り外しました。

次に入力用のXLRパネルコネクタを取り外しました。分解には通常使用のコテではなく、40Wのコテを使用しました。パワフルなので部品のモールドを溶かさない配慮が必要です。

続いて、ヒューズホルダとACインレットを取り外しました。

これでリアパネルに取り付けた電気部品の取り外しは完了です。続いて、高耐圧の電解コンデンサーを取り外します。最初にラグ板ごと取り外し、その後電解コンデンサーを取り外しました。

次は終段バイアス用の基板を取り外しました。

当時は、まだ端子台を使用していないため、基板ポストに配線を直接ハンダ付けしていました。さらに電源基板を取り外します。電源基板は再利用を考えていません。

フロントパネル取り付け部品で再利用するものは、電源ランプのみです。

取り外し時には気づきませんでしたが、写真で見るとフランジ部分が錆びています。使用前に磨きたいとおもいます。次に終段真空管用のソケットを取り外しました。かなりの配線量があったので手間がかかりました。

残りの大物はトランスです。段ボールで養生したテーブルに、ボンネットを外した筐体を逆さに置きました。出力トランス2台で支えている状態です。この状態で電源トランスのナットを緩めて、電源トランスを取り外しました。さらに出力トランス用のネジを取り外し、シャーシを持ち上げると、養生されたテーブル上に出力トランスが残ります。あとは、初段の真空管ソケットとL字のラグ板と、パネルの取っ手を取り外せば分解は完了です。

製作にはそれなりに時間はかかりましたが、分解はあっという間で少し複雑な気分です。再利用予定の部品は、こんな感じで保管します。

電源トランスと出力トランスはダンボールで養生しています。エアキャップで養生しているものが真空管で、残りの小物部品は秋月から電子部品購入時の袋に入れています。残りの部品の発注をかければ、部品の確保は完了となります。次回は取り外した部品の寸法を確認し、必要に応じて加工図を修正して製作に取りかかりたいとおもいます。

 

つづく(製作編2)

ローノイズ真空管アンプ(設計編9)

設計編9

アンプユニットのケースを発注し、予定を変更してケーブルの設計を行います。

アンプケース発注

アンプユニットのケースはリードのMK-350を使用します。従来は若松通商と共立エレショップの在庫確認の上、安い方へ発注していましたが、今回は少しでも部品代を安くする為に、ネット検索をしてみました。欲を出した為に発注でミスをしてしまい、結果高いケースを買ってしまった顛末です。検索は「リード MK-350」で行ったところ、ネットショップがいくつもヒットしました。結果は共立エレショップは8,657円(税、送料込み)、若松通商は9,600円などが見つかりました。さらに確認を進めるとアキバのショップで8,217円が見つかり、ここに注文する事にしました。手続きの中で、カード払いは代引のみしか使用できず、安く済ますには振り込み対応になる事がわかりました。これが安さの秘密なのかと勝手に思いました。数日後、商品在庫確認完了と振り込み案内メールを受信しましたが、そのメールをよくよく見てみると、型式がMK-300となっていました。検索の飛び先のデフォルトのケース型式がMK-300となっていたようです。小型のケースと価格比較していたわけですから安いわけです。型式間違えをしていた事を返信したところ、すぐにMK-350の振り込み通知メールが返信されました。価格は10,186円です。手間をかけさせてしまった為、そのまま振り込みをしましたが、手間をかけて、1,500円以上高い物を買うことになってしまいました。やれやれ・・・。

ケーブル設計

すでにコネクタは現品を入手し、ケースの加工図も完成済みですが、接続用ケーブルが製作できなければ、見直しが必要となります。いまさらですが、ケーブル設計を行います。改めて電源回路図を掲載します。

必要なケーブルは、5芯が2種類と4芯が1種類の計3本です。まずはケーブルの外形を決める為に改めてXLRコネクタの仕様を確認します。

上記は4極のコネクタ仕様ですが、寸法関連の仕様は5極も共通でした。今回確認したのは、cable O.D.です。3.5-8.0mmとなっています。外形が8mm以下の4芯と5芯ケーブルが必要な事が確認できました。次に航空コネクタの図面を確認します。ネットで検索しましたが、鮮明なものが見つかりませんでした。

この図面を見る限り、外形9mm以下が使用できそうです。図面の読みとりにいまひとつ自信がもてないので、ケーブル発注前に現品の再確認をしてみたいとおもいます。次にケーブルの選定です。アマゾンで4芯と5芯ケーブルを検索してみました。手頃なケーブルとして富士電線工業のVCTFケーブルが見つかりました。販売サイト上では詳細の仕様がわからない為、メーカーのホームページからカタログをダウンロードしました。

問題なさそうなので、仕様書もダウンロードしてみました。4芯と5芯で外形が9.0mm以下のものを確認します。

上記を見ると、5芯の0.75sq品は外形のmaxが8.55mmなので航空コネクタに使用できそうです。0.75sq品は、0.5sq品と違い、300V以下まで使用可能なので助かりました。XLRコネクタ4極は、EL34ヒーター用で極あたり3Aの電流が流れるので0.75sq品を使用したいとおもいます。残りのXLR5極は外形仕様の関係で0.5sq品を選択せざる得ません。12AX7ヒーターと-5V電源用なので、電流値も小さく問題ありません。上記のケーブル仕様をまとめてみました。

次回は現行アンプの分解に着手します。

 

つづく(製作編1)

ローノイズ真空管アンプ(設計編8)

設計編8

アンプユニットのシャーシ加工図を見た目の観点で見直し、フロントパネルとリアパネルの加工図を作成します。

アンプユニットシャーシ加工図見直し

前回の記事で作成紹介したアンプユニットシャーシ加工図を再掲載します。

図面中の3枚の基板は、シャーシ下に配置されので部品実装後の見た目がイメージできるように加工図を修正してみました。

シャーシ中央の後ろ側が空きスペースとなっていて見栄えがよくありません。見た目のバランスをとるために、電源用電解コンデンサ3個の配置を変更してみます。この場合、電源基板と電解コンデンサをシャーシ上下でオーバーラップ配置する必要があります。シャーシ下高さが40mmなので、基板上の高さを25mm以上確保する為には、10mmの六角スペーサーを使用する事になります。基板厚を考慮すると基板上の高さは28.4mmとなります。基板下クリアランスは10mmです。電解コンデンサの端子高さが約5mmですが、なんとかするしかありません。

2つの電解コンデンサーと電源基板がオーバーラップしています。電解コンデンサ固定用のネジとナットとの干渉も懸念されます。この場合の部品配置は以下のとおりです。

見た目のバランスは断然こちらの方がいいです。干渉確認をしながらの部品実装は大変そうですが、こちらで進める事にします。

フロントパネル加工図

フロントパネルには、電源スイッチと電源ランプおよびそれらを保護するためにハンドルを取り付けます。まずはハンドルを探します。シャーシの高さが40mmしかないので、小型の金具を検索してみました。小型のタイプは選択肢がありませんでしたが、以下の金具を発注しました。

リングの内径が20mmの為、金具の外形は32mmになります。フロントパネルに縦に取り付けると上下のクリアランスが片側4mmしかありません。取り付け時に通常のナットは使用できない為、小型のナットを使用します。アマゾンで検索してみましたが、あまり良い物が見つかりませんでした。

これであれば、M6固定のトグルスイッチを買って付属のナットのみ使った方が安いかもしれません。この金具のお届け予定が最大で1ヶ月となっているため、おそらく中国発送になると考えられます。春節を跨ぐ為、輸送トラブルが起こらなければいいのですが。電源スイッチは波動スイッチを使用します。図面は以下のとおりです。

角穴にスナップインするタイプです。小さめに穴を空けて削ってサイズ合わせを行う予定です。最後は電源ランプです。電源トランスユニットで採用するものの色違い品を使用します。図面は以下のとおりです。

以上を反映してフロントパネルの加工図を作成しました。

シンプルなパネルです。

アンプユニットリアパネル加工図

加工図の最後は、アンプユニットのリアパネル加工図です。取り付ける部品は、電源トランスユニットに取り付けたXLRコネクタ(4極と5極)のオス版と航空コネクタおよび、アンプ入力用のXLRコネクタとスピーカーターミナルです。スピーカーターミナルは、現行アンプのものを再利用します。現行アンプの加工図は丸穴になっていますが、記憶によると回り止め形状となっていたとおもいますので、分解した時点で修正したいとおもいます。取っ手は、フロントに取り付けた金具と同じものを取り付ける前提としていますが、サイズ面でスピーカーターミナルの保護にならないようであれば金具を変更します。作成したリアパネル加工図は以下のとおりです。

中央が航空コネクタで、その両脇が電源トランスユニットからのケーブルを接続するXLRコネクタ(オス)です。その両脇がスピーカーターミナルで、両サイドがアンプ入力用のXLRコネクタ(3極)です。現行アンプをばらした時点で部品寸法を確認して加工図をチェックする予定です。次回はアンプユニット用のケース発注を行い、現行アンプの分解を開始します。

 

つづく(設計編9)

ローノイズ真空管アンプ(設計編7)

設計編7

電源トランスユニットのフロントパネルの加工図を作成し、大物実装部品の発注をします。

フロントパネル加工図

加工図作成前に、前回の記事で掲載したサブシャーシの固定を反映したパネル図面を再掲載します。

フロントパネルの加工図は、前回の記事で紹介しましたが、誤って電源スイッチを取り付けた物を作成し、気づいて削除し、さらにサブシャーシの影響に気づき最終版を作成した為、都合3枚も描きました。やれやれ。改めて取り付ける部品を明確にしますが、電源ランプのみです。コンセントインで点灯させるのでパイロットランプと呼んだ方がいいかもしれません。折角なので電源回路図をアップデートしました。パイロットランプの追加とリレーの型式指定をしています。

取り付け部品の寸法を確認します。

図面はブラケットLEDで、穴径はφ8.2とします。取り付けはアルミシャーシ下としました。左端からの距離は、他の機器に合わせて40mmとします。作成した図面は以下のとおりです。

丸穴だけなので加工は簡単に済みそうです。

電源トランスユニット大物部品発注

加工図面が完成したので、電源トランスユニット用の大物部品を発注します。まずはタカチ電機工業のケースOS149-16-33SSです。これはいつものとおり、楽天市場のイーデンキへ発注しました。メーカーからダイレクトに発送される為価格はリーズナブルですが、代引、返品不可です。送料を含めて12,441円でした。同じくアルミシャーシAC16-33も価格優先で探したところ楽天市場のトキワへ注文しました。ことらもメーカー直送となります。価格は送料を含めて2,630円でした。次はXLRコネクタです。1月に注文リストを作成したので再掲載します。

価格はサウンドハウス発注前提です。注文の手続きを始めたところ、全コネクタの価格がアップしていました。おそらく2月1日で価格改定がされたのではとおもいます。表上の合計価格は7,570円ですが、注文時点では460円アップの8,030円になっていました。とほほ・・・。最後は東栄変成器のJ-2403です。ドランス自体は消費税込みで1,800円ですが、別途送料が990円かかりました。送料はトランスの種類によらず同一なので、このような小さなトランス購入時はコスパが悪いとおもいます。

アンプユニット加工図

設計編3で、シャーシのラフな加工図を作成しました。そのタイミングでは、必要な部品が指定のケース(MK-350)に収まる事の確認を行いました。改めてその加工図面を掲載します。

寸法は未記入で、部品配置をみなおした方がいい点もありました。具体的にはバイアス調整用のリードチップコネクタの位置を見直し、電源用の電解コンデンサの位置出しを行いました。修正加工図面は以下のとおりです。

かなりごちゃごちゃしてしまいましたが、加工図としてはまとまりました。作成後に気づきましたが、図面上シャーシ下に配置される部品は基板3枚です。バイアス調整用小基板2枚は問題ありませんが、電源基板上がまっさらとなり、ボンネットを外したときの見た目のバランスが悪い感じがしてきました。違和感をなくすには、電源用電解コンデンサをシャーシ上にバランス良く並べて、配置は電源基板とオーバーラップさせる事です。変更した場合の懸念点は、シャーシ下の高さが40mmしかないため、部品の干渉と組立製への影響です。見た目は重要なので配置変更を検討してみます。次回はシャーシ加工図の改版とフロントパネルおよびリアパネルの加工図の作成を行います。

 

つづく(設計編8)

ローノイズ真空管アンプ(設計編6)

設計編6

電源トランスユニットのリアパネル加工図を作成します。

電源トランスユニット概要

少しおさらいをします。電源トランスユニットは下記回路図の点線の左側を納めます。

ケースはタカチ電機のOS149-16-33SSを使用する事としました。電源トランスを納める為に、サブシャーシを取り付けます。オプション品のアルミシャーシAC16-33を取り付けます。AC16-33のオリジナルの高さは、17mmしかありません。

前回の記事で50mmの六角スペーサーを使って高さを上げる事としていました。それに基づいてフロントパネルの加工図を一旦作成しましたが、アルミシャーシ自体の高さの考慮が漏れていました。その上、必要のない電源スイッチの取り付け穴も追加してしまった為、フロントパネルの加工図は都合3回も作成することとなりました。時系列で記事にするとわかりにくいので、アルミシャーシ高さに気づいたリアパネル加工図の作成から説明します。

リアパネル加工図

リアパネルには、ACインレット、ヒューズホルダ、航空コネクタ、XLRパネルコネクタ2個をとりつけます。パネルの図面を抜粋します。

フランジでパネルを固定し、外周部が隠れる為、有効寸法は134 x 137mmです。さらに考慮が必要な点は、サブシャーシの取り付けです。下記はパネル図面にサブシャーシの取り付けイメージを反映しました。

左端の10mmは有効寸法を考慮、8mmはサブシャーシ固定用の六角スペーサーの投影部です。サブシャーシの高さが17mmあるので、30mmの六角スペーサーを使用し、サブシャーシの部品取り付け面の高さを47mmとしています。コネクタ類を横一列に並べたかったですが、有効寸法と六角スペーサーを考慮すると全てを並べることができません。仕方がないので、ACインレット、ヒューズホルダと航空コネクタをサブシャーシ下に並べて、残りXLRパネルコネクタをサブシャーシ上に配置する事にしました。取り付け部品の寸法を確認します。初めはACインレットです。

アルミ加工の傷を隠すためにフランジを外側で固定します。次はヒューズホルダです。

取り付け穴は、周り止めの為に円の上下をカットした寸法となっています。次は航空コネクタです。図面はありませんが、現品を入手済みの為測ってみました。この部品もヒューズホルダと同様にφ15.5の円の上下を幅14.5mmでカットした断面になっていました。

図面上は余裕をとってφ16の穴の両側を14.5mmでカットした形状としています。配線の都合により、コネクタの向きを両サイドカットされた状態としたいとおもいます。最後はNEUTRIKのXLRパネルコネクタです。図面は以下のとおりです。

加工図面は、加工の都合上問題のない範囲で若干寸法を変更します。それでは上記の部品をリアパネルに展開してみました。

コネクタを上下二段に並べていて、その間に17mmの空間を空けていますが、ここがアルミシャーシとその取り付け板部分です。センターの四角形は、アルミシャーシの一番後ろ側にとりつけるヒーター用トランスの外形の投影です。XLRパネルコネクタと干渉の可能性は低いとおもいますが、配線も考慮してオーバーラップを避けています。一旦リアパネルの加工図は完成とします。次回はフロントパネルの加工図を作成します。

 

つづく(設計編7)

ローノイズ真空管アンプ(設計編5)

設計編5

電源トランスユニットのサブシャーシ取り付け方法を確認して加工図の作成を行います。

シャーシ加工図

前回の記事で、電源トランスユニットのケースとしてOS149-16-33とサブシャーシAC20-33の組み合わせとする方針を決めました。

タカチ電機工業にサブシャーシの取り付けに関して問い合わせメールを出していましたが、返信をいただきました。回答内容は以下のとおりです。

1)ACシリーズはOSシリーズに対応していて同寸法の型式同士の取り付けが可能

2)ボトムカバー取り付け用フランジに取り付ける

3)スペーサーを使って高さを変更した取り付けについての可否は答えられない

回答に関しては、想定したとおりでした。2)項については、質問メール発信後に別寸法のケース(サブウーファー用チャンネルデバイダー)を確認したところ、フロントおよびリアパネルとサイドパネル連結用の金具の固定用ネジを取り外して、アルミシャーシ付属の長いネジ(サラM3x10)に交換し、そこへアルミパネルを差し込んでナット(付属のM3ナット)止めする構造と理解できました。

取り付け高さを高くする為には、固定用ネジに六角スペーサーを取り付ける事でアルミシャーシ位置をあげる必要がありますが、50mmのスペーサーの在庫を確認してみました。

写真は秋月電子の販売ペーシ掲載のものです。販売ページのデザインが変更されていました。残念ながら50mm長のものはなかったので、30mm+20mmを組み合わせて使用したいとおもいます。試しにサブウーファー用チャンネルデバイダーのケースに高さ変更用の六角スペーサーを取り付けてみました。

ボトムカバーを外す事が手間なので、トップカバー側に取り付けています。取り付け自体は問題ありませんが、フロントパネルとリアパネル取り付け部品との干渉を考慮して部品取り付け位置を決める必要があります。ザックリと計ってみましたが、六角スペーサーで、片側約8mmくらいパネルの有効寸法が狭くなりそうです。

サブシャーシ配置検討

搭載部品は電源トランス、初段真空管用ヒータートランス、12V安定化電源基板の3種類です。一番重い電源トランスは、重量バランスを考えてシャーシ中央に配置し、後ろ側にヒーター用トランスを、前側に安定化電源用基板を配置します。まずはラフに加工図を作成してみました。

左が手前側で、右が後ろ側です。電源トランスと基板が接近していますが、取り付け面が違うので問題はないと考えます。前回の記事で、ヒーター用トランスはサブシャーシ下へ実装すると書きましたが、サブシャーシ上に取り付ける事にしました。理由は、電源トランスユニット内部の見た目と、リアパネル取り付け部品との干渉を考慮した結果です。従ってサブシャーシ下に実装するものは、12V安定化電源基板のみとなります。注意が必要な点は、パネル取り付け部品とサブシャーシの干渉ですが、サブシャーシ位置を50mm上げる予定なのでなんとかなると思います。大きな問題はなさそうなので、詳細な加工図を作成しました。

ヒータートランス配線は、両側のφ7の穴を通して行います。アルミシャーシの厚みはt=2.0なので、電源トランス用の角穴あけは手は痺れるとおもいますがハンドニブラでなんとか加工できそうです。念のため、ハンドニブラの替え刃を準備しておきたいとおもいます。次回は電源トランスユニットのフロントパネルとリアパネルの加工図の作成をします。

 

つづく(設計編6)